2010年10月24日日曜日

ライト・スタッフ

1983年、アメリカ映画。

小学校の時、アポロ11号の人類初の月面着陸はこどもながらに大変なインパクトを与えてくれました。この映画は、そこに至るアメリカの宇宙開発の歴史を物語として見せてくれるのです。

基本的なストーリーは実在するテストパイロットだったチャック・イェーガーの伝記に基づいて進行するのですが、もちろん映画用にフィクションもかなり盛り込まれており、とにかく3時間の長丁場ですが飽きることなく一気に見ることができます。

音速を超えることに命をかけていた時代から、宇宙へ飛び立つマーキュリー計画、そして月にたどり着くためのアポロ計画へと、アメリカ威信をかけた政治的思惑も加わったプロジェクトが進行していきます。

その中で年老いて表舞台から去っていく者、事故で命を落とす者、栄光をつかんで絶頂に上り詰める者、いろいろな人間模様が交錯し壮大なドラマとなって、見ている者を感動させずにはいられません。

監督のフィリップ・カウフマンは、どちらかというと脚本家で監督作品としては他に見るべき物はない。実はクリント・イーストウッドの「アウトロー」(1976)の監督に抜擢されていながら、あまりにしょうもなく首になった過去があるのです。

そういう意味では、脚本がよかったのか、プロデューサーの手腕のおかげなのか、はたまた出演者の演技力にささえられたのか、カウフマン監督としては奇跡の一作ということができるかもしれません。

実際、出演者がいい。男性陣はサム・シェパード、スコット・グレン、エド・ハリス、デニス・クエイド、女性陣はヴェロニカ・カートライト、バーバラ・ハーシーといった個性的な当時なら全員が助演賞をとれそうな人ばかり。特にイェーガー役のシェパードがいい。そして、家を出たら(死んで)帰ってこないかもしれない妻を演じるハーシーもいい。ビル・コンティの雄大なテーマ曲も悪くない。

いずれにしても、60から70年代のベトナム症候群から脱却し、壮大な夢の実現 - アメリカン・ドリームを高らかに謳いあげた一作といえるでしょう。このあと事実上の続編的な「アポロ13」を生み出すことになります。

ただし、一方で「地獄の黙示録」、「デア・ハンター」、「プラトーン」といった病めるアメリカを客観的に見つめなおす作品に注目が集まることが多く、ある意味ノー天気なこの映画は片隅に追いやられた感があるのも事実でしょう。

4 comment  :

knys さんのコメント...

この映画‥公開当時にカミさんと見ました!
(もちろん当時は彼女‥ですが)

細かい話は忘れてしまいましたが、
史実を面白おかしく紹介しているような映画‥
だったような気が。

そういえば‥同じ頃にやっていた TRON も
TRON Legacy として復活しますよね。
観にいこうかな。

亜沙郎 さんのコメント...

この長い男くさい映画をカップルで見たときの、女性側の感想はどうだったのでしょうか。
トロンは主人公 - ジェフ・ブリッジスの顔以外はCG100%みたいでしたね。当時は驚きがありましたが、今ではどうやって驚かすのでしょうか。

himawaritomte さんのコメント...

この映画は、なぜか縁がありません。公開されたのが、社会人になって一番はりきっているときで、週の半分は仕事場に泊まっていましたし、子供は生まれたばかりだったし、一番映画を見なかった時期だからでしょうか。カウフマンは、その後の、存在の耐えられない軽さ、ヘンリー&ジューンは、印象深いのですが。ライトスタッフは、TOHOシネマズの”何を見てもすごい50本” にも入っていたのですが、今回も見損ないました。これをきっかけにして、DVDで見ることにします。
TOHOシネマズの企画は、我々の世代が若いころ見た傑作ぞろいで、非常によく考えられたラインアップだと思います。ヒッチコックが2本、キューブリックの2001年、ボギーのカサブランカも入っていました。
この1週間、本当に楽しかったです。あまり嬉しくて、つまらない書き込みもしてしまいましたが、お許しください。ありがとうございました。

亜沙郎 さんのコメント...

今週は映画特集でしたが、これには訳が・・・
それは今日のブログで。