2009年6月17日水曜日

DAS28

ダスにじゅうはち、と読みます。

これは何? って、普通は皆さん知らなくて当たり前。関節リウマチの病気の状態を評価するための方法なんです。ヨーロッパの学会が提唱して、この数年でだいぶはばをきかしてきました。

痛みのある関節の数、腫れている関節の数、血液検査の炎症の程度、そして患者さん自身のつらさの評価をつきまぜて、複雑な計算式にから算出するものです。

関節リウマチの評価と言うのは、けっこう難しいんです。まず自覚症状が痛みですから、個人個人で痛みの感じ方が違うため、医者の評価とだいぶ食い違う場合がよくあります。

関節が腫れている状態も、リウマチの直接的な影響で関節の中から腫れている場合と、血流が悪くなってむくんでいるような腫れ方をしている場合もあります。

痛みのある関節も、全ての関節が評価対象にはなっていなくて、比較的症状を出しやすい足の指の関節は含まれていません。

血液検査の結果も、人によって様々です。検査結果が悪くても調子が良いという方もいれば、結果が良くても不調という場合もある。

検査結果をよくするに越したことはないのですが、最終的には検査結果を良くすることが治療ではありません。医者が相手にしているのは人であり、症状が改善しないことには病気の治療とは言えません。

だからといって、患者さん自身の評価だけに流されてはまずい。うーん、どうする。というわけで、DASのような主観的な評価と客観的な評価を混ぜた方法が採用されるわけです。

他の人と比べて病気の状態が良いのか悪いのか、あるいは以前より病気のが良くなっているのか悪くなっているのかというような判断をするためには、DASのような指標が必要になるわけです。

しかし、このような違う基準のものを無理矢理まぜていることに対しての妥当性がどこまであるのか、疑問は残ります。多少すっきりしないわけですが、とりあえずは我慢して使っていくしかないかと思っています。