2012年10月11日木曜日

コンピュータウイルス

ウイルスというのは微小な病原体で、それ自体では増殖できず生物として生き残ることができません。他の生物の体内に侵入して、増殖を繰り返す過程で、さまざまな病原性を持つわけです。

コンピュータ・ウィルスというのは、生物ではなく単なるプログラムですから、もともとウイルスと呼ぶのはおかしいわけです。ただ、知らないうちにパソコンに入り込むところや、時に勝手にいろいろな挙動によってたいていパソコンのオーナーにとって不利益をもたらす点が似ています。

コンピュータウイルスの歴史は、そのままパソコンの歴史と重なるようです。当然、パソコンが一般化するのに合わせて、ウイルスの存在も知られるようになりました。

それでも80年代は、基本的にパソコンはスタンドアローンで使用されていて、ごく一部でパソコン通信という独立性通信回線を使用していただけでした。

しかし、80年代なかばにWindowsの普及とともにインターネットの利用が増えるにしたがって、不特定多数間の通信が拡大し、それととともウイルス被害が現実的な脅威になったわけです。

それでも、90年代はそれなりに気をつけて使用していれば、つまりいかにも怪しげなサイトを閲覧したりしないとたいてい問題を抱え込むことはありませんでした。

しかし2000年以降は急速に脅威がひろがり、しかも悪意があるにしても感染したパソコンが使用できなくなるなどの単なるいたずら程度のものから、パソコン内の情報を勝手に送信したり勝手に他のサイトに書き込みをするなど犯罪に進展する脅威を備えてきました。

さすがに、何らかのウイルス対策ソフトウェアに何がしかの投資をしないと安心してパソコンを使用できなくなったわけで、生活の中にどんどん必要性を増やしてきたパソコンのジレンマがありそうです。

薬も主作用と副作用が必ずあるものですが、主作用の強いものほど副作用の危険も大きくなるのが普通です。世の中にはベネフィットだけということはない、必ずリスクを伴うということをあらためて認識しておかないといけませんね。