2010年6月16日水曜日

European Jazz Trio / BEST OF CLASSICS

ジャズの世界では、クラシック音楽を題材にしていることが時々あったりします。高校生のときにFM東京でやっていた故油井正一のASPECT IN JAZZがお気に入りでしたが、そのテーマ曲となっていたのがGerry Mulliganのバリトンサックスが奏でるPreludeでした。

これは数ある前奏曲の中で、ショパンの第4番でNight Lightsというアルバムに入っていて、ボサノバ調のアレンジが夜中の番組のイメージにぴったりでした。実際、原曲がショパンということはけっこう後になって知ったことで、純粋にジャズとして楽しんでいたのです。

さてEuropean Jazz Trioというのは、もう10年以上前からあるオランダのグループで基本構成はピアノ・トリオです。そして、アメリカの黒人ジャズと違って、さすがにファンキーな感じがまったくありません。

ホテルのラウンジみたいなところで、ゆっくりとカクテルを楽しんでいる後ろでさりげなく流れている音楽という感じ。まぁ、ムードたっぷりですが、邪魔にならない音楽とでもいいましょうか。

でも、それは悪口ではありません。音楽を真剣に聴くのもいいのですが、時には聞き流したいという時もあるわけで、大人のBGMとして完成された世界を持っているということかもしれません。

彼らの真骨頂が発揮されるのが、実はクラシック音楽の編曲物。すでに6枚のクラシックだけのアルバムがありますし、他の単独アルバムに含まれるものだけでもすでにアルバム1枚分くらいは悠にあると思います。

そんな中からCD2枚に集められたのがこのBEST OF CLASSICSというベスト盤で、すでにBEST OF CLASSICS IIも発売されているので、あわせて聴けばほとんどの曲がそろうことになります。

原曲を知っていれば、楽しみは何倍にも増えますが、知らなくても「あっ、どこかで聞いたことがある」と思うような有名な曲ばかりですから、十分に楽しめます。仮にまったく知らない曲でも、最初からしゃれたジャズピアノトリオだと思って聴いて損はありません。