2008年9月6日土曜日

初めてのミス

骨折の治療は整形外科医にとっては基本です。自分は関節リウマチの勉強をしたくて、東海大学を辞してからはほとんど骨折の手術をしなくなりました。バイト先の病院ではやっていましたが、そんなに多くはありません。

一体何例くらいの手術をしたんでしょうか。手術記録のほとんどは手元に残してあるので、まじめに数えればだいたいはわかりますが、バイト先の分は正確にはわかりません。

東海大学病院に勤務していたのは、研修医として3年間、助手として4年間です。だいたい年間で100件程度で、おおよそ700件くらいでしょう。

4年目と5年目は出向していて、それぞれ100件と50件くらい。8年目から4年間は医長出向で年間200件で全部で800件。14年目も医長出向で150件。そのあと女子医科大学のリウマチセンターへ移って、5年間で350件くらいでしょうか。

そこまでのおよそ20年間に週に1回のバイト先では年間30件くらいしているとすると、600件ということになります。開業してからは年間で30件くらいですから、今日までに80件程度です。

全部足すと、700+100+50+800+150+350+600+80=2830ということになります。

手術を始めるときには、周りのスタッフや助手してくれる先生方に対して「よろしくお願いします」、そして終わると「ありがとうございました」と挨拶します。これまでに2830回の挨拶をしてきたことになります。

そのほとんどは外傷で、大多数は骨折てすから、意外と関節リウマチの手術がしめている割合は少ないのかもしれません。でもリウマチの頻度は100人に対して数人ですから、350件という数は1/8を占めているというのはけっこうな数とも言えます。

まぁ、数はどうでもいいのですが、先日大学でリウマチの方の手術をした際に、2830件で初めて小さいミス、それも初歩的なミスをしてしまいました。

数カ所の皮膚切開をしたのですが、そのうちの小さな一つを縫合するのを忘れてしまったです。病院からの帰り道で、いつものように今日の手術の出来を頭の中で復習しているときに、ふっと思い出しました。

あれ、あそこを縫ったっけ・・・すぐに携帯で連絡して見ると、やはり忘れていたのです。すぐに助手に入ってくれた先生が処置をしてくれたので、特に大事には至りませんでした。

それにしても、小さい傷とはいえ、縫合を忘れるというのは、あまりに馬鹿らしいミスで言い訳のしようもありません。猛反省することになりました。

やはり手術からの引退というのも考えないといけないのかなぁ、と考えてしまうこの頃なのです。