2012年7月31日火曜日

リウマチ治療のT2T

今日は横浜ミナトミライでリウマチの講演会でした。演者は国立相模原病院の先生で、神奈川ではもう関節リウマチではお馴染みの先生。比較的話がお上手で、よく整理された話をするので、自分としてはお話を聞くのが楽しみな先生です。

今夜のキーワードはT2T。てぃーつーてぃー、と読みます。正式にはTreat to Target。ちょっと聞くと何のことやらと思うのですが、目標を設定して治療をするという意味。

漠然と治療するのではなく、ある一定の目標を達成するために、より強力な治療を行っていくこと(Tight Control)が、リウマチ患者さんの寛解(ほぼ治癒した状態)の達成に必要であると世界的に言われており、それに向けてのキーワードです。

リウマチ治療におけるT2Tは、もう数年前から言われ始めています。最近は、いよいよ患者さんにも向けて啓蒙活動が始まっており、自分たちもある程度実践していく必要に迫られてきました。

どうも、最近の医学会はこういうインパクトのあるキーワードが大好きで、一度決めると正義を振りかざすが如くに一斉にそこに向かっていく傾向があります。そういうところに、多少の疑問を感じないわけにはいかないのですが、自分も実際そういう世界にどっぷりと浸かっているところがあったりするんですね。

T2Tには、基本的な4つの考え方があります。
1. 治療は患者とリウマチ医が共に決めるべきです
2. もっとも重要な治療のゴールは長期にわたって生活の質(QOL)をよい状態に保つことです
3. 治療のゴールを達成するためにもっとも重要な方法は、関節の炎症を止めることです
4. 明確な目標に向けて疾患活動性をコントロールする治療は、関節リウマチにもっとも良い結果をもたらします。それは、疾患活動性をチェックし、目標が達成されない場合に、治療を見直すことによって可能となります

さらに目標達成に向けた治療のために、細かい10項目が設定されています。それらを書き出すのは大変なので、興味のある方はちょっとネットを検索していただければ、簡単に見つけられると思います。

とにかく、20世紀末にはまったく思いつきもしなかった、関節リウマチを「治す」ということが、最近は現実味を帯びてきたことが、このような考え方の原点にあるわけで、もうすごい変化としか言いようがありません。

もちろん今でも、「関節リウマチは治ります」と説明することはできません。いまだに寛解という言葉を使っているところにリウマチ医のジレンマが端的にあらわれています。寛解という言葉は、ほぼ治っているけど再発するかもしれませんという意味が含まれています。

がんの治療には5年生存率というような言葉がありますが、治療終了してから患者さんが5年以上生きていれば完全に治癒と考え、医学の勝利ということになります。

リウマチ治療においても、次のステップで完全に治癒と言える状態を達成することができるのかもしれません。 例えば5年間寛解状態を達成すれば完全な治癒としてよい、というようなことになるかもしれないのです。

どうせこの世界に入り込んだからには、そこまでは少なくとも現役を続けていたいものだと思います。それだけ日進月歩の激しい分野だからこそ、興味が尽きないくて勉強のしがいがあるというものです。

2012年7月30日月曜日

クリニック納涼会2012 @ センター南

土曜日はクリニックの納涼会。

センター南駅周辺にも、以前より居酒屋は増えましたけど、うちの場合はこちらのべったこ亭。すでに何度も利用している定番のお店。

居酒屋ですけど、うるさくない。個室が使えて、気兼ねなく楽しめる。そして、料理も美味しいというところがリピートの理由です。

クリニック開業して最初のころは、わずか4~5人の宴会。どこでも簡単にできましたが、さすがに10人を超えてくると、場所選びがなかなか簡単ではないのも大きな理由でしょうか。

全員がぎりぎり詰まって座っての盛り上がるイメージだったのですが、今回はいつもの個室の仕切りがはずされていました。意外と広すぎて、ちょっと困った。なかなかぴったりの場所というわけにはいかないものです。

それでも、暑さを吹き飛ばして、また週明けからがんばるためのエネルギーをたくさん注入しました。

2012年7月29日日曜日

OUTBACK STEAK HOUSE @ グラベリーモール

グランベリーモールは田園都市線南町田駅の近く、国道16号線と246号線の交差点のすぐ近く、うちからもっとも近いアウトレットモール。もう10年くらい前にできたんでしたか、だいぶ昔に一度行ったきりでした。

今日は久しぶりにでかけていって、まぁこの暑い中を、いろいろお店を見て回ったりしました。夕方が近づくにつれて風が出てきたので、まぁまぁなんとか我慢できる感じになりました。

ちょうど、夕飯の時間にもなったので、そのまま何か食べて帰ろうということで、モールの中にあるOUTBACKというステーキ屋さんにはいることにしたわけです。

中に入ると、ちょうどディズニーランドでワールドマーケットとかをぶらぶらしたあとに、中のレストランにでもはいったような気分。オーストラリアを基調にした店つくりで、あちこちにコアラとかカンガルーとかの飾りや、 アボリジニ人のブーメランなどがかけてあったりします。

ステーキはけっこう柔らかくて、なかなかけっこうな味でした。しかも、ソフトドリンクはお代わり自由。フリーの黒糖パンも、何回でももってきてくれます。

主役のステーキより感動したのが、実はこれ。 これポテトじゃありません。オニオンフライなんです。真ん中のサワークリームをつけながらいただくわけですが、いやぁ、ホント美味しかったです。これは、まだ食べたことがない方は、是非お試しいただきたい感動物でした。

2012年7月28日土曜日

千両みかん

江戸の大店のお嬢さん、真夏に重病になっちゃった。何か食べたいものはないかと聞かれたお嬢さん、冬の果物のみかんをたべたいと言い出した。旦那はかわいい娘を助けるために、番頭に何とかしろと無茶を言う。

番頭は、必死に探して凍らして保存されていた貴重なみかんを手に入れた。ただし、値段はなんと1個が1千両。今の感覚で言ったら、数千万円という価値になる。番頭は、みかんを持って帰ると、お嬢さんは少し食べて微笑んだ。

番頭は、残されたみかんをじっとみて、これだけでも相当な価格の分、自分も独立できると思い・・・残りのふさを黙って懐に入れ、そのまま店から逐電してしまいましたとさ。

・・・と、いうのは落語の話。

そんな貴重な真夏のみかんをいただきました。とても甘くておいしいです。これだけあれば何千両にもなるかと思うと・・・

2012年7月27日金曜日

土用丑の日


クリニックは8月13日(月)~8月18日(土)の1週間は夏季臨時休診です。

まずはオリンピック。サッカー日本男子U-23チーム、なでしこに叱咤激励されたのか、なんとスペインに勝利するという快挙。いやいや、期待させてくれますね。

でもって、昨日は暑かった。真夏のギア全開バリバリ、今日も猛暑の予想。早朝から25度を超えていて、いやはや土用丑の日らしい様相を呈しています。

当然、土用丑の日というと鰻。ところが、巷でさんざん話題になっているように、今年は鰻が値段が高騰していて、おいそれと手を出す気分になれません。

もともと、安い食材ではありませんし、とくに輸入物に対する信頼がそこなわれて国内産への人気が高まって、いっそう高価なイメージが膨らんでいました。

自分のイメージとしては、輸入物でもかまわないのですが、それでも1尾1000円以内。国内産なら1400円以内くらいなら、買うかどうか迷うと思うのですが、最近はスーパーで2000円くらいでしたから、とても買う気にはなりません。

スーパーもここが売り時と、がんばって数百円値下げしてきましたが、それでもこの値段だと黒毛和牛サーロインステーキを買うほうがましかと思ってしまいます。もっとも、霜降りのステーキは油っぽ過ぎで食べようとは思いませんけど。

何にしても、資源的にも希少になっているなら、「文化」だからという理由で鰻を無理して食べるというのもどうかと思います。他にも美味しいものはいくらでもありますし、まぁがまんしても死にゃしない。

なんでも竹輪を切り開いてたれをつけて焼いたら、鰻の蒲焼とそっくりの味・食感だということじゃありませんか。一度試してみたいと思ったりして・・・

2012年7月26日木曜日

ロンドン・オリンピック スタート

昨夜、ロンドン・オリンピックがついに始まりました。本格的にはじまるのは土曜日から、開会式は明日ですが、サッカーの一次予選が早くも行われました。

期待のなでしこジャパンが女子サッカー1次予選に登場し、カナダに2-1で勝利。日本全体としても、幸先のよい白星発進です。

これから2週間、熱い戦いが繰り広げられます。それぞれの競技に出場する選手の方々には、是非がんばってもらいたいもの。できればメダルを獲得してもらいたいと思うのは当然ですが、とにかく悔いのないように全力を出し切れば、日本にたくさんの元気を届けられるはずです。

さて、今回のオリンピック、困ったことにロンドンとの時差が8時間です。現地で午前中の競技は、日本では夕方から、午後の競技は真夜中からという・・・

可能なら夜10時まで就寝する清く正しい中年のおじさんとしては、なかなかリアルタイムでテレビ観戦というのは難しい。結局、朝の情報番組で昨日の分をまとめてチェックというパターンが中心になってしまいそうです。

それにしても、昨夜の試合、大野から川澄への連携、角度のないところからの川澄のシュートは見事でした。U-23男子チームは、このところのなんとなく決定力不足の戦いぶり。しっかり、刺激になったことでしょう。

2012年7月25日水曜日

誰もが目の覚める一撃


驚いた? 驚いたでしょう? 驚かないわけがない、イチローの電撃移籍。昨日の朝、まさに眠気が一気に吹っ飛ぶニュースでした。

イチローは、日本人として世界で活躍できる数少ない尊敬に値する人物です。伝えられる、その行動や言動は、 早くも歴史上の偉人として長く人々の記憶に残るに値すると言っても過言ではありません。

会見では後進に道を譲るというような発言もありましたが、イチローの本音はどこにあるかは、本当のところはわかりません。

自分を大リーグに導いてくれたマリナーズというチームに対する「仁義」のようなところがあることは間違いないのでしょうが、その一方でどれだけ活躍しても優勝できないことへの不満もなかったはずはありません。

イチローほどの選手が優勝経験がないというのは、ある意味問題。イチローとしても、フル出場で現役を続けることのできるシーズンは確実にあと数年、そのなかで優勝を味わいたいという気持ちがあったとしても、誰にも非難はできないでしょう。

むしろ、一度はワールドシリーズでの優勝の輪の中にいるイチローを見てみたいというというのは、日本人の誰しもが思うところ。 そういう意味では、マリナーズに長く居すぎたかという感も否めません。

とにかく、背番号が変わってもイチローの存在感はヤンキース初打席での初安打・初盗塁でも証明され、イチロー伝説の最終章(?)の幕が切って落とされました。これからも注目です。

それにしても、川崎はどーすんのかなぁ。まぁ、がんばってね。

2012年7月24日火曜日

賃貸か? それとも一戸建て?

そりゃ、もちろん家の話。

うちは、地域で標準的な区画からするとかなり狭めではありますが、一応一戸建てです。もともとマンション住まいだったのですが、こどもの学校のことなどもあって・・・

と、いうのは表向き。実は、マンションの一時金がとんでもないことになって、そうそうに手放したというところ。毎月管理費を取られ、そこから修繕計画が立てられていたのですが、築10年目の中修繕で予算不足のため、各戸あたりの一時金が30万円くらい必要でした。

このときに、このままでいくと20年目の大修繕では各戸あたりの一時金が100万円以上という試算がでました。 しかも、管理費を今の倍に値上げしてです。これには、さすがに驚いた。20年たつと資産価値もかなり下がっていて、その上家賃みたいな額の管理費を毎月払い、その上100万円以上なんて・・・もう無理無理。

それで、建売を探してこの土地に流れてきたというわけなんですが、結局30年住宅ローンというものを背負ってしまいました。70歳近くまで、借金を返し続けるというのは、もう人生決められたみたいなもので、かなりの自由をなくしたようなものです。

それてせも、自分の持ち家というのは、とりあえず所有欲を満たしてくれることは間違いない。少なくとも、この土地だけは誰かと共有とかではない自分のもの。ところが、マンションでは管理組合に任せきりでよかった、家の管理というものを 自分で考えないといけなくなりました。

木のフェンスが崩れてしまいました。木材を買ってきて、1日かけて自分で新しく組み直し、ペンキを塗って3万円。外の照明が壊れる。これは、なくてもいいから放置。風呂場の目地が割れてきた。自分でパテを塗って修理。このくらいはまだよかった。

湯沸かし器が壊れてシャワーが使えなくなる。はい、新しいのと交換で20万円。水道の蛇口の水漏れが止まらない。はい、これも交換で5万円。トイレなどの壁紙がボロボロ。いろいろ取り混ぜて、修理代は20数万円・・・

いやもう、どっかん、どっかんと出て行くもんです。あらかじめ、家の整備用に貯金でもしていればいいんでしょうが、なかなかそんな未来を見据えた生活設計をしていません。

10年目で外装工事をすべきだったのでしょぅが、クリニックを開業したばかりで資金がなく、ここまでずるずるとほったらかしにしていました。いよいよ、不都合がでてきた。この前の大雨の時には、ついに雨漏りまで経験してしまい、これ以上放置するわけにはいかなくなりました。

結局、外装工事・防水工事・フェンス工事、そして便器取替えなど、いよいよ立ち行かなくなってきた部分の修繕をすることにしたのですが、見積もりはざっと150万円。結局、マンション住まいで一時金が出て行くのとさして変わらない結果になっているような・・・

どうです? 賃貸でもいいんじゃないかと思いませんか? 

2012年7月23日月曜日

黒味噌ラーメン @ ガキ大将

クリニックは8月13日(月)~8月18日(土)の1週間は夏季臨時休診です。

味噌ラーメンというと、白味噌あるいは赤味噌を中心に味が作られていますよね。黒味噌というのは・・・ありません。

なんで黒味噌かというと、見てのとおり、黒ゴマがたくさん入っているわけ。まぁ、言ってみればゴマ味噌ラーメンというのが正しいかもしれません。

このラーメンを食べれる店はガキ大将という名前。場所は、新宿区河田町。そう、東京女子医科大学の近くなんです。 女子医で働いているときは、実は入ったことがなかった店。今のように、月に一度の勤務のときに、時間があるときに昼食でいくようになりました。

まぁ、いろいろなラーメンを出す店で、正直言って絶対的なセールスポイントがあるとは言えないのですが、普通の感覚では可もなし不可もなしというお店(ゴメンナサイ)。

でも、この黒味噌ラーメンというのは、けっこうお気に入り。他ではこういう濃厚な味噌で、坦々麺でもないのに強力なゴマの風味が楽しめるラーメンはお目にかかりません。

まぁ、もしもお近くに行く用事がありましたら・・・めったにないかもしれませんが、是非一度はお試しください。

2012年7月22日日曜日

小川京子/ Mozart Requiem K.626


レクイエムは、キリスト教の死者のためのミサ曲、日本語では鎭魂曲。モツレクといえば、モーツァルト作曲で未完成ながら(弟子のジュスマイヤーにより補筆完成)、フォーレやヴェルディのものとともに世界三大レクイエムと呼ばれている優れもの。

実際のところ、作曲の依頼主の正体不明であったり、モーツァルト自身が死の床にあって作曲を続けたことから様々な伝説がつきまとうことになります。また、モーツァルトが完成したのは全14曲中の1曲目だけで、のこりはスケッチ程度の草稿とジュスマイヤーへの指示によるものとされています。

その後の研究によって、ジュスマイヤーの間違いを指摘して、さまざまな版が発表されており、混乱した傑作ということが言えるかも知れません。ただ、とにかく直弟子のジュスマイヤーがモーツァルトの死後、遺志を直接に反映した形で完成させたことは評価すべきですし、これを決定版とするのが妥当ではないかと思います。

ちょっと古いところではベーム/ウィーンフィル盤が最も有名でしょうか。どっしりとしたテンポで、重量級のオーケストラと合唱による大迫力の演奏は、確かに魅力的です。 その他ワルター、ジュリーニ、ムーティなど、多くの名盤が存在するわけで、好きな人がはまるとなかなか深遠な世界です。

ところが、自分の場合は声楽が苦手で、かつオーケストラ作品もあまり好きではないという天の邪鬼クラシックファンですから、どうもモツレクのような曲は、もっと遠いところにある。ベーム盤も、実のところ全然よさがわからない。だいたい、そんな大人数の楽団が入れる教会なんてあるんかいなと思ってしまうわけです。

ところが、曲としてはけっこう好きなわけです。なんでかというと、実は弦楽四重奏版というのがあって、これがなかなかいい。自分の苦手なところが、ストリングスにすべて置き換わっているわけですから、悪いはずがない。

クイケンのものも有名ですが、自分がお勧めするのはStringFizzという女性だけのグループのもの。このグループは、ピアソラやガーシュインなども演奏し、本来弦楽四重奏ではない曲中心にレパートリーを増やしているんです。とにかく、めりはりのある元気な演奏で、レクイエムをまったく飽きずに聴き通せます。

さて、そこに今年登場したのが小川京子によるピアノ独奏版のレクイエムです。ピアノへの編曲はチェルニーという豪華顔合わせ。小川の全曲録音は、昨年の震災への思いからインスパイアーされたとのこと。

レクイエムですから、主として短調で、それほど早い曲想ではないわけで、ピアノだけでの演奏となると音数が少なくなりすぎてどうかと思いましたが、いや悪くないんです。このあたりはチェルニーの編曲の妙味です。うるさくない程度に音を配置して、空間をうまく満たしている感じなんです。

楽器編成を減らした編曲では、もともとの音楽の骨格が明瞭になってくることが多く、もしかしたらここでもモーツァルト自身が考えていた原型に最も近づいた演奏になっているのかもしれません。

大編成の演奏に慣れ親しんだ方が聴けば、さにらその思いを強く感じるのではないでしょぅか。そういう方に是非とも一度は聴いてもらいたい好演だと思います。

2012年7月21日土曜日

ホンダもがんばる

こどもがそろそろ夏休みというご家庭も多いと思いますが、梅雨明けと思ったら、いきなりやたらと涼しくなって、水を差された感じですね。だから、気象庁ははっきりと梅雨明け宣言をしなくなったわけですが。

さて、昨年は震災の影響で、どの自動車メーカーも挽回に必死。業界の雄トヨタは、プリウスからの派生車である、大きめのプリウスαと小さめのアクア、そしてPHVプリウス、さらにノーマル・プリウスのマイナーチェンジで攻勢をかけました。

一方、ハイブリッドカーでトヨタに何とか対抗しているホンダの方はと言うと・・・防戦一方かと思うと、意外とそうでもない、ホンダのドル箱はフィットで、そこから派生したフィット・ハイブリッドやフィット・シャトル、ハイブリッド専用車種のインサイトに加えて、小さめワンボックスのフリードとスパイクにハイブリッドをのせて、けっこうがんばっている。

これまでは、ホンダのハイブリッドはコンパクトなシステムで、既存車種に追加で載せやすいという利点を生かしてきました。人気のある車種に搭載することで、バリエーションを増やして、購入者の希望に添いやすくしているということでしょうか。

もちろんトヨタもエスティマ、ハリアー、クラウンなどにトヨタのハイブリッドを載せていたりするんですが、いかんせんシステムが重すぎるのか、それほど燃費に向上していない。実際、それほど宣伝してませんもんね。

ホンダのフィットは現行の型が二代目ですが、来年いよいよメジャーチェンジされ三代目が登場する予定です。いままでのシステムを大幅に見直すようで、ワンモーターからツーモーターにかわるという話もでています。

同時にフィット派生車種を増やすとされており、コンパクトSUVやセダンのフィットも登場すると噂されています。街乗りをターゲットに使い勝手を重視して、「あなたにフィット」することに重点を置いた設計思想がどこまで残るかが興味ありますね。

一種類しかなければ、その車が欲しいという人が購入し、嫌な人は最初から候補にあげません。いろいろなタイプを用意していくと、購入者からのいろいろな要望に添っていくことになり、その分車の本来の特徴が薄れて生きやすい。

ホンダとしてはドル箱のフィットという名称を生かしていきたい、ベースの共通化でコストダウンをはかりたいという思惑があるわけですが、派生車種を増やしてかえって本家フィットの売れ行きに影響しないかと心配したりもします。

いずれにしても、トヨタの牙城を崩せるかどうかは、新しいハイブリッド。システムの性能が最も関係するでしょう。簡単にいえば、これまでは電気自動車にもなれるトヨタと電動アシストにすぎないホンダという決定的な差があったわけです。

燃費的には、まったく同じ車でないと比較しずらいのですが、だいたい同じ車格で考えれば、トヨタに一歩リードを許していることは間違いありません。ハイブリッドの最も利点は燃費ですから、価格ではなく性能の勝負を期待したいところです。

いずれにしても、ハイブリッドという技術は今後最大でも20年間程度の過渡期的なものでしょぅから、自動車メーカーが"NEXT"をどう見ているかが一番注目すべき点。20年後はトヨタやホンダのエンブレムのかわりに、ソニーやパナソニックのシールが貼られているかもしれません。

2012年7月20日金曜日

感染

・・・と、言っても人間の病気の話じゃありません。

自宅で使っているパソコン・・・主としてこどもたちが、なんじゃぁかんじゃといじっているやつ。う~ん、やられた。どうも「トロイの木馬」が入り込んだよう。

起動すると勝手にファイヤーウォールをブロックして、ネットへのアクセスを勝手に制御している。怪しげなタスク管理ソフトのようなものが、いちいち出てきて邪魔をしてくるというわけです。

正規のタスク・マネージャーが起動しないので、よけいなプロセスを遮断できないので、なんともやっかいなことになっています。全部丸ごと入れなおせば話は簡単ですが、何しろこどもたちのいろんなファイルが入っているのでそういうわけにはいかない。

しょうがないので、ファイルを虱潰しに確認していって、やっとどうもこいつが怪しいというプログラムを発見しました。しかし、そのままではWindowsのサービスとして動いていて削除てできません。

セーフモードでWindowsを起動し直して、これを読み込まないようにしてやっと削除。あらためてアンチ・ウィルス・ソフトを起動・更新して、なんとか身動きが取れるようになりました。

でも、タスク・マネージャーは壊れていて、ちゃんと起動しないし、どうも不安がいっぱい。とにかく必要なファイルはバックアップさせて、近いうちに一からWindowsをインストールするにこしたことはなさそうです。

昔と比べて、どうもOSの複雑化が進んで、なかなか細かいところが見えなくなってきましたね。どうも、メンテナンスするのも楽じゃなくなりました。多大な時間と労力を要するようになって、だんだん物好きの片手間の仕事としては荷が重い。

とにかく、変なファイルをダウンロードしたりすることは十分に注意するように、こどもたちにしっかり覚えてもらわないと大変です。

2012年7月19日木曜日

プリウスPHV

プリウスPHVのPHVは、言わずと知れたPlug-in Hybrid。コンセントがついていて、家庭で充電して走るわけです。通常のハイブリッドが、走りながらバッテリーに充電するのとだいぶ違います。

トヨタのハイブリッド・システムでは、満充電状態で純粋に電気自動車として走れる距離は数キロです。それも自転車並の時速で走ってというところで、まぁ満足にモーター走行するにはだいぶ物足りない。

それでも、ガソリン・エンジンだけで走るのに比べれば、実燃費は倍近く向上するという感じです。 例えば1500ccのエンジンを搭載しているアクアの場合、市街地では20~24km/L程度の燃費というところ。1800ccエンジンのプリウスαは、通常のプリウスに比べて車体重量があるので、20km/L行くのはつらい。

プリウスPHVは、EV(電気自動車)モードで走れる距離は24キロ程度と言われています。つまり日常的な使い回しだけであれば、ほとんどガソリンを使用することはないようで、いわゆる「燃費」という概念はあてはまらない。

充電さえ出来れば、どんどん燃費は伸びるし、充電スタンドがなければ普通のプリウスと一緒でエンジンを使用して燃費は20数キロ/Lといったところでしょぅか。

最近はずいぶんと街中でも見かけるようになって、α乗りとしては特にうらやましいというほどではありませんが、多少興味津々という感じてす。αを運転し始めて3ヶ月くらいたちましたが、通常のプリウスに比べて、運転席周りの開放感というか、やはりこの広さは捨てがたい。

うちのαは、当初の燃費は18km/L。ガソリンをレギュラーからハイオクに変えたら、19.5km/L。ハイオクの価格差がだいぶなくなってきたので、燃費の向上でプラマイゼロという感じです。でも、暑くなってきてエアコンを使用するようになったら、とたんに16.5km/L程度まで下がってしまいました。

自分の住んでいる横浜市北部はとにかく坂が多いので、どうしてもエンジンが回ってしまうことが多く、なかなか燃費をかぜぐのには不利な土地条件といえそうです。やはり平坦な土地を中心に走った方がいいようですね。

2012年7月18日水曜日

梅雨が明けたものと思われる

昨日、気象庁は「関東地方の梅雨が明けたものと思われる」と発表しました。

梅雨が明ければ、いよいよ夏本番!! というわけで、こどもは嬉しい、大人はげんなり。まぁ、梅雨の期間としては、平年並みというところでしょぅか。

それにしても、「・・・と思われる」というのも、ずいぶんと低姿勢な表現で、なんともきりっとしない言葉遣いではありませんか。どうとも取れるような曖昧な言い方で、はずれても言い訳できるようなところがあからさまです。

もともと気象庁は、梅雨明け宣言という言い方で「梅雨明け」を確定していましたよね。ところが、数年前でしたか、梅雨明け宣言の後に、戻り梅雨で天気が長くすぐれなかった時に、ずいぶんと批判されました。

その結果、大変曖昧な表現が採用されたものと思われます。それはそれで、ごもっとも。気象庁としても、サービスとして梅雨明けを発表してきたのが、批判されるのではたまりません。

こういうところに、社会の萎縮という問題が垣間見えると言うと大袈裟でしょうか。自分の責任はほったらかしで、他人の責任ばかりを追及するような風潮がないでしょぅか。

人を批判するのなら、批判できるだけのことをやっていることが本来大切です。もちろん、なんでも出来る人なんていませんけど、できるだけ努力はしたいものだとは思ったりします。

もちろん、そんなに簡単にはいかないけれどね・・・

2012年7月17日火曜日

あざみ野倶楽部 @ 嶮山

あざみ野から少し入ったところに嶮山というところがありまして、そこには東急がスポーツガーデンなるものを開設しています。ゴルフ、テニス、サッカーなどを中心に老若男女が楽しんでいるわけです。その一角にあざみ野倶楽部というレストランがあったりするのです。

ちょっとおしゃれな感じで、プチセレブ気分を味わうには恰好のお店なのです。フランスパンを使ったミルクパンなどの販売もなかなか人気なのですが、最近流行のパンケーキを始めたということで、ちょっとよってみました。

パンケーキというなんかおしゃれな感じですが、馴染みの言葉で言うとホットケーキ。直径10cmくらいの3枚重ねで600円。う~ん、ちょっと高い。味はまぁまぁ。片面だけを焼いていて、両面を焼かないのでほどほどにしっとり感がのこっているところがいいかも。


ふだんはたまプラやあざみ野界隈の奥様方がランチをするのがメインの店でしょぅから、Dinnerとかに利用するにはメニューがちょっと寂しい。でも、それなりに楽しめるので、悪くはありません。

2012年7月16日月曜日

風乾

ふうかん、と読みます。キャンプなどをやる方にはお馴染みの言葉ですが、まぁ簡単に言うと食材を陰干しすること。余分な水分が抜けて、旨味成分が凝縮していっそう美味しくいただけるという昔ながらの知恵です。

あんまりしっかり乾かすと、一夜干し・・・要するに干物になってしまいますが、川魚などは数時間、今日みたいな真夏のカンカン照りだと戸外の日陰でで1時間程度乾かすと、臭みも取れて旨さは倍増です。

 今日はスーパーで天然物の鮎の特売があったので、買って帰ってすぐに内臓を取り除き、塩を振って風乾にしました。夜のおかずになるわけですが、一手間かけるとそれだけでも美味しい気分になるので得した感じです。

2012年7月15日日曜日

品川水族館

50過ぎの夫婦で出かけていくのに、まぁ水族館というのもどうかというところですが・・・せっかくの連休ですし、ちっとは涼しげなところに行こうかいなということで。

江ノ島まで行くほどの元気はなく、そういえば品川がリニューアルしたなぁと思い出したわけです(って、いったい何年前の話じゃ!!)。クリニックでも淡水と海水の水槽をちよこっとやっているので、見る目も以前とは違うかもというところもあったりします。

実際行ってみて、おーあのかさごはフライで美味しそうとか、群有している鰯も脂がのっていて旨いだろうとか、どうも確かに見る目は違っていました。こどもたちに混ざって炎天下でイルカショーが始まるのを待つ元気はなく、くらげにちょっとだけ癒されて帰ってきました。

とりあえず、水族館の中はところによって涼しかったのですが、全体的には汗がひくほどではないということがわかりました。むしろ、となりの平和島競艇場で疾走するボートの水しぶきが気持ちよさそうに見えたのでした。

2012年7月14日土曜日

大人のラジオ体操


ちょっと前に、Reebokが作ったとかいうラヂオ体操第4が話題に・・・見ました? YouTubeとかで簡単に見れますから、見てない方は早めに確認しましょう。

もちろん第4なんてのは、正規にはありません。もともとApril Fool用に作ったパロディですが、これはさすがにできません。これが出来る方は、もう完全に体操選手としてがんばれます。

それはさておき、「実はスゴイ!! 大人のラジオ体操」という本がありまして、なかなか評判というので購入してみました。

うちのクリニックでは開院以来、リハビリ室にラジオ体操の仕方を張り出してあるんですが、ずっと以前からそのよく考え抜かれた内容に脱帽していました。

本気でやれば、けっこうな量の運動になりますし、そもそも体を無理に動かすことなく、すべての関節・筋肉をしっかり動かす動きが無駄なく含まれているのです。ラジオ体操を考えた方は、本当に真剣に考えたんだなぁと、つくづく思うわけです。

この本では、美しい(?)お姉様方が、よりしっかりとポイントをおさえつつ、まじめにラジオ体操をすることの大事なところをDVD付きで見せてくれます。

夏休みで嫌々やった方が多いと思いますが、おかげで体で覚えていてすぐに試すことができることは大変重要。今度は自分から、是非試してみることをお勧めします。

2012年7月13日金曜日

悲しきミミズ

畑だったら、土を耕してくれる働き者とほめられる
鳥たちからは、おいしい餌としてねらわれる

暑くなると、地面から出てきて涼をとるのか?
ところが、そこはアスファルト
車がきて、ふまれてペッチャンコ
夏の日差しでカビカビにかわいて無残な姿

都会では、何のために生きているのか
愛くるしい姿、とも言えないし
お気の毒というか、なんとも悲しい

2012年7月12日木曜日

甘い誘惑

クリニックの夏期臨時休診は、8月13日(月)~8月18日(土)です。前後が日曜日ですので、長期間休診になります。大変ご迷惑をおかけいたしますが、どうかお間違えのないようにお願いいたします。

今年の梅雨もいよいよ佳境に入ったのか、九州の方ではずいぶんと大暴れしています。関東は、風はだいぶ強かったのですが、雨が降ったりやんだりでだいぶむしむしとした気候でした。

梅雨があければ、真夏の日差しがふりそそいで・・・なんて、楽しみにしていたのはこどもの頃のこと。大人になると、暑くて過ごしにくいだけで、早くエアコンの効いた涼しい部屋でゆっくりしたいなんて思っていたものです。

しかし、昨年の地震と原子力発電所の事故で、気持ちがだいぶ変わったことは間違いない。もちろん、エアコンは使用するのですが、何となく後ろめたさがあったりします。

設定温度を上げて節約しましょうみたいなことは、今までにも言われていましたが、それはあくまでもそれぞれの個人の倹約が目的でした。

しかし、去年は節電をしないととんでもないことになるかもしれないという切迫感からでしたし、今年は少しでも電気に頼らない生活を心がけたいというところでしょぅか。

とはいえ実際のところ、一度知ってしまった快適さを忘れることはなかなかできるものではありません。喉もと過ぎればという言葉もありますが、どうも意志が弱くて困ったものです。

エアコンの誘惑に、今夜も勝てそうにありません。とりあえず、扇風機だけはずいぶんと活躍するようになりましたけどね。

2012年7月11日水曜日

趣味の世界

趣味の世界で、特に蒐集物については、もう高じると生活すべてに優先したりすることになる。幸いというか、自分の場合はそれほどの趣味はなくて、どちらかというと広く浅いタイプ。

今までに蒐集した物というと、レコード(400枚)や、探偵小説(横溝正史、江戸川乱歩とか)など。釣りに使うルアーも一時集めましたが、それでもコレクション性のあるものは20個足らず。

他にも思い出そうとしても、あまり思いつきません。今は最大集まった物で、CDコレクションということになりますか。クラシックが主体であとはジャズ。

それにしても、鉄道のファンというのは、趣味の世界ではチャンピオン級。特に鉄道模型を集める人はすごすぎです。元祖正当派オタクという表現も、悪口にはなりません。

 いつもクリニック用に購入する雑誌の特集が、鉄道マニアの特集です。ファンの方々からすると、たいした話ではないかもしれませんが、自分たちの側からするとすごい世界を垣間見ることができます。

ちょうど横浜駅の近くに、その道で有名な蒐集家の鉄道模型を展示する博物館もできたりしたものですから、ニュースでもずいぶんと取り上げられました。とにかく、はまりだしたらきりがないであろう世界であることは間違いない。

こういう趣味の世界に、何の問題もなく没頭できるとしたら、けっこう幸せなんでしょうね。そのかわり、犠牲にするものも少なくないでしょう。 何にしても、ほどほどというのがいいかもしれません。

2012年7月10日火曜日

ニュース雑感

ぶっちゃけ、パンダには興味がないもんで、上野でパンダの赤ちゃんが生まれようどうでもいいわけです。まして、パンダが育児放棄したとかとないとか、まぁ関心はありません。

それより、パンダが生まれてニュース速報という事態が心配。悪いニュースではないので、あまり文句を言っても・・・というところではありますが、このあたりに意識してかしていないのかわかりませんが、メディアの大衆操作的な部分を感じたりします。

パンダを通じて中国と仲良くという反面、尖閣諸島を巡っての問題はなかなかおさまりそうもありません。過激な某知事さんは、パンダの名前を「センセン、カクカク」にすればいいとか発言。

そもそも東京都が何十億も出して尖閣諸島を買い取るというのは、都民の意思を反映しているんでしょうか。自分は都民ではないので口出せませんが、尖閣問題は国レベルの話であって、一地方自治体が出しゃばることには疑問を感じます。

とはいえ、今の政府は・・・まぁ、新しい政党も登場するようですが、とにかく政治家のみなさんには何を期待していいのかわからないというのが、今の日本の国民の気持ちですよね。

日本政府は中国との間には領土問題は無いという姿勢を貫いていますが、その一方で北方領土については領土問題としてロシアに再三の申し入れをしている。

ロシアの大統領は北方領土を訪問して、日本を牽制。さらに、「日本がどう思っても関係ない」とうそぶいている始末です。ここでも、国と国の関係は仲良くしたい部分と仲良くしたくない部分がモザイク状に交錯しています。

ロシアにはチェルノブイリという、人類史上最悪の原子力発電所事故の経験がありますが、日本の福島の事故については1年3ヶ月かかって、ついに公式の事故調査報告書が出されました。

国会の中に作った調査委員会が作成したもので、公的な報告書ということでその意味は大きい。結論として「福島の事故は限りなく人災」としているそうで、電気を作ることを優先して、企業と国が安全対策を置き去りにしていたと結論づけています。

国民はそういう状態を放置して、電気を使いたいだけ使っていた状況があることを認識しなければいけない。自分たちはどれだけの電気が必要なのか、あらためて考えなければいけません。

ちなみに、この調査委員会の委員長の黒川さんは東大出身の内科医で、一時自分の母校である東海大学病院で病院長をやっていました。何度もお話をうかがったことがありますが、ものすごく頭のいい方で、自分に対して強い自信をを持っている方という印象を持っています。

自分に対する自信というものが、悪い方に突出すると「いじめ」という問題にもつながっていくように思います。大津市のいじめられていた生徒の自殺問題が、大きく取り上げられています。いじめ問題は、今に始まったことではないのですが、なかなか学校・家庭内での教育の現場から解決できていません。

最近のニュースの中で、気になるところを考えていたら、こんな具合に巡り巡ってしまいました。

2012年7月9日月曜日

どうせ人生で敗北したことなんてないでしょう

5年くらい前に、ある知人に言われた言葉です。相手はだいぶ酔っていたので、そんなことを言ったなんて覚えていないでしょうね。でも、酔っているだけに、本音の部分が出たのではないかと思います。

これがけっこうグサっと心に刺さって、いまだに何となく引きずっている。自分はいろいろ大変で苦労している。それに比べて、医者のあなたはボッチャンで苦労知らず。そこで、「人生で敗北したことなんてないでしょう?」となったわけです。

7年前にクリニックを開業して、事前の計画では1年で赤字がなくなるはずで、意気揚々としていたはずの頃ですが、実際はそんなに甘いものではありませんでした。

どんどん貯金は無くなって、テナント料は半分を待ってもらい、子供の学費も滞納。クリニックは自分と家内と受付一人というわずか3人だけでやっていた頃です。 ある意味、人生最大の難局と言えるかも知れません。

お金をかけずに自分でできることは何でもやりましたし・・・おかけで体重もずいぶんと減って、体だけはいたって健康というのも皮肉なものです。丸3年を過ぎてやっと赤字から脱して、少しずつ経営に余裕ができるようになり、スタッフも徐々に増えました。

とは言っても、今でもスタッフは5人で、たいていの整形外科クリニックからすると患者さんの数は2/3くらいでしょうか。でも、そのくらいのペースでないと、なかなか自分のやりたい診療ができないと思うので、まぁいいかなと思うこの頃です。

実際のところ、「人生に敗北する」と言うことは、「死」ということだと思います。自殺でもして自ら死を選択しない限り、真の意味で人生に敗北する人はいないと思うんですよね。どんなにどん底でも、まだいろいろ頑張っていられるうち、つまり戦う姿勢を見せているうちは負けではありません。

その言葉を自分に投げかけた人も、たぶん自身が敗北したとは思っていなかったことでしょう。現実に、今でもそれなりに順調に仕事に精を出しているように見えますから。

結局のところ、ごく少数のぼろ勝ちする人もいますけど、ほとんどの人生ではちょっと勝利という感じなんではないかと思っていたりします。そまでの起伏は大きい方が、人としてより成長ができるのかもしれません。

2012年7月8日日曜日

Bill Evans / Paris Concert Edition One & Two


コルトレーンにしても、エヴァンスにしても早死にしているだけに、残されたレコードに対する伝説的な感情が混在することはいたしかたがないところ。どれもが名作のような気がしてしまい、何枚かのアルバムを選ぼうと思うとかなり一人勝手に悩み込んでしまうわけです。

エヴァンスの場合、基本的なフォーマットはピアノ・トリオ。あらためディスコグラフィを眺めてみると、生涯にわたっていろいろな楽器の組み合わせに手を出しているにもかかわらず、結局名盤として推薦したくなるレコードはピアノ・トリオになってしまいます。

最初のレギュラー・トリオは、ベースのスコット・ラファロとドラムのポール・モチアン。まさに伝説のトリオです。60年代なかばは、ベースがチャック・イスラエル、ドラムはラリー・バンカー。

そして60年代後半にエディ・ゴメスというベーシストに出会って、エヴァンスは10年以上にわたってゴメスとのインタープレイを展開します。この時期は、ドラムはわりと出入りがあり、レギュラーを誰と決めにくい感じがします。

そういう観点から、ここまでに3枚のアルバムを紹介してきたのですが、実はエヴァンス自身がそれまでの最強のトリオと考えていたのは、ベースがマーク・ジョンソン、ドラムがジョー・ラバーバラというメンバー。その生涯最期の、わずか1年数ヶ月という活動期間しか活動できなかったのです。

ところが不幸なことに、このレギュラー・トリオは管楽器を加えたクインテットのアルバムは出したものの、エヴァンスの生前にはトリオのアルバムが無かった。そのため、生前はほとんど評価されることなく、エヴァンスの死と共に幻で終わってしまうかと思われました。

しかし、幸いなことに死後に無くなる一年前のパリでのライブが発表され、その圧倒的な3人の緊密な連携からくる世界観が初めてジャズ・ファンの耳に届くことができたのです。さらに、死の直前の大量のライブ音源も発売され、エヴァンスが最強という意味が認知されるようになりました。

正式なスタジオ録音がないことが今となっては悔やまれますが、少なくともこの最期のトリオによる唯一の正規のライブ録音、つまりエヴァンス自身か録音していること、将来発売するアルバムになることを前提に演奏されているという点で、2枚のパリ・ライブは、エヴァンスの生涯をしめくくる名盤としてはずすことはできません。

2012年7月7日土曜日

七夕

クリニックの夏期臨時休診の張り紙をあちこちに掲示しました。休みは8月13日~8月18日の1週間丸々です。前後の日曜日を含めると随分と長い休みになります。ご迷惑をおかけします。

今日は七夕。クリニックでは笹を飾って、患者さんも一緒にいくつもの短冊に願い事を書いたりしています。そこで、その写真をとってブログに使おう・・・と思ったら、去年の7月7日がまさにそんなネタ。

さすがに2年続けて、ほとんど同じ構図の写真をのせてもしょうがない。う~ん、残念。そうはいっても、天気は梅雨の真っ只中で、当然天の川にしても織り姫にしても彦星にしても、いるのかいないのかもわからない。

まぁ、わざわざ確認のために去年のエントリーを調べる人もいないでしょぅから、今年の写真をのせてしまえ!! すまそ・・・


2012年7月6日金曜日

関節リウマチ勉強会 @ 新横浜

今夜は新横浜の基幹病院主催の関節リウマチ勉強会。とにかく、この手の会が多いことには正直疲れます。勉強そのものは大事ですし、いくと役に立つ話がたいてい聴けるのですが、なにしろ多くの製薬会社がせっせと企画してくるのでその数たるやバカに出来ません。

今夜は新横浜の基幹病院が病診連携のためにと開いていただいた会ですから、顔をつなぐという意味でも出席させていただくことは無駄ではありません。

うちのクリニックのある都筑区は川崎に近く、港ヨコハマには遠いので、今まで川崎の大学との関係強化を重点的に考えていました。そのせいか港のある東側への関係が十分とはいえませんでした。

さて今夜の講演会は富山大学の准教授の先生の話。実は、演者紹介でこの先生が自分より後の卒業であることに、少なからずショックをうけたのでした。今までたいてい自分より先輩の医師の講演ばかりだったように思いますので、いよいよ後進に教えを請うようになったという感じでしょぅか。

内容は、特に目新しいものではなかったのですが、各種生物学的製剤の特徴などを簡潔に解説していただき、知識の生理と復習にはもってこいの内容でした。時々、原点に立ち返ってよく見渡すことは重要です。意外と見過ごしていたポイントなどにも気がつかされたりして、なるほどと思う点が少なからずあるものです。

明日からの診療で、そういうポイントを生かせるように、さらに努力したいと思うわけでした。

2012年7月5日木曜日

ドンペリ

木村拓哉といえばキムタク。博多の祭りと言えばドンタク。かけっこでびりっけつになるのはドンジリ。そして、シャンパンといえば・・・

いゃぁ~、ずいぶんと無理矢理的な前置きです。シャンパンというと、フランスのモエが有名で、だいたい5000円前後でしょぅか。これでも、十分すぎるくらいにおいしいわけで、たいていは1000円ちょっとのシャンパンで満足してしまうわけです。

ドンペリ、正確にはドン・ペリニヨンはモエのシャンパンの最高級品ですから、一番安く買えたとしても10000円以下と言うことはない。

さてさて、実際近所の酒屋さんに行ってみると・・・15000円でした。箱に入っていると17000円だって。いろいろと事情があって、買わないわけにいかないので、当然箱無しで。

いつも発泡酒350mlで120円くらいしか飲まないので、かなりの気合いがいりましたが、店員さんに「これちょうだい」というときは、ちょっと偉くなったみたいな錯覚に。でも、お金を払った後の財布を見て、一気に現実に引き戻されてしまいました。

2012年7月4日水曜日

Bill Evans / You MUst Believe in Spring


70年代のビル・エヴァンスは、実は人気にもかげりが見え始めていました。今から考えると嘘みたいですが、60年代にピアノ・トリオとして活躍しすぎたのか、聴く側からするとマンネリ感が出てきていたのでしょうか。

エヴァンス自信も、そういう気持ちからか方向性をやや見失っていたかのように、いろいろなことに手を出しています。例えば、エレクトリック・ビアノにてを出す。ビッグ・バンドとの競演。ベース、ハーモニカとのデュエット。トニー・ベネットの歌伴などなど、出てくるアルバムに統一感がありません。

過去の評価としては、いろいろなことにチャレンジしていく意欲があふれ続けている時期という見方も成立しますが、リアルタイムにはエヴァンスは何をやりたいんのだろうと疑問を感じることが当然あったわけです。

日本人は昔からピアノ・トリオが好きと言われていますから、日本での人気はそれほど悪くは無かったように思いますが、今では再評価によってそれぞれのアルバムには一定の成果が認められています。しかし、中山康樹も絶賛するように、この時期のベストとしてチョイスするなら死後に発表されたこれ。

このアルバムは、レコードで両面で30分強と短め。CD時代からすると、えらく短い感じがしますが、その中に凝縮された演奏のすばらしさ、完成度の高さは絶対的なものです。

一つ一つの曲の完成度もさることながら、アルバムとしての全体的な融合感は完璧で、このあたりはプロデューサーの力量も無視できません。

2012年7月3日火曜日

赤プリ

一世を風靡したのは赤坂プリンス、略して赤プリ。車では、真っ赤なプリウスのことを赤プリと言うわけで、これはその道ではよく知られたところ。

一番右は30型マイナーチェンジ前のノーマル・プリウス。フロントグリルが、中央のエンブレムで左右に分かれているのが特徴。それとフォグランプは、縦長のターンライトの下に組み合わさっています。

中央は、いたってノーマルなプリウスα。一見してプリウスファミリーであることが感じ取れるフロントフェースですが、フロントグリルがメッキガーニッシュとなって、強調されているんですね。 フォグはターンライトから独立しています。

さてさて、一番右がうちの赤プリαです。最初にわかるのは、エンブレムの違い。トヨタマークはゴールドで、バックのグラデュエーションも青から赤に変えてあります。

まぁ、それだけって言えばそれまでのことではありますが、ちょっとボディカラーにこだわった変更ということで、ご理解ください。さらによ~く見ると、いくつか違いがあるんですが、わかりますか。

ターンライトのランプが中央は黄色なんですが、うちのは白。これはTRDのオプションで、ディーラーの担当者によると、かなりの頻度で選ばれているそうです。

もう一つ、ヘッドランプの形状もちょっと違う。中央はノーマルのハロゲン、うちのはLEDなんですね。ですから、ヘッドランプの下に小さい平行四辺形のヘッドランプ・ウォッシャーがついているというわけ。

そんな自慢にもならないようなことをうでうで言ってもしょぅがありませんが、少なくともノーマル・プリウスよりは赤がきれいな感じがしませんか。ノーマルの方がベタな赤って感じがします。αの赤はメタリックで、ちょっと深みのある色なんです。

というわけで、特に何のオチもない、赤プリのご紹介でした。

2012年7月2日月曜日

節電の夏 2012

2012年もあっという間に半分駆け抜け、本格的なサマー・シーズンの到来です。

昨年は大震災以後、電力供給不足が続き夏の暑さによるエアコンの使用などを制限。うちのクリニックの地区では計画停電は無かったものの、供給リミットを越えて突然の停電が起こる可能性を心配しなくてはいけませんでした。

クリニックはエネルギーとしては100%電気に頼っていますので、停電の時はできることはほんとにわずかで、実質的には休診にするしかなくなります。

さて、今年は・・・今のところ関東は最初から計画停電などの話は出ていないわけですが、どんどん電気を使いたい放題というわけではありません。

昨年以来、照明は少なめを続けていますが、慣れたせいか特に暗いという感じはしません。あらためて、元々が灯りを使いすぎていたのだろうと思います。

ただし、暑さはなかなか大変です。クリニックのエアコンは設置している場所などの関係から、冷房効率が良いとは言えず、以前は25度の設定でもあまり涼しさを感じないスペースがありました。

昨年は設定温度を27度として、4台のファンを用意、待合室にはうちわを置いて乗り切りました。今年は、さらに部分的に活躍できる小さめのファンを2台追加しました。涼しげなミント系のアロマを併用できるので、少しでも快適さを増やせるかと期待しています。

いずれにしても、水力発電はダム建設問題、火力発電はオイル問題、そして原子力発電は・・・安全に潤沢に使用できるエネルギーはありません。昨年は、国民が一丸となってエネルギー不足を乗り切ったのですから、その時の気持ちを忘れずにできるところで節電をしていきたいと思います。

自分は、積極的な原発に対する反対運動は行いませんが、無くても何とかなるという姿勢を維持していく事は大変重要でしょう。その分、クリニックにお出でになった方には、多少の不便をおかけしますが、ご協力くださいますようお願いします。

クリニックの夏休みは8月13日~18日を臨時休診とします。お盆の週が、1週間丸々休みになりますのでご注意ください。

2012年7月1日日曜日

Bill Evans / California Here I Come


どうもビル・エヴァンスについて何か書こうとすると、いい言葉が思いつかないというか、なんて表現して良いか悩んでしまうわけです。一般的にエヴァンスの演奏は「繊細でリリカル」というような表現が使われ、絶えず周りに「死の雰囲気」をまとった哲学的な側面を臭わせていたりするから、よけいにややこしい。

ジャズ評論家の寺島靖国のエヴァンスについての文章に、「そうそう、まさにそんなんだよね」と膝をポンっと叩きたくなるところがあったので、ちょっと長くなるけど引用してみたいと思います。

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・・・僕もそうですが、まず最初に、曲のことを口にするのが恥ずかしいという意識がある。男一匹、演奏技術のことでひとくさりいわないと、ジャズがわかっていないんじゃないかとというふうに見られるんじゃないかという心配があります。それはやはり、「ジャズに名曲なし、名演奏あるのみ」という、昔たてられて亡霊的な言い伝えというか建前が未だに尾を引いていて、曲というのは演奏の素材であるという見方が大半を占めているからでしょう。

・・・僕は正直言って、最初にエヴァンスを耳にしたときは本当にわからなかった。たぶん、極端に言うとメロディが素直に入り込んでこなかったと思うんです。漠然としているんですね。・・・最初は理解しにくいけれど、じわじわとよさがしみ出てくる。そうなるともうエヴァンスから離れられなくなる。そう思わせたのは、やはりエヴァンスの知性です。エヴァンスを聴くと、自分がインテリになったような気がするんですよ。心地よい難解さというか、いつか自分の血になり肉になるという予感がある。

・・・たとえば、ウィントン・ケリーのレコードをかけたあとは、何となく猥雑になるんですよ。そのあとにエヴァンスをかけると、急に空気が澄んでくるというか、すごくインテレクチュアルな、ハイグレードな雰囲気になってる。そういう「エヴァンス効果」って絶対にあるんですよ。

・・・メロディを見え隠れさせて、メロディそのものを昇華させていくという、そういう表現手法ですね。テーマとアドリブなんていうことは、エヴァンスは特に意識していないと思うんです。とにかくエヴァンス的に美しいメロディを表出すると言うこと。そこがまたエヴァンスの魅力で、隠れていてわからない部分があって、それを解明したいという気持ちが出てくるんです。

(1989「ビル・エヴァンス/あなたと夜と音楽と」より)
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寺島氏はもとはジャズ喫茶の店主で、まさにジャズ・ファンの代表選手みたいな人ですから、これがまさに一般のエヴァンス好きの言葉にならない気持ちを代弁していると思います。このあたりは、もともと職業的ジャズ・ファンの中山康樹とは一線を画するところ。

そんな気持ちを整理した上で、あらためてビル・エヴァンスを聴いてみると、寺山氏の言うようにまた新たな面をいろいろ見つけることができるんですね。

60年代後半の名盤としては"Trio '65"が一般的にはあげられることが多いようですが、あえて別のものを探してみると、タイトルにあげたアルバムが浮上してます。

1967年のヴィレッジ・バンガードでのライブ。後から、同時に演奏された大量の録音が登場していますが、その中からベストといえる15曲が収録されています。

もともとエヴァンスをスターにしたのは、1961年のヴィレッジ・バンガードでのライブ。エヴァンスにとっては、ホームグラウンドと言える場所で、生涯を通じて度々出演し、ライブ録音も大量に残されています。

1967年のライブでは、ベースはエディ・ゴメスですが、ドラムがフィーリー・ジョー・ジョーンズでややリズムが元気良すぎというところもありますが、それがまたエヴァンスを盛り立てていつになく張り切っている感じがします。マイルスのブラックホーク盤のような、比較的わかりやすいのりのりのジャズをエヴァンスで楽しむのにはもってこい。