2012年8月17日金曜日

Jozsef Eotvos / Goldberg Variations

J.S.BACH・・・と軽々しく呼び捨てにしていますが、実際300年も前の偉人ですから、本来相当な敬意をもって接する必要があるわけです。ところが、勝手に呼び捨てにできてしまうというのも、直接お会いしたことがない気楽さというか、本当の凄さをまだまだ知らない無知の強みと言うか・・・

そんなバッハ大先生の作った音楽は膨大な量が残されていますが、特にゴールドベルグ変奏曲については、クラシック音楽界すべての名曲ベスト10には間違いなく顔を出そうという超有名曲。

世の中にはこの変奏曲にはまりきってしまい、古今東西の演奏を集めて喜んでいる人が数多く存在します。自分も小学生の頃以来、ほとんど聴いていなかったクラシック音楽を再び聴くようになったきっかけがゴールドベルグ変奏曲であり、その演奏者であったグレン・グールドはある種アイドル的な存在になっています。

クラシック音楽の場合、原則として楽譜通りに演奏するわけで、演奏者による違いはそれほど多くはありません。ただし、いろいろ聴いていくと演奏者の解釈の仕方によってテンポや強弱、あるいは装飾音の違いなどがあって、演奏に個性があるところが面白くなってくる。

ゴールドベルグ変奏曲の場合も、同じピアノの演奏でもグールドのものとケンプのものでは、一瞬同じ曲か? と耳を疑いたくなるくらい違う印象をうけたりするのです。

さらにこの変奏曲の面白さは、もともと楽器の指定がなくいろいろな演奏家がいろいろな楽器で演奏しているところにあります。今までにこのブログでもオルガン版ハープ版を紹介しています。楽器が変わると、全体の雰囲気が変わっていろいろと聴く楽しみが深まっていくわけです。

今回紹介するのは、自らの編曲によるギターでの演奏。ハンガリーのギタリストで自主制作版(?)CDをいくつかだしているのですが、正直言って正確な名前の呼び方がわかりません。
Jozsefはジョセフかヨーゼフでしょうが、Eotvosはエオトヴォスでしょぅか。eとかtを発音しないことがよくあるので、最短でオーボスかもしれません(ヨージェフ・エトヴェシュが正解?)。

知ったきっかけはYouTube自身のサイトではCDあるいはMP3を購入することができます。 最大で一度に10声を出せる両手で弾くピアノでも難曲といわれるこの曲を、ギター1本で聴かせるというのは並大抵のことではありません。必要な音を絞って、かつ音楽の厚みを損なわない編曲が素晴らしい。そして、それを弾ききる演奏力がすごい。

鍵盤楽器以外のゴールドベルグ変奏曲の演奏としては、自分の中では一押しです。音楽ファン、特にクラシックのファンなら何が何でも聴いておくべき演奏のひとつに推薦したいと思います。