2010年5月26日水曜日

今日はリウマチの勉強

いつも、何かとためになる話をお聞かせいただいている聖マリアンナ医科大学の山田秀裕先生の話を聞いてきました。ずいぶんと偉い先生なのですが、地の利のせいか何かと講演を聞く機会が多いのです。

今夜の話題は高齢発症リウマチについて。一般には40歳前後での発症が多いとされている関節リウマチですが、実際には高齢発症が少なくない。高齢の方はわざわざ遠い大学病院まで行くことが難しいので、開業医をしているとだいがくの先生方が思っている以上に遭遇するように思います。

高齢者の場合、とにかく治療が難しい。一般的に使われる抗リウマチ薬は副作用のリスクが高いために使いづらい。副作用が出るとリカバーが難しいので、どうしても慎重にならざるを得ないのです。

当面の痛みを抑えることで日常生活の能力を何とか確保することに主眼を置くと、ステロイド薬を使った治療が中心になる。ところがステロイドも多くの副作用があるために、やたらと使うわけにはいきません。

ところが今日の山田先生の話は、高齢者にも生物学的製剤を使うという話だったのです。まごまごしていると寝たきりになってしまうことを考えると、いくつかの条件はあるものの生物学的製剤を早くから導入できることが望ましいということです。

もちろん、副作用などの問題点を理解していただけることが大事で、量はできるだけ少な目からスタートしていきます。確かに、いろいろな副作用が起こるかもしれない内服の抗リウマチ薬よりも、生物学的製剤のほうが副作用のポイントは絞りやすいわけです。

すぐに実践というわけにはいかないかもしれませんが、治療に難渋する患者さんに対する選択肢を広げるという点では大変に有意義な話を聞くことができたと思いました。

比較的クローズな講演会でしたので、こういう会のほうがより実際的な各論の話を聞きやすく、大変有意義です。また、チャンスがあれば参加したいと思います。