2009年6月5日金曜日

アメ車

アメ車、要するにアメリカの自動車。フォード、クライスラー、GMというアメリカの今日の発展を大きく支えたメーカーがここに来て息も絶え絶え。クライスラーに続いてGMも倒産ということで、時代の移り変わりは無情そのもの。

今や外車と言えば、ベンツかBMW。そうでなければ、ボルボ、シトロエン、プジョーなどの方が思い出しやすい。

昭和の大人にとっては、アメ車はステータスそのものでした。しかし、日本ではスーパーカー・ブームを境に、ヨーロッパ車が人気を誇るようになり、アメ車はガソリンを消費するだけの下品な大きいだけの車になってしまった感があります。

昭和の時代は、文化といえるものは何でもアメリカから入ってきた。チョコレートやポテトチップといったお菓子。音楽もプレスリー。テレビドラマもアメリカの番組ばかり。そういう中で、アメ車は最高にかっこいいアイテムとして、みんなの憧れだったんでしょう。

そうなると、しだいに景気がいい人が乗るようになり、いつの間にか暴力団の公用車のようなイメージが定着したのも災いしたかもしれません。真っ黒のキャデラックなんて走っていたら、避けた方が無難。

トヨタのカローラから始まった国民車。ニッサンのスカイラインで人気に火が付き、気が付いたら日本人が日本人のために作ったわけですから、アメ車よりも日本の風土にもマッチして大人気。技術力もあきらかに追い越して、とにかく日本車は壊れなくなった。

崩壊したアメ車神話は、もう元には戻せないくらいにずたずたになったと思います。世界のリーダーと自負する、アメリカの国そのものを象徴しているような話です。でも、対岸の火事と笑ってばかりいられません。日本も、医療だけでなくいろいろな分野で空回りが目立つ昨今です。

物事の正しい価値を見極める力を身につけ、いろいろに変化にも柔軟に対応できるようになりたいものだと思うわけです。