2012年2月16日木曜日

空っぽのテレビ番組

日頃から、テレビというメディアに対してはどちらかというと批判的な立場を取ることが多いのですが・・・今日も、やや気になる点について書くつもり。

一頃、タレント(とは言うよりもタレントレスな人が多いのですが)の「バカ」なところを売りにするバラエティが多かったですよね。

一般視聴者としては、そういうバカなところを見せられると、たいていの人は優越感を持って視聴できるわけで、ある種の安心を与えるところから受けがよかったのでしょう。

ただし、やり過ぎるとあきれるだけで、当然内容がくだらない方向へどんどん進んでしまいます。そのあたりのさじ加減をよく知っていて、うまくタレントと視聴者のバランスを取ることができたのが、昨年秋に突然引退に追い込まれた大物芸人でした。

その一方で、この一年くらいは逆にタレントの知性を売りにするバラエティが、だいぶ増えてきました。そういう番組では、出演する顔ぶれはけっこう固定化されていて、どれを見ても同じような面子がそろっている物です。

インテリと称される、本当に文化人として一定の才能と知識を持っている方は確かにいるわけで、そういう方々には何の文句もありません。しかし、通常の「一般常識」レベルと者に対してインテリと読んで持ち上げていることも少なくない。

タレントは、本来まさに何か一芸に秀でた物を持っているはずで、少なくとも知性を見せることが本業ではないでしょぅ。本業についてそれなりの才能を見せてくれているにもかかわらず、バラエティでは違った一面を見せてくれるから番組としてなりたつはずです。

ところが、本業についてはまったく活躍できていないのに・・・というタレントもいたりするわけです。内科の立派な医者が整形外科の範囲についても優れた診療をするとすごいと思いますが、内科についてはやめてしまって整形外科だけをやっているなら、単なる専門の鞍替えです。

何にしても、テレビ局の安易な番組作りには、多くの無駄が内在しています。テレビ局の人たちは「メディアとしての使命」的なことをよく口にしますが、そうならもう少し内容をしっかりと吟味した番組を放送してもらいたいと思うのでした。