2010年11月4日木曜日

リスナーのためのクラシック・ピアノ ~ 番外編

どうせなら思い切りマイナーなもので、是非聴いておきたい・・・いや、聴いてもらいたいものというのも探してみました。まぁ、弾く人も聴くだけの人にも、無くてもあまり差し支えのないものばかりですがね・・・

過去に取り上げた物では、シューマンの妻、クララの作品がいい。夫ロベルトよりも、やや古典派に近い感じで、メロディも親しみやすい。

そしてジョン・フィールド。ノクターンの創始者という事になっていますが、あまりに録音が少なく気の毒です。

そしてオペラで有名なロッシーニのピアノ小品群。ユーモアのセンスをもっていて、軽いサロン・ミュージック風ですが、実に味がある。

偉大なJ.S.バッハの息子たちの鍵盤曲もなかなか捨てがたい。父親ほどバロック調・・・つまり対位法が目立たず、どちらかというと古典派に近い感じで悪くありません。

パーシー・グレンジャーも痛快です。何となく田舎のほのぼのとした情景が浮かび上がってくる。

チャイコフスキー、スメタナ、ヤナーチェク、ドボルザークといった東欧圏の作曲家のピアノ作品も、実に素朴な感覚が溢れていて気が休まります。

他にも、ほとんど聞いたことがないような作曲家が山ほどいるのですが、それを探すのがマニアの楽しみ。あっと驚く素晴らしいものに出会うこともあれば、あー買わなきゃよかったと思うようなこともある。

もっとも、クラシックの場合作曲者の出来と演奏者の出来という二つの要素がありますし、特にピアノ独奏の場合は演奏者の気持ちが色濃く反映されます。曲から入るか、演奏者から入るかで個人の評価は随分と違ってくる。

おそらく初心者ほどどこかで聞いたことがある曲から入るのが無難な攻略法だろうと思います。とにかく最初に聴いた物がその人にとってのスタンダードになる可能性が高いので、名演と評判の高い物から始めるのがいいんでしょうね。