2012年2月13日月曜日

関節リウマチ学の進歩

関節リウマチという病気は、10年くらいまで日本では「慢性関節リウマチ」という名前で呼ばれていました。しかし、慢性という接頭語が取れたのは、急性関節リウマチがないからでしょう。急性とか慢性と区別する意味がないわけです。

古代ギリシャでは、流れを意味する「ロイマ」という言葉があって、悪い体液の流れが病気を起こすと考えられていたといいます。

医学の祖といわれるヒポクラテスも、関節の症状に注意をむけていて。少なくとも関節リウマチらしき病気は人類の歴史と一緒に登場していたわけです。

しかし、リウマチという言葉はずっと関節の痛みを伴う状態全般にわたって使われてきていて、今言われている関節リウマチという病気はかなり最近になってから認識されたものです。

自分の体に対してアレルギーを起こしているような病気であり、免疫の異常に対しての治療が効果的であるとわったのは数十年前。

まさにリウマチの歴史は時間とともに加速し続け、そのスピードには驚愕するしかありません。最近、日本で肺がん発症に関与する遺伝子が発見されたというニュースがありましたが、リウマチもその発症には遺伝子が関与していることが推察されています。

リウマチは、いまだに根本的な原因は不明ですと患者さんに説明しているわけですが、病態そのものの遺伝子レベルでの解明がされるのも、そう遠くはないことでしょう。ほんの数年後には、治療方法も大きく様変わりして、遺伝子操作をすることが当たり前になっているのかもしれません。