2010年3月14日日曜日

高知はもっと辛そうだ

巷を賑わす「坂本龍馬ブーム」はすごいもんです。その核となっているのは、もちろん大河ドラマの福山龍馬でしょう。やたらとお菓子なんかも、龍馬の似顔絵がついて売る気満々。

今夜も福山龍馬を見ていて、確かに魅力を感じました。もちろん、本物の坂本さんは見たこともありませんし、あくまでも惹かれるのは福山龍馬です。ドラマは序盤の盛り上がりのピークに達しようとしています。

こういう大人物を輩出した土佐という土地柄にも大変興味が湧くところですが、一方いきなり現実的な話を思い出しました。

整形外科医の数の話なんですが、横浜市は人口10万人あたりに12人。ところが高知県は全国一整形外科医が多いところで、24人だそうです。病院の数はおそらく横浜の方が多いでしょうから、やはり整形外科開業医がやたらといるということなんでしょうか。

医療は仁術と言いますが、そうは言っても「赤ひげ」のようなわけにはいかず、経営的になりたたないことにはしょうがない。医者も人間ですし、家族がいます。霞を食べて生きていくわけにはいきません。

自分が開業するときに試算したところ、横浜市の整形外科クリニック一軒あたりの患者数の平均は67人でした。高知だったら30人ていどということになるんでしょうか。これは経営的にはかなり厳しい状況でしょう。

うちのクリニックは最近やっと、平均の70人程度になりましたが、再三書いているように経営的には余裕がでるための目標は1日100人です。おかげでいまだに月に6日程度の当直バイトをやめることができません。

高知ではどうしているのでしょうか。20世紀には病院・診療所が倒産するなんてことは、特別な事情が無い限りはあり得ませんでした。ところが、度重なる診療報酬の減額と医療に対する厳しい風当たり、そして厳しい経済状況によって、景気に左右されない医療機関という神話は確実に過去の物となっています。

医者なんて経営学についてはほとんどど素人の者がほとんどで、商才に長けている医者なんてわずかしかいません。しょせん、結局患者さんを治すことで喜んでいる単純な生き物でから、毎日の診療を一生懸命するしかできませんね。その中で、自分の生活が安定してくれれば言うことなしです。