2009年7月4日土曜日

美しい日本語

土曜日は、自宅からクリニックに行く途中の車中でTBSラジオの大宅映子さんのコラムを聞いています。政治的な話からゴルフの話まで、いろいろな話題が大変楽しく語られので、大変に楽しい番組だと思います。

今朝の話題は、言葉の問題。

日本語は情緒を伝えることと、情報を伝えることの二面性を持った言葉。それに対して、英語は情報の伝達が中心となる言葉だという話には、思わず「なるほど」と思いました。

英語ではyouしかありませんが、日本語には、君、あなた、あんた、貴殿、貴様、おまえ、てめぇなどのいろいろな表現があります。

ですから、日本人はアメリカ人に比べて、情報の伝達の仕方が下手というのも一理ある。

「赤い3本のバラ」というのは事実の伝達。日本人がとかく誤りやすいのは「きれいな3本のバラ」という表現を使ってしまうところで、赤いということは不変ですが、きれいというのは人によって度合いが違うので事実ではないわけです。

つまり、価値観によって動くものと動かないものの違いをしっかりと認識して説明することが大事なんでしょうね。

ただ、日本語が英語に比べて、劣っているわけではないでしょう。国民性という一種の文化のもとに、言葉も様々な発展をしているわけですから、日本語の場合には感性というものを大事にしてきた言葉だと思います。

しかし、大宅さんも嘆いていたのは、その日本語の最近の乱れ。言葉が無秩序に作られたり省略されたりして、もう日本人共通の部分がどんどん崩れている。

自分の意見を知ってもらうにも、他人のことを理解するにもしっかりとした言葉が不可欠です。もう一度美しい日本語というものを再認識して、それを後世に伝えていくということも考えなければいけないのでしょうね。