2008年2月24日日曜日

映画「恋の行方」 (1989)

久しぶりにしっかりとDVDの映画を見てしまいました。実はじゃんぼおかんさんにお借りしたのです。製作総指揮ということで事実上はシドニー・ポラックの映画ですね。

ポラックといえば、1968年の「泳ぐひと、」1969年のジェーン・フォンダの「ひとりぼっちの青春」で一躍名をはせた監督さんです。これらの映画は、いわゆるアメリカン・ニュー・シネマと呼ばれた、ベトナム戦争後の病んだアメリカにテーマを求めた作品の草分けとされています。

その後は1973年のバーバラ・ストライザンドとロバート・レッドフォードの「追憶」が人気を浮動の物にしました。主題歌のメモリーズはスタンダードになりました。そして1985年のメリル・ストリープとロバート・レッドフォードによる「愛と哀しみの果て」でアカデミー賞の作品賞・監督賞を受賞したわけです。最近では2003年のニコール・キッドマンま迫真の演技で話題になった「コールド・マウンテン」を製作しています。

この「恋の行方」は大人の恋愛を描いてきたポラックならではの映画ですね。監督はスティーヴ・クローヴスに任せてます。あんまり聞いたことがない監督ですが、実は監督はこの作品くらいしかなく。、むしろハリー・ポッター・シリーズの脚本で有名。やはり、そこのところが緩い。監督としては素人を使っているので、せっかくの題材とキャストなんですけど、テンポがたりない。

ホテルのラウンジピアノが主役なので、全編ムードのある音楽が流れ続けるのですが、一本調子になっている感は否めない。こけは音楽を担当しているデイブ・グルーシンにも多いに責任があるわけです。リー・リトナーやアーニー・ワッツといった気心しれた仲間を使っての音楽なんですが、むしろオリジナルの曲よりもテデューク・エリントンやベニー・グッドマンの古い録音の方が効果的に使われている感じでした。

出演はジェフ・ブリッジスとミシェル・ファイファー。ジェフはリチャード・ギアのように化けれなかった二枚目俳優さんです。ミシェルはバットマンのキャットウーマンでも有名(007のボンドガールと完全に勘違いしていました)。ジェフの実の兄の ボー・ブリッジスが、映画の中でも手堅く生活するためにがんばっている兄の役で映画の主軸を作っています。

兄弟は生活のために面白くもないホテル周りのピアノ弾きですが、仕事のために女性シンガーを入れたところ人気が出てきます。でも弟のジェフはジャズ・ピアニストの夢をあきらめられません。ジェフとミシェルは次第に惹かれあっていきますが・・・というのが大筋ですけど、いわゆる恋愛映画のハーピーエンドにはなりません。たぶんうまくいくのかなぁ、という余韻を残して終わります。

とにかくこの映画のじゃんぼおかんさんの最大のおすすめはミシェルのボーカル。吹き替えなしで挑んだだけあって、なかなかたいした物です。この役でアカデミー賞の主演女優賞を取ったんですね。特に最初の登場からだんだんうまくなっていく雰囲気はけっこう出ていて、確かにハッピーではない終わりにかぶさってくるMy Funny Valentineは象徴的です。と言うわけで、べたべたしない大人の恋愛ドラマを楽しむには肩がこらずにちょうどいいできです。そして何よりジャズ好きには楽しみの多い映画で、2時間弱ジャズ・クラブにいるような感じでした。じゃんぼおかんさん、またお勧め貸してね。

ブログランキング・にほんブログ村へ ← この記事が気に入ったらclickをお願いします