2009年5月28日木曜日

過去の人

今日は、久しぶりに大学で手術。東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター・・・って、長い名前でしょう。電話の応対とか大変だと思います。

それはさておき、センターは外来だけの「クリニック」形式なので、病棟が無い。これがいろいろ面倒なのですが、神宮外苑の近くの青山病院というところを病棟として使用していて、手術もここでやっています。

青山という土地としてのブランドがある場所なので、とりあえず外見はホテル(実際、建物の上半分は会員制ホテル)みたいで、まさかここに病院があるときは誰も思わない。

けっこう久しぶりで、ずいぶんと変わっていてびっくりしました。

リウマチセンターが病棟として使っていたのは5階なんですが、今は全体でいろいろ使っているみたいで、今日の患者さんも別の病棟に入院していました。

それから、売店ができている。大学の病院なんだから売店くらいあって当たり前と思うかもしれませんが、もともと100床くらいのちいさい病院ですから、売店なんてありませんでした。

手術の時には昔からブラシで手を洗うというのがお決まりだったのですが、よほど汚れていなければ消毒液だけという方式になっていました。このあたりは、アメリカ仕込みのEBM(統計学的な根拠に基づく医学)から来ているわけでしょう。

それにしても、最近は外来の先生もだいぶ代わってしまいましたので、自分のところに手術の相談に患者さんをまわしてくることも少なくなってきました。ですから、大学で手術をするというのも、後何回あるかわかりません。

まぁ、当然開業医となって、手術してなんぼの勤務医でなくなったわけですから、当然です。このブログの最初にも、あとどのくらい手術ができるかなぁ、みたいなことを書きましたが、手術は知識よりも技術的な部分が多いので、日常的にやっていないと明らかに下手になる。

これはまちがいありません。少なくとも自分は手術が下手ではなかったと自負していますが、最近は明らかに手順が悪くなっていることを自覚します。まだ、それが表に出るようなエラーにはなっていませんが、術者としては過去の人になりつつあることは否めません。

開業医としての役割を考えれば、それは特に維持しなければならない部分ではないので、その時には潔く引退でかまわないと思っています。

今日は病院の変化に戸惑い、ちょっとそんなことを考えてしまいました。