2009年1月18日日曜日

医師不足

1月12日のニュース。国家公務員共済組合連合会の横須賀北部共済病院(横須賀市船越町)が、医師不足による経営悪化から独立採算を維持できなくなり、効率化に伴い婦人科の廃止などが避けられない。

1月15日のニュース。県立大野病院(福島県大熊町)を、JA福島厚生連が運営する双葉厚生病院(双葉町)と統合する方針を固めた。2006年帝王切開手術について執刀医が逮捕・起訴されて産婦人科を休止。近年、患者数が落ち込んで収入が減少していた。

1月17日のニュース。山鹿立病院(熊本県)の小児科は2007年8月から常勤医が不在となり、大学病院から派遣された非常勤医による週2回の診察となった。医師不足に伴って外来・入院患者も減り、累積赤字が膨らみ、医師確保のメドも立っていない。

1月18日のニュース。県立延岡病院(宮崎県延岡市)の医師計6人の退職に伴って腎臓内科と神経内科の医師が不在となり、後任や補充のめどは立っていない

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この1週間だけでも、簡単にこんなニュースを拾い出せる。去年の千葉県銚子市の市立病院問題は、首都圏に近いこともあって記憶に新しい。

共通して言えることは、いずれも地方であること。2006年に始まった研修医制度改革のせいで、都会に偏在する傾向を作った。きつい大学病院に残る医者がいなくなった。と、いうような論調です。

それは正しい物の見方だと思いますが、ところが去年大きな問題を投げかけたのは、東京での産科たらい回し。都会でも医師が足りていないという現状が露呈したわけです。

じゃ、医者はいったいどこにいったのか。開業医?

医者の数は着実に増えていて、勤務医と開業医の数の増加に、それほどの大きな差はないといわれています。もっとも、都筑区のように地下鉄の新規開業による人口増加地区などは事情は異なるところはありますが、医者の中での大変さによる専門性の偏在ということが関係しているのでしょう。

産科・小児科医が少ないことは、既に指摘されているわけですが、じゃぁ、この科がきついのかというと、もちろん大変なのは間違いありませんが、現実の問題として少子化という問題も大きく関係していることを忘れてはいけません。

出産する人が減って患者さんが少なければ、当然医者はなり手がいなくなります。そして、高齢出産の増加・・・その原因を考えると、いろいろ価値観があるのでそれには触れませんが、リスクの増大に拍車をかけていて医師の減少に関わっていることは容易に想像できることです。

また、知り合いにも医師免許は持っていても医者をしない人がいます。以前は、医者は医者しか仕事はなかったのですが、現代社会の多様性の中では思ってもいないような仕事があるものなんですね。

いずれにしても、あまりに根が深い問題で、一町医者がどうのこうのと言える事ではありません。でも少なくとも医者はみんな単純な生き物で、患者さんが治って喜んでくれれば自分も嬉しいだけのもんですから、そこだけを考えていける環境が欲しいもんです。