2010年2月28日日曜日

Spring has come

・・・Winter has gone というわけで、2010年もあっという間に2月が終わり、明日からは3月。まぁ、年を取ると時がたつのは早い・・・ということと、同じことを何度も言うようになる物で、こんなことを毎月のように書いているわけです。

我が家にもちっぽけな庭と呼べるような物がありまして、もうかれこれ10数年前に引っ越してきたときに、土を入れブロックで囲い、少しでも「らしく」しようとしたものです。

その時に緑のグラデュエーションになるようにコニファーをいくつか植えたりしました。それも今や、ほとんどが枯れたりして、残っているのはごくわずか。地面は最初はいろいろな花を植えて、まぁいわゆるガーデニングというんですか、まぁこぎれいにしたりしたわけです。

一番は大量のムスカリの球根で薄紫の花がそこら中に出てきたりして・・・そのほかにはクロッカス。黄色の花が楽しいなったら楽しいな。ただ、けっきょく整理利整頓して、鉢物を地植えしたりとやっているうちにぐちゃぐちゃ。球根類も掘り出して、今ではほとんど春めいた景色は無くなってしまいました。

そんななか、堀出しそこなったクロッカスが毎年、忘れた頃に芽を出して、いつの間にか花を咲かせていました。なんとなく、がんばっているなぁと感心してしまいます。誰に相手にされているわけでもないのに、しっかり栄養をためて春の訪れを待っているんですね。

クロッカスの花は比較的短命なので、すぐに枯れてしまいますが、この隅っこの方だけはいじらないでおきましょう。また、来年お会いしましょうね。

2010年2月27日土曜日

カリカリ まだある?

先週の日曜日、朝テレビを何気なく見ていたら紹介されていたのがこれ。北海道のオリジナル商品で、一言で言うとカレー煎餅というわけです。

普通カレー煎餅というと、ただカレー粉をまぶしただけみたいな感じで、あまり美味しいとは思えません。ところが、これはカレー屋さんが作ったもの。その風味豊かな味わいが、静かなお土産比商品としてヒットしているようです。

テレビの番組が終わらないうちに、速攻でインターネットの通販サイトを発見。すぐに注文をしてみました。

テレビのおかげで注文殺到のようですが、金曜日には届きました。さて、さっそく食べてみての感想は、というと・・・旨い!! 美味しい!!

これはヒットするはずです。確かにしっかりとしたカレーソースがしっかりと染みこんだ味はなかなかのもの。さすがにカレー屋さんの意地がしっかり出ています。小分けした袋に入っていて、あっという間に一袋食べてしまいます。

そうなると、当然「カリカリまだある?」と聞きたくなるのはもっともです。

2010年2月26日金曜日

とうきびチョコ

北海道のお土産というと、美味しい物がたくさんあって、定番と言われている物もどんどん増えてきています。そんな中で、HORIのとうきびチョコは、新定番となってきたお菓子、とうもろこしの味がふんだんに味わえるクランチをホワイトチョコでからめてあります。

くどすぎない甘さが、ついつい次から次へと手を出させるのはさすがのおいしさです。普通のだけでなく、プレミアムというのもあるので、ちょっと食べてみたいものです。

北海道というと、なんとなく美味しい物が多いというイメージがありますよね。豊で広大な大地・・・というところから、実際優れた食材の宝庫と言えるんでしょう。

最近評判の新しいお土産もあるんですけど・・・・それは、また明日。

2010年2月25日木曜日

魁力屋 ~ 都筑区東方

ついに行ってきました。開店してから数ヶ月、いつも行列をしているお店で気になっていました。一度は入りたかったのですがなかなかゆっくり待つわけにはいかなかったのですが、今日は午後が久しぶりに休みだったので行ってみました。

京都北白川というくらいですから、あっさりした鶏ガラ細麺を想像していましたが、魁力屋(かいりきや)の宣伝文句は「背脂醤油」ですから、そのあたりのマッチングがよくわかりませんでした。

10人くらいすでに待っている人がいましたが、さすがにラーメン屋さんは回転が早く、10分程度で順番がまわってきました。初めての店では、メニューのトップを頼むのが間違いない。普通はトップが一番のお勧めだろうと思います。

そこで、特製背脂醤油ラーメンを選ぶことにしたのですが、そこに1日20食限定の特製九条ネギ煮卵背脂醤油ラーメンが気になります。

ところが、注文しようとしているところに、店員さんの「ネギラストワン!!」の声が聞こえました。これはますます食べないわけにはいかない。そこで、かみさんは九条ネギ、自分は特製の普通のネギ増量(無料のオプション)を頼むことにしました。

まず普通の特製ラーメン。やはり鶏ガラベースですが、背脂の甘味が追加されて、さっぱりした中に濃厚さをましていてなかなか行けているスープなのです。面は細麺というよりはストレートの中細麺。脂が多い分、麺を太くしてスープの絡みすぎを抑える効果でちょうどいい感じなのです。

さて、スペシャルの九条ネギですが、写真のようにたっぷりと載せられたネギの香りはすごい。普通の根深ネギとは雲泥の差です。スープへも九条ネギの独特の香りがしみ出して、さらに深い味わいになっています。

これで、また食べに行かずにはいられないラーメン屋が一つ増えました。

ただ、ちょっと気になるのは店のある交差点の反対側には昔からある小さなラーメン屋さんがあるのです。この場所じゃなければならなかったのか・・・う~ん、どうなんでしょう。

2010年2月24日水曜日

転居のお知らせ ~ あすなろ海水魚館

いまだに出入りの激しい水槽で、試行錯誤の繰り返しが続いています。前回調子に乗って「セミホウボウ」なる面白そうな魚を入れたら、いっきに力の上下関係がくずれた話でした。

その後もじわじわと続きがあるのです。凶暴で困っていたオトヒメエビが☆になって、さぁ邪魔者がいなくなって喜んだのがルリスズメダイ。

もともとこの手の魚は気が強いことで有名で、近縁種と混泳すると最後の一匹まで戦うと言われています。ほとんどの魚は同種の魚以外には無関心であることが多いのですが、ルリは他の魚にも積極的に攻撃をしかけます。

鮮やかな青色は水槽の中でも映えるし、この数ヶ月でだいぶ大きくなった気がしていました。そしてオトヒメエビにかわって狂暴性を発揮するようになったのです。

数日前、ベニゴンベが朝ぐったりしていました。目を動かさず、ひれもほとんど動きがない。岩にへたっとなっていて、まったく生気がありません。その日は別部屋に隔離して様子をみたところ、しだいに元気が戻ってきて、ほっとしました。

どうもルリスズメがいろいろちょっかいを出すようなので、翌日ベニゴンベを水槽内に戻し、逆にルリスズメを隔離。そしたら、カクレクマノミなどの他の魚も含めて、水槽内全域を泳ぎ始め、みんな楽しそうなのです。ベニゴンベも元気を保っているようです。

やっぱりお前だったのか、というわけで個室住まいになってもらうのはいいとして、いつまでたっても水槽内に戻しようがない。いろいろ考えたあげく、コーナンの魚コーナーのイケメンお兄さんに訳を話して、引き取ってもらうことにしました。

そんなわけで、長らく自分たちを楽しませてくれたルリスズメダイ(通称ルリちゃん)は、うちの水槽から引っ越して行ったわけです。ずーっと独居房に入れておくわけにもいかないし、まぁ可哀想ですが新たなお家で幸せになってもらうことを祈るばかりです。

2010年2月23日火曜日

マルガリータ

1週間くらい前のことです。うちのワンコのミニチュア・シュナウザーですが、美容室に行ってきました。ずいぶんと久しぶりです。

今までは、うちのかみさんが犬用バリカンで整えていました。数年前に行ったのが最後で、だんだん毛玉が増えて行くに連れ、爪が伸びまくってカチャカチャ音がするに連れて行きずらくなってしまいました。

でもって連れて行ったのはセンター南。駅の近くの美容室EARTHという店。ここは、ヒト用の店ですが、DOGGY EARTHというお犬様専用の店もあるのです。

毛玉が多いので老犬のストレスが少ないマルガリータ(丸刈り)がおすすめ、ということでもうおまかせしちゃいました。そんなわけで、できあがりがこの写真。

そしたら、時節柄寒いわけで、毎日ぶるぶる震えています。とりあえず、かみさんがコーナンでフリフリのピンクを服を買ってきました。もともと服は嫌いな犬ですが、さすがに素直に服を着ております。

爪も短くなって歩きたい様子ですが、寒くて固まっているんで、もうちょっと伸びるまでしょうがない。でも、その頃にはまた毛玉の嵐になってしまうのでしょうか。

2010年2月22日月曜日

THIS IS IT

なんでやねん。うちの次男高校生でっせ。なんで、今頃「マイコー」にはまってんねん。

バリバリにCDかけて、のりのりで歌ってまんねん。

マイケル・ジャクソンゆうたら、わてらが現役で聴いていたんでっせ。しかも、マイケルと自分は同い年でまんがな。息子からしたら、とうちゃんが歌っているようなもんとちゃうやろか。

えっ? あんたマイケルのように歌って踊れるのかって? もちろんできまへんがな。そやけど、盆踊りみたいなスリラーの真似して喜んでたのが「青春」やったかもしれへん。

まぁ、マイケルもいろいろあって、最後までスキャンダラスまみれやった。死んだからと言って、何でも美化するのはどうかと思うんやけど、少なくとも自分の息子のような世代にも伝わる何かを持っていたことはすごいことや。

息子にあらためてマイケルの凄さを思い出させてもろたようなもんや。もう一度、ほんまに復活したところを見てみたかったもんや。まぁ、無いものねだりをしてもしゃーない。とりあえず、ひさしぶりに「スリラー」でも聴いてみますわ。

2010年2月21日日曜日

区役所で救急救命講習会

ただいまやってます
3時間までです
新型インフルエンザの講演会もあります

2010年2月20日土曜日

もらいもの

ありがとうございます。大変恐縮ではありますが、このような魚をいただきました。上は、メバル。尺物にはおよびませんが、それに近い大きさの立派な物です。下の魚の名前がわかりません。なかなかカラフルな色合いで、ちょっと水槽で泳いでいそうな感じ。

さっそく、3枚にさばいて刺身でいただきました。なんと言っても、今日釣り立てということで、大変新鮮。切った面の光具合がすばらしい。ただ、どうしてもこうやって食べると、やや捨てることになる部分がどうしても多くなるのが残念です。そこで、切り落として部分は、まとめて煮てだし汁にしました。お吸い物にしてもいいし、炊き込みご飯を作ってもいいと思います。

いゃ~、ビールが旨い。

2010年2月19日金曜日

かぜ薬

かぜ薬というと、カイゲンとかジキニンとか。ルル、ベンザなんてのもあったり。昔はCMソングも、専用のものが多かったですよね。「くしゃみ三回ルル三錠」とかは、大ヒット曲みたいなもので、知らない人はいなかったですよね。

葛根湯は漢方の風邪薬。ところが肩こりにも効くというわけで、そのあたりのつながりが西洋医学に洗脳された医者には理解しにくいところではあります。

ピーエル顆粒というのが、医者が処方するかぜ薬ではゴールデンスタンダードだとおもうのですが、確かに良く効きますねぇ。今までさんざん処方しておいて、自分で言うのもなんですが、今回服用してみてそう思います。

今までほとんど薬と言えばバファリンですませていたんですけどね。バファリンも良くきく薬なんです、自分にとってはね。頭痛にバファリン、腹痛にバファリン、かぜにバファリン、とにかくバファリンさえあれば生きていけると思っていました。

去年、虫歯の痛みにバファリンで立ち向かえなかったので、けっこうがっかりしたんです。今回、かぜひいてついにバファリン神話を捨てました。

何にしても、薬よりよく寝ることが大切だとは思います。とにかく体調には気を使わないといけない年齢であり、そういう立場だということですよね。

2010年2月18日木曜日

さむっ

かぜをひいたみたいです
寝かせていただきます

2010年2月17日水曜日

バンクーバー冬期オリンピック

おお、おおお、おおおぉぉぉ。バンクーバ。冬期オリンピック。始まってましたねぇ~。開会式を見なかったので、何かいつのまにかスタートしていたという感じです。

出発の成田では、一選手の身なりが話題になりました。本人も本人ですが、あんな格好をしないようにちゃんと指導できなかった方にも問題がありますよね。

気が付くと女子モーグル、愛子さん涙の4位。ジャンプはノーマルヒル惨敗。やれやれ、日本はやっぱり厳しいのかなぁ。

一方で、スピードスケート500mで銀・銅メダル。カーリングでアメリカを撃破など、いろいろな話題が出てきていますね。今日は男子フィギアが始まっています。

夏季オリンピックで最も印象に残っているのが東京オリンピックでしたが、冬期と言えばサッポロ。どうも古い人間なもんで、ありきたりですがジャンプの笠谷とジャネット・リンが思い出されます。

長野オリンピックは・・・ほとんど印象にないんです。病院の忙しさに埋もれていたんでしょうか。この時の開会式のプログラムに、家内の父親が出演しました。実家に帰ると、出演しましたという証書が飾ってあります。

何にしても、一つの目標に向けてがんばってきた若者の努力の成果を見せる機会ですから、結果が伴えば最高です。まだまだあと10日くらいありますから、いろいろなドラマを見せてもらいたい物です。

2010年2月16日火曜日

憧憬古代エジプト

古代エジプトというのは、けっこうロマンを感じる話題で、いつかはクフ王のピラミッドの内部に入ってみたい物だと思っているのです。

開業するときは、勤務医を辞めた後に1ヶ月くらい旅行をして、エジプトにも行ってみたいとか思っていました。実際は、準備でそれどころではなく、もう当分そんな旅行をすることなんてありえない現状ではあります。

そもそも、大学生の頃に最近亡くなった栗本薫と早稲田の吉村作治と古代エジプトについての対談本がきっかけでした。朝日新聞社のカルチャー本のシリーズの一つだと思いますか、豊富な写真と共に吉村作治のエジプトに対する思いがページの隅から隅までに感じられる本でした。

日本テレビの企画でエジプトでミニチュアのピラミッドを作る番組があって、いかにしてピラミッドを当時の技術力で作り上げたかを検証する番組でした。この番組で吉村作治という人をしったのですが、その後テレビに出まくってた「吉村作治」という人とは別人でした。

さらに吉村作治の早稲田での講義ノートを単行本として講談社が出版し、この3冊の本は何回も読み返しました。日本の歴史よりも、さらに壮大な中国の歴史よりも、より遠い紀元前数千年の昔の話から始まる古代エジプトの話は、今の世界を支配している人間とはまったく別の生物の世界のような感じがしたものです。

聖書の世界であるモーゼの出エジプト記も、現実の話として存在している。海が割れてモーゼが歩いて行く話も、現実には嵐でモーゼを追いかけてきたエジプト軍の舟が沈没していく様子を元にしているらしい。

呪いの話の代表みたいなツタンカーメンだが、実は若い王の妻とのラブストーリーは究極の恋愛ドラマだったりする。その墓の存在をひたすら信じて、発掘を続けるハワード・カーターの話も壮絶な人間ドラマです。

エリザベス・テイラーのイメージとかぶってしまうクレオパトラであるが、教科書の世界でしか知らなかった歴史上の人物が、人間として生き生きと動き出すような話の連続は本当に楽しい。

古代エジプトの文字、ヒエログリフも大変興味深い。母音がなく子音だけで綴っていく象形文字で、ナポレオンの時代に、ロゼッタストーンからシャンポリオンによって解読されていく過程の話は下手なサスペンスドラマよりもスリルにあふれた話です。自分の名前をヒエログリフで表すとこんな感じ。うちの長女は大英博物館でロゼッタストーンの本物を見てきているのが、うらやましく思うのです。

とにかく、古代エジプトと呼べる世界の魅力は尽きることがありません。あまり年を取らないうちに、なんとか自分の目でその遺産を見てみたいと真剣に思っているのでした。

2010年2月15日月曜日

コードブルー 超ヘヴィー級月9

重い、重すぎる。何って、月9ですよ、月9。コードブルー・・・って、もはや、ドクターヘリの話でも、救命救急センターの話でもない。一人一人の登場人物に、次から次へと人としての様々な重荷を与えてどうしようというのでしょうか。

こんなに生きるのに十字架を背負った人々が、よくも集まった物だと。見ていて息苦しくなりますよ、本当に。最初は、医療の現場のあらが気になるだけでしたが、ここまで来ると人間ドラマとして詰め込みすぎで、もう消化不良です。本来、息抜き用のキャラさえ笑いがなくなりました。

こんな病院で治療を受ける気持ちになるでしょうか。さらにこれからは医療訴訟が入ってくる展開ですし、医療人ならずとも見ていて辛いのではないでしょうか。社会派ドラマとしても、膨らみすぎで話の中心(主人公の母親の自殺の真相?)すら、どこかへいってしまいそうです。

医者は、人の生死の対して特別の権限を有する資格であることは間違いありません。しかし、その前に医者も人であるということも確かなことです。自分も人であることを忘れた医者は、ある意味怖い存在であると思います。

まぁ、あまり難しいことを言わずに、しょせんテレビドラマだと思えばいいのでしょうが・・・この重苦しさは、医療人としてはそろそろ我慢の限界です。皆さんはどう思ってるのでしょうか。

2010年2月14日日曜日

A.Descharmes / Liszt Cello Works

ショパンと来れば、もう一方の雄がリスト。同時代を生きたピアノの二大巨匠を、あえて恐れず一言で表現するなら、心のショパンと技のリストというのが一般的な見方ではないでしょうか。

ショパンは恋人同士の語らいに似合い、バレンタインデイのBGMにもぴったし。リストはピアノのうまさを見せびらかすにはもってこい。しかし、ちょっと待ってください。リストは、もの凄い技巧を要する曲が多いのは確かですが、実は大変ロマンティックな曲が多いのです。

「愛の夢」はその代表的なものでしょうし、超技巧を要する「パガニーニ練習曲集」の中にも「ラ・カンバネラ」のような大変美しい曲が混ざってているのです。さらに壮大な組曲である「巡礼の年」は、おそらくショパンには書けなかったようなロマンにあふれた叙事詩です。

そんなわけで、正直に言うと自分はショパンよりもリストが好きです。リストにはショパンにもあるロマンスを内包しつつ、技巧的な凄まじさを表出する作曲家だと思っています。

そんな二人ですが、ショパンはピアノ独奏曲以外には、数少ない協奏曲と室内楽曲を残しています。それに対して、リストは独自の世界観を表す交響詩などのオーケストラ作品も残しています。リストの室内楽曲は、比較的晩年に集中的に作られているためか、全体的に死を意識したものが多いようです。

その中で、特にチェロ作品にしぼったアレキス・デシャルムのアルバムがなかなか秀逸でお気に入りです。バイオリンでも演奏されるものも取り上げて、より低音のチェロによってさらに深さを作り上げていると思います。

エレジーで聞かれる絶望を絵に描いたような世界と、どこか小さな光が希望のように輝く感じは絶妙です。映画だったらルキノ・ヴィスコンティの世界とオーバーラップするような感覚に陥ります。

現実とはだいぶかけ離れてしまいますが、間接照明の部屋でウィスキーを片手にソファにゆったりと座り、暖炉のゆったりと動く炎を見ながら聴きたい作品なのです。

2010年2月13日土曜日

Jess Trio Wien / Chopin Chamber Musics

今年はショパン生誕200周年。というわけで、レコード会社からはショパン・イヤーを売りにして、いろいろな新作・旧が目白押しなのです。もう今更紹介するまでもなく、ロマン派ピアノを代表する作曲家であり、クラシックを聴かない人でもショパンのピアノ曲の多くは耳にしたことがあるはずです。

ところが、その甘ったるいメロディが自分は長いこと嫌いで、とりあえず最低限これくらいは知っておけ、みたいなCDをその昔に購入して以来、ほとんど手つかずでいたのです。しかし、クラシックに開眼して、特にピアノ曲をいろいろ聴いていくと無視続けることができないわけです。

基本的なコレクションは、古いところでルービンシュタイン、新しいところでアシュケナージでそろいます。またアルゲリッチのBOXには、もれなく主要曲がついてきます。最近ではピリスも積極的に取り組んでいて、なかなか聞き所が多い。

新人では、アリス=紗良・オットのワルツなんかは、外見ともどもなかなかのものでした。オーケストラ物ではブレハチの協奏曲も話題の一枚といえるでしょう。

ショパンの作品は大多数がピアノ独奏曲で占められていますが、、数は少ないのですが室内楽曲もあるのです。ショパン室内楽全集というタイトルだと、実にCD1枚分しか無いというのは驚きです。

ところが、なかなか録音には恵まれず、実際に聞くチャンスがなかなか無かったのですが、2004年録音のウィーン・イェス・トリオによるものが面白そうなので、いつものHMVで購入しました。

ショパンの室内楽は、実際のところ当然のようにピアノが主役であり、チェロ・ソナタといえどもチェロはむしろピアノの伴奏のように聞こえます。ピアノ三重奏曲はシューマンが絶賛したと伝えられていますが、ピアノの細かい動きは同時期の作曲家のものとは一線を画す物です。

全体的にはピアノ独奏曲のようなロマンティックな響きよりも、より硬質な調和を感じますが、これがなかなか悪くありません。もう数曲作っておいて貰いたかった感じがします。

そんなわけで、あまのじゃくな自分のショパンの推薦盤はこれ。ピアノを弾く方は一度は聞いておくべき・・・というのは大袈裟か。

2010年2月12日金曜日

テリトリー ~あすなろ海水魚館

いや、もう、朝から泣きしかありません。今回も、またやっちゃいました。

なんと、朝クリニックに来て水槽を見て衝撃。まず、ベニゴンベが底に沈んで横になっている。なんということでしょう。さらに、昨日デヴューしたばかりのセミホウボウが口をあけたままぴくりとも動かない。

さらに、さらにです。水槽立ち上げ以来我が物顔に暴れまくっていたオトヒメエビが後ろで、微動だにしないという状況です。ルリスズメは自分の知ったこっちゃないといわんばかりに泳いでいます。

カクレクマノミは・・・ふぅ~、大丈夫だ。一昨日デヴュー時には落ち着かなくて、水槽の中を行ったり来たりしていましたが、イソギンチャクにすりすりして気持ちがよさそう。

さて、今回の一気に3匹もの☆が出てしまった原因を考えないといけない。もちろん、環境の変化とか、水質の変化とか、無いわけではありませんが、一番の問題はテリトリー、つまり縄張りということだと思います。

もともと、海水魚は広大な海で生活していて、餌となるものをゲットできる機会は大変少ない。ですから、強い縄張り意識があって、自分のテリトリーを死守する本能が強いと言われています。

セミホウボウはエビを好んで食べる底性の生き物。当然、大きいオトヒメエビを直接食べることはできないかもしれませんが、攻撃対象になってくる。そして、実はベニゴンベも底性の生き物なので、セミホウボウとは喧嘩状態になった。

そして、三つ巴の争いの果てに、3匹とも力尽きたという状態だろうと想像します。やはり、水槽のどこを中心に縄張りを持つのかということをしっかり考えないと、今回のような悲劇はいとも簡単に起こると言うことなんですね。

もう一つ、勉強したことがあるんです。こう言っちゃ申し訳ないのですが、いかにショップの店員さんが信用できないかと言うことなんです。これは、水槽の一つ一つに個性があるので、一般論だけでは計り知れないことが多いと言うことなんでしょうね。

今回も水槽の大きさや、すでにいる生体の種類を説明してからセミホウボウを購入したのですが、まったくあてにならなかったわけです。特に縄張りに関する状態は、入れてみないとわからないみたいなところもあるので、ショップがいいと言ってもやはり縄張りのかぶる生体は避けることは鉄則なんですね。

とにかく、こういう経験を生かしていかないと、☆になった連中に申し訳ありませんからね。これからも、めげずにがんばりますよ。

2010年2月11日木曜日

グレードアップ あすなろ海水魚館

まず、ご報告。昨日、カクレクマノミの新人ペアが到着。今回も、沖縄ハンドコート(手取り、つまり薬物採取ではないということ)で大きい♀は体長約7cm、小さい♂は約4cmでちょっと小さめ。でも、もちろんかなり可愛い感じ。
まったく、懲りないやつと怒られるかもしれませんね。現在までに何匹のカクレクマノミを☆にしたことか。とりあえず、最大の期待はシライトイソギンチャクの調子がいいこと。カクレ飼育に必ずイソギンチャクが必要というわけではないと言われていますが、やはり安心してストレスを少なくするためにはいた方がよいのは間違いありません。

それと、水槽を45cmから60cmへサイズアップしました。これは水量で言うと、40lから60lへ1.5倍ということで、それだけ水質安定に直結するわけです。大きくなった分飾り物が寂しくなってしまいましたので、岩(もどき)を増やしてみました。

そして、本当に、本当に懲りずにまたやっちゃいました。もう一匹の新入りまで用意してしまいました。これは、ままちゃん(かみさんのことです)の推薦によるものなんです。魚の名前は「セミホウボウ」という名前で、カサゴの親類です。
ふだんは水槽の底をずりずりと這うように動き回るのですが、両側の胸びれを大きく広げてジェット機のようにひゅ~と泳ぐ様はなかなかかっこいい。

これって、ちょっと冒険。というのは、実はこのセミホウボウは体長は約6cmくらいなのですが、もしも長生きして成長すると・・・なんと4年くらいで40cmにもなるというのです。大きくなったら、どうします?

とりあえず、水槽が大きいと成長しやすい。それと底を這いずるので、這いずりやすい面積が大きいほど成長しやすいので、できるだけ動き回る範囲を狭めるために、底の半分にはかなり荒いサンゴ砂を敷いてみました。

まぁ、その時はその時のこと(きっぱり!)。そこまで生き延びてくれれば、(飼い主が)たいしたものです。さぁ、ど~んっと来い!!

2010年2月10日水曜日

百合ヶ丘 ~ 楠本(寿司処)

今夜は「リウマチ友の会(仮称)」の集いでした。メンバーは本気でリウマチ診療をしている横浜市緑区代表、あゆみクリニックの上里先生、横浜市青葉区代表、ひろたクリニックの広田先生、そして横浜市都筑区代表の自分。

場所は百合ヶ丘・・・新百合じゃありません。テリトリー的には聖マリアンナ医科大学関連が多い地域ですが、寿司屋の楠本(くすもと)というお店。もちろん味よしで、大満足でした。

百合ヶ丘は駅の周辺は一方通行の関係で、この店の前にでるのは結構新人タクシー運転手さんには大変らしいです。

今夜もリウマチの話でいろいろ情報交換で盛り上がったのですが、意外にみんなも感じていたのが、コードブルーの救命救急の活躍をうらやましく思っているというところ。

医者になったからには人の命を救いたいと思うのは、本能的な部分で共通に思っていることなのです。救命救急は、それがダイレクトに現れる部分。

それぞれみんなリウマチ以外の様々な経験をしていて、そういうものが今のベースになっているということがわかりました。そういう意味では、いきなりリウマチ専門で研修してはいけないと思うわけです。

いろいろな問題を含んだ病気だけに、裾野が広い方がいいわけで、いろいろな勉強をした後にたどり着くのが正解のように思います。まぁ、研修の仕方次第というところでしょうけどね。

2010年2月9日火曜日

Which do you like ?

うどんかそばか。しばしば、特に意味もなくどっち派かという話題のネタになりますね。

一般には関西はうどん、関東はそばということになっている。有名な江戸落語で「時蕎麦」というのは、上方落語になると「時うどん」と題名がかわります。柳家小さんのそばを食べる仕草は確かにすごかったけど、あれはやっぱりうどんじゃない。

うどんはひたすら小麦粉のかたまり。ちょっとかたまりすぎるとすいとん。そのまま長くなるとちくわぶ。おでんにはちくわぶは必須。大根だとか、巾着だとか、ゆで卵だとか、いろいろな意見はありますが、ちくわぶなしのおでんは許せない。

鍋のしめはご飯でおじやもいいですが、やっばりうどんでしょう。すき焼きならうどんは最高。普通の鍋でも、しっかり味のしみこんだうどんがうれしさをましてくれるわけです。そう言う意味では、究極の煮込みは鍋焼きうどん。鍋焼きそばなんてありません。

でも、年越しうどんというのはない。年越しときたら、そば。細く長くお付き合いというからそばなのであって、うどんじゃそうはいかない。そばも10割そばというのは意外とぱさぱさして旨くない。ちょっと小麦粉のつなぎが入った二八そばくらいがちょうどいい。

天ぷらそばはOKですけど、天ぷらうどんは×。タヌキときたらそば。鴨南蛮もそば。絶対そばしかありえないのがざるともり。でもきつねだけはうどんですかね・・・

でもって、どっちなのと聞かれれば、自分は絶対そばです。そば屋でうどんは許せない。やっぱりそばです。木枯らし紋次郎が旅をしながら、一膳飯やみたいなところで食べるのはそば。うどんじゃしまらない。

とにかく、美味しいそばがあると嬉しいというだけの話でした。

2010年2月8日月曜日

あすなろ海水魚館 次の一手

ずーっと、正月明け以来、あすなろ海水魚館は寂しい感じだったのです。海水魚飼育を始めた一番の目的だったカクレクマノミが忽然と消えてしまい、色的にも数的にも物足りない状態が続いていました。

カクレクマノミがいたときには、仲良しのイソギンチャクがどうもうまくいかず、すぐにダメになってしまいました。ところが、今はカクレがいないのに残ったイソギンチャクは絶好調を維持しているんです。

皮肉なもんですねぇ~。今水槽にいるのはシライトイソギンチャクですが、もともと色の少しでも黒っぽいものを選んできたのが成功の秘訣なのでしょうか。もっとも、3ヶ月くらい生き延びているからといって、飼育成功と威張ってはいられませんけどね。

カクレクマノミは最初は沖縄産のペアからスタートしました。かなり可愛い感じだったのですが、白点病であえなくダウン。次は養殖物を2匹同時に通販で注文。ところが到着時に一匹は瀕死の状態。

そこで、近くのホームセンターから小さめのものを仲間に加えてみました。ところが、あとから組み合わせても、ペアになる確率は大変低いらしいです。結局、先の一匹はまたもや白点病。さらに性懲りもなく追加した一匹に、生き残った方がストレスを感じて拒食症になって痩せこけて・・・

そして最後の一匹は大晦日には元気だったのに、数日後に消滅。なんとなく骨らしい残骸がわずかに残っているばかり。海の弱肉強食の世界は、こんな小さな水槽でもまざまざと見せつけてくるのです。

こうなったら、やはり最初からペアの二匹を入れるしかない。これは先行する水槽の住人(ルリスズメダイ、ベニゴンベ、オトヒメエビ)からのストレスを弱めるためにも必要条件です。ところが、なかなかお店でも通販でもいないんですよ。

今日、やっと信頼できる通販ショップでペア入荷を発見。思わず、即、クリック!! あ~、またやっちゃいました。今度こそ、なんとか落ち着いて貰いたいと思うわけです。

その秘策として、実は60cm水槽を用意しているんです。こんなことなら、最初から60cmにしておけばよかった。これから始めようと思っている方は、絶対大きめの水槽を用意しましょうね。失敗から学ぶことは多いんですが、やはり生き物を死なすのは気持ちのいいものではありません。

2010年2月7日日曜日

マイルス・デイビス part 3

Miles Davisほどの音楽家になると、存在自体は神格化して、コアなファン(たぶん自分もその一人)にとっては宗教に近いものがあるわけです。それはコンピュータの世界ではアップル・ユーザー、野球の世界ではタイガース・ファンなんかにも一脈通ずるものが・・・

それでMiles好きにとっては、1991年に本人が亡くなって絶望の淵にたたき落とされたわけですが、この10年くらいは驚異的な海賊版が雨あられの如く登場して、まだまだ望みをつないでいるような状況なのです。

レコードからいくつかの時代に分けると、1945年の初レコーディングから1950頃までの初期については、ほとんどがチャーリー・パーカーとの録音が主で、まぁマイルスを聴くという観点からはどうでもいい。どれか一枚パーカーのベスト盤をもっていれば足りてしまう。実際自分もパーカーの10枚組千数百円というので満足しています。

次はPrestigeとBlue Noteの時代が50年代半ばまで続くわけですが、Prestigeについては2000年頃に8枚組のすべて詰まってますというBOXセットが発売されているので、これで全て揃ってしまうわけです。Blue Noteはアルバムで2枚です。

そこからついにColumbia(CBS)時代の約50枚のアルバムに突入するわけですが、2000年以降に10個のBOXが発売されました。このうち2つは、伝説のライブの全貌をおさめたもので、ファンにとっては垂涎のアイテムでした。しかし残りの8つはただただ一部の別テイクをおさめただけで、ほとんど新たに聴くべき物は少なく、なんじゃこりゃ状態。

ところが面白いのは、その編集過程でスタジオ録音時のテープが流出して海賊版が大量に出回ったこと。スタジオでの会話を含め、失敗でやり直したりと、曲ができあがっていく課程が興味をそそられるわけです。世紀の名盤といわれる"Kind of Blue"のセッションテープなんかは、ファンとしては狂喜乱舞物です。

去年の11月にCompleteと銘打って、CBSから発売された全てのアルバムが71枚組のCDセットとして発売されました。自分はこればかりは、思わず購入。大多数はすでに持ていたにもかかわらず、オリジナルジャケットを再現した紙ジャケットなんかは涙物です。一枚数百円で揃うんですから、これが最後のマイルス散財と思えば安い物です。

そして、1986年から亡くなるまではWarner Brothersの時代ということになります。純粋にマイルスのオリジナル・アルバムと言えるのは3枚。そして、モントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブを集大成した20枚組で決まりとなるわけです。

ところが困ったことに、この時代にマイルスはやたらとあちこちに顔をだすようになったのです。TOTO、チャカ・カーン、プリンスなどの有名どころ以外に、誰だそれっていうようなものまで、もういろいろです。さらに、結局未発表に終わっているスタジオ録音の存在もわかっていて、ファンとしてはどうしたらいいのやら。

そしたら2002年にそれらの録音をすべてひっくるめて面倒見ましょうという"Last Word The Warner Years"という4枚か6枚組セットの発売が予告されました。こいつは助かると思っていたら、どうも権利関係のクレーム(どうやらプリンスかららしい)が入ってあえなく発売中止。これにはかなりがっかりさせられました。

ところが海賊版というのはなかなかすごい物で、既発売のものを除いた未発表音源だけで2枚組の"Black Album"が登場。サンプルに配布されたものからコピーした物のようですが、すでに持っているものとのだぶりがないだけに、こんなありがたいセットはありません。

インターネットでも海賊版が注文できるようになって、わざわざ西新宿界隈をうろつく必要がなくなり助かります。まぁ、公式盤だけでも聴ききれないくらいのアルバムがあるわけですから、わざわざ海賊版を漁らなくてもという気持ちもありますが、そのあたりがファン心理というものですよね。マイルスの場合は公式盤よりも痛快な海賊版が多数存在するので、いたしかたがないというところでしょうか。

2010年2月6日土曜日

映画は変わったか?

映画とテレビドラマとをまったく別々のものと考えるのはこだわりすぎでしょうが、どうしてもテレビの方が短期間に作り上げ、粗製濫造の雰囲気があることはあながち間違った見方ではないでしょう。

テレビは基本的に決められたスケジュールのもとに制作が進行し、仮にいい題材が無いからと言って来期の月9が中止になったりはしないわけです。特に視聴率を上げると言うことが制作側の至上命題ですから・・・つまり、スポンサーの宣伝というように言い換えてもいいわけです。あくまでも、視聴者が金を出しているわけではありません。

一方映画は、作りたいと思うプロデューサーがいて、資金を集めてスタッフやキャストをそろえて作る。基本的には納得のいくまで撮影や編集が行われ、作品としての完成度を高めるために最大限の努力が払われているわけです。最後に金を払うのは、劇場に足を運ぶ観客ですから、観客の支持を得られなければ失敗作ということになる。

テレビでは「来週に続く」ということが可能ですが、映画はおよそ2時間の中で完結する世界。そのためには、脚本は練りに練って無駄なシーンは大変少なく、時には観客のイマジネーションに委ねられる部分も出てくる。そこから、映画から考えさせられる部分も膨らんでいく物です。

しかし、今やそういう違いが薄れてきています。メディア・ミックスという風潮が一般的になり、テレビドラマの続きを映画にしたり、映画のアウトサイド・ストーリーをテレビのスペシャルで放映したり。作品を作ることよりも、いかに人を動かすかということに意識が変わってしまったように思います。

つまり、映画の世界も粗製濫造になってきて、そのために話題作りに余年がありません。できるだけ話題になった原作、しかも邦画の場合はほとんどがマンガを用いて、今人気のあるタレント(あえて俳優でなくてもいい)を起用して、さらに有名アーティストに主題歌を歌わせる。成功した題材では、矢継ぎ早にシリーズ化して、さらに話題が冷めないうちにあっという間にDVDを発売。

映像作家として信念を持って映画を作り上げていくプロフェッショナルはいなくなったのでしょうか。タレントが映画を作ったと言って、新たな才能みたいに騒ぐだけでいいんでしょうか。これは見る側にも責任があることです。上っ面の話題性だけに引きずられる薄っぺらな見方ばかりをしているのではないでしょうか。

何か違うんじゃないかなぁ、と思わずにはいられない、最近の映画の活況を斜めに見てしまう年寄りの繰り言みたいなものですが、一映画ファンとして、何となく憂いを感じるこの頃なのでした。

2010年2月5日金曜日

クリント・イーストウッド

クリント・イーストウッドの最新作は、南アフリカを白人支配から解放し最初の黒人大統領になったネルソン・マンデラの話。老いてなお盛んな創作意欲には脱帽するしかありません。

イーストウッドが映画作家として世間一般に注目されたのは、1992年の「許されざる者」でアカデミー作品賞・監督賞を獲得してから。もともと西部劇俳優として功をなしたイーストウッドでしたが、この作品を最後に西部劇はいっさい作っていないのは何故でしょう。

ハリウッドはもともとイーストウッドには冷たかったというのは、けして言い過ぎではありません。60年代に西部劇の人気テレビシリーズの「ローハイド」で注目されたにもかかわらず、イタリアに渡っていわゆる「マカロニウェスタン」で人気を爆発させたのが面白くなかったのでしょうか。

イーストウッドはアメリカに戻ってからもB級のような扱いをどこかで受けていたように思います。1971年の「ダーティ・ハリー」は大ヒットし、それまでの英雄的なヒーロー像を見事に壊すことに成功しました。

しかし、イーストウッドとたびたびコンビを組んだドン・シーゲルは亡くなるまでB級映画監督と言われていたことは事実でしょう。イーストウッドの初監督作品はシーゲルの影響が大きく、ダーティ・ハリー誕生と同じ年の「恐怖のメロディ」が第1作となります。

70年代半ばからはほとんどの出演映画を自ら監督しているのです。初期の作品から、すでに圧倒的なイーストウッド・カラーが見て取ることができます。

遠景から俯瞰ショット、かなりの暗がりの中でのわずかな光の動きを捉えたシーン、自らも得意とするジャズを効果的に使用することが多い劇中音楽など。最初のシーンから、いかにもイーストウッドという雰囲気が漂い、まさに映画作家としての独自の世界はかなり早くから完成していたと言えます。

キャラクターも、完全な正義も完全な悪もほとんど出てくることはありません。ある意味「人間らしい」本音で精一杯生き延びている主人公がしばしば登場するのです。同じ西部劇といっても、「駅馬車」、「OK牧場の決闘」や「真昼の決闘」といったジョン・ウェインらに代表される正統派とは随分と異質のものであることは容易にわかります。

ですから、「許されざる者」も異色の西部劇です。主人公はすでに力が衰えた初老の元ガンマン。銃を撃っても、まったく当たらない。イーストウッドにしてみれば、西部劇そのものがすでに「老人」となってしまったということを自覚していたのではないかと思います。

そして、今更ハリウッドがそれを評価してくれても、監督イーストウッドにしてみれば、時すでに遅しという気持ちだったのではないでしょう。イーストウッドは自分を育て上げてくれた西部劇に別れを告げたのです。

2004年の「ミリオンダラー・ベイビー」では2度目のアカデミー作品賞・監督賞のダブル受賞を果たしました。監督賞はジョン・フォードの4回というのが最多受賞ですが、少なくとも複数回受賞した監督なんて数えるくらいしかいないのです。

ハリウッドはやっとイーストウッドの映画への貢献を正しく評価することができるようになりました。現在79歳。おそらく残された時間は多くはありませんが、あと一つでも二つで、イーストウッドカラーの作品を作ってもらいたい。できることなら、もう一度西部劇をと望むのは、本当のファンではないかも知れませんね。

2010年2月4日木曜日

高齢者の運動についての講演会

今夜は葛が谷ケアプラザで、介護関係の仕事をしている方々に向けての勉強会の講師をしてきました。ケアプラザというのは、横浜市が運営する高齢者や障害者などにいろいろなサービスを提供する施設で、自分は3年ほど前から協力医という仕事をさせてもらっています。

年に1回今回のような講演会をしているのですが、今回は高齢者の運動療法をテーマにしました。いろいろな講演会の講師をさせてもらいましたが、運動療法というのは初めてのお題で、今回はけっこう何を喋るか事前にいろいろ考えました。

腰痛とか膝痛とか、あるいは骨粗鬆症というようなテーマが多いので、これらはほとんど事前の準備はいりません。話す相手によって多少内容の濃さを変えたりしますが、基本的な台本にはほとんど変更はないのです。基本的に喋るのが嫌いではない自分としては、けっこう楽しみながら講演をすることができます。

今回の初めてのテーマの場合は、まずいくつかどうしても知っておいて貰いたい専門用語の説明をして、高齢者に勧めやすい簡単な運動の紹介をしていくという流れを決めました。

そして、運動の仕方のテキストを作りました。これはインターネットで探して、一番わかりやすそうなものを整理して作りました。文章を新たに書き加えたりはしなかったのですが、コンパクトな資料にするのにけっこう時間がかかりました。

さて、講演を始めて、正面の時計をちらちらと見ながら時間配分を考えて喋っていきます。1時間話してそろそろ時間だと思い、〆の説明をして終了。と、思ったら、あれれれ、講演会は1時間半の予定ですよと言われてしまいました。

あっちゃぁ~、どこで勘違いしたのか、時間を間違えていました。時間が足りなそうなので多少飛ばしたところに戻って何とか時間まで話を延長して終了。いやはや、最後がなんとなくバタバタしてしまい申し訳ありませんでした。

いつも思うのは、とにかくこういう会にわざわざ集まって下さる方々というのは、本当にちゃんと話を聞いてくれるので、話す方も喋りがいがあります。今回の話も、日頃の仕事に少しでも役にたててもらえればと思います。

2010年2月3日水曜日

春を待つ気持ち

今日は節分。大沢は親分。数IIIは微分。

節分は季節の分かれ目。ということで、明日は立春。暦の上では明日から春ですか。でもまだまだ寒いです。今日も夕方から、雪混じりの雨模様。実際の春はまだまだ遠いです。

だいたい、春を待つのは受験生。自分も受験生だった頃を思い出します。

最初の受験は中学校。まぁ、一応私立の男子校を受験して何とか入ったものの、遊んでばかりで成績は上がらず。もの凄い不良ではなかったのですが、授業さぼって喫茶店に行ったりなんて、あまりいい生徒ではありませんでしたね。

ですから、当然いざ大学受験となっても、当然うまくいくわけがない。代々木のお世話になりました。代々木のいいところは・・・というか、駄目なところは授業に出るとか出ないとか自由きままなんです。

おかげで、午前中は勉強しましたけど、午後からは毎日ジャズ喫茶。200円くらいのコーヒー一杯で何時間もねばって、随分勉強しました・・・ジャズの名盤。

それでも、またもや何とか大学に入れました。ここまでは、振り返ってみると、本当に真剣に何かをやるってことがなかったのか知れません。さすがに、ちょっと目が覚めた。

ここまで、ちょっと余計に時間を費やしてしまったので、もう無駄にするわけにはいきません。医学部6年間で再試験は数回は受けましたが、もちろん留年はなし。

そして、人生最大の受験と言えるのが、医師国家試験。ここまでやってきたことは、過程はともかくこの試験に合格しないことには何の意味もありません。自分の意思で、本当に勉強しまくったわけで、心底春を待つ気持ちだったわけです。

まぁ、そんなとりとめもないことを思い出しつつ、必死に豆をボリボリ食べました。

2010年2月2日火曜日

塩トマト

幻の・・・あの幻の、塩トマト。って、大袈裟ですが、そんな言われ方をしているトマトがあるんですね。えっ? そんなの今更の話だって? まぁ、そう言わずに。

塩気の多い土壌で作るから塩トマト。塩辛いトマトではありません。むしろ、トマトの味はめちゃくちゃ甘い。糖度10くらいあるらしい。とは言っても、それがどのくらいの甘さかよくわからんのですけどもね。

ニンジンが15度前後。普通に甘い果物は20度前後でしょうか。このあたりはネットでも簡単には検索できませんでした。少なくとも、トマトとしては破格の甘さであることは食べれば歴然としています。

主な産地は熊本県で、2月から3月頃が最も旬な次期と言うことです。塩分の多い土地ではトマトが水分を吸収しにくく大きくならない。確かにこれも直径は4cmくらいで小ぶりです。その分、甘味が凝縮するんだそうで、別名フルーツトマトと呼ばれているだって。

その分値段も高く、3個で389円でしたから、普通のトマトの倍以上という感じでしょうか。とりあえず、トマトの好きなうちの次男には大いにうけたようで、あっという間に食べてしまいました。

2010年2月1日月曜日

初雪

おや、おや。天気予報が見事に当たって、夕方から雪になってしまいました。それも、けっこう急速に積もりはじめて、あれよあれよという間に道路も真っ白。

今日はうちの次男君、ともだちとスノーボードを楽しみにお出かけだったんです。8時に新宿につくというので、新百合ヶ丘まで迎えに行ってあげることになっていました。

ところが、この天気でしょう。こりゃ、まずいなぁということでメール。
「積もり方が早いからさっさと帰ってこい。迎えに行けなくなるぞ」
「バスで帰るからいいよ。今ご飯食べてる」
と、のんびりした返事。

「バスも走れなくなるぞ」
「どうすればいいんでしょうか」
さすがに心細くなったようです。

「とにかく、さっさと帰ってこい。最悪チェーンつけるから」
「はい、わかりました」
というわけで、連絡を待っていたんですけど。結局いきなり、もうすぐ新百合ヶ丘というメールであわてて飛び出したわけです。

まぁ、太い道に出れば大丈夫と思っていたら・・・とんでもありません。滑って滑って、とても走れたものではありません。何とか戻って、チェーンを装着。

よっしゃ、これで大丈夫というわけで、再度出発。ところが、チェーンをつけてもかなり滑る。太い道に出たら、立ち往生の車がたくさんあって、危ないこときわまりない。こっちもとてもスピードを出せる状態ではありません。

なんとかかんとか駅でこどもを拾って帰還するころには、ますます積雪は増えてますます滑る。ちょっと、上り坂だとなかなか進めません。いやもう、ひやひやしながら、やっとの思いで家にたどりつきました。

あまりの不調にタイヤを見て驚いた。なんと片方のチェーンがありません。ふと前を見ると、なんか黒いかたまりが積もった雪の間に見えている。もしやと思って近寄ると、何と自分のチェーンではないですか。

するってぇと、家から出た直後にチェーンがはずれていたようで、片側だけで運転していたわけです。道理で滑るはずです。いやいや、気をつけないといけません。慌てていても、チェーンの装着はしっかりと確認をしましょうという話でした。