2012年5月25日金曜日

手抜き講演会と言わないで

昨日は、数年前から続けている年に2回のヘルパー講習会の講師。毎週のようにやっているわけではないので、たいしたことはないと思われるかもしれませんが、一度に3時間しゃべるというのは正直言って大変。

クリニックでも毎日患者さんにいろいろと説明するので、しゃべることは仕事の一部みたいなものですが、これは途切れ途切れですから何とか1日もつわけです。

しゃべるという仕事は、一見体力を使わないから疲れないと思ったら大間違い。確かに使う筋肉は主として口の周りだけかもしれませんけど、問題は体の換気。

ヒトは空気を吸って吐いてを繰り返すわけで、呼吸という生理現象が生きていく上で必須。 空気を吸い込んだときに中の酸素を取り込みます。酸素は、体を動かすためのエネルギーを作り出す際に必要です。その結果、二酸化炭素が発生してくるので、吐くときに対外に排出しているわけです。

当然、酸素の方が重要ですが、しゃべり続けると呼吸のリズムが息を吐く方へ傾いてしまうので、体のなかの二酸化炭素が減りすぎてしまうのです。そうなると、ぼーっとなったり、頭痛がしたり、手足がしびれたりといろいろな体調の異変がでたりするのです。

病的なものとしては、過換気症候群というのがあります。精神的な影響を受けて、どんどん呼吸が速くなって自分でコントロールができなくなってしまうわけで、治療はペーパーバッグ法というのが有名。口元を紙袋でふさいで、袋の中に二酸化炭素をためていくわけです。

まぁ、講師としてしゃべっている場合は、最初から自分で勝手に過換気をしているわけですから文句も言えませんけど。1時間くらいまでの講演なら、いっきにしゃべってもいいけど、さすがに3時間というのはつらい。

ですから、できるだけ聴衆に質問をしたりして、自分はしゃべらない時間を作ることは健康上重要なのです。けして、手を抜いているわけではないので、そこんとこヨロシク。