2013年1月21日月曜日

勉強中

整形外科の扱う内容は、ここでも再三書いているのですが、なかなかわかりにくい。そもそも名称からして、形成外科とは何が違うか混同されやすいし、美容整形と完全に勘違いされてしまうことすらあります。

首から下全部で、内臓と皮膚表面の異常を除くすべてが整形外科の守備範囲。主として、手足と背骨に関する病気と外傷を扱うということです。

でも、神経や筋肉の問題についてはしばしば神経内科だったりする。自分で30年近くやっていても、このあたりは漠然としていてはっきりと明確なラインを引くのが困難だったりします。

頭は、中身は脳外科、あとは眼科だったり耳鼻科だったり、歯科・口腔外科が関係してきます。頭の中で、唯一関節と言えるのが顎関節。あごがはずれたというのは、しばしばある。脱臼ですから、整形外科医としては、そのくらいは治せないと恥ずかしい。

関節リウマチという病気についても、関節の痛みが最初の症状ですから、整形外科で初診することが一般的ですが、リウマチと判断できない整形外科医はかなりの数いると思います。一方、関節の痛みは加齢性変化によるケースが頻度としては最も多いのですが、内科のリウマチ医でこれをリウマチと判断してしまうことも少なくない。

確かに患者さんは、いったいどこにいけば一番適切なのかわかりにくいことったらありゃしない。根本的に××科という分け方に無理があるわけで、人間のからだは部位別に独立しているわけではありません。

本来は、あえて分けるなら機能別のほうがよいのかもしれません。そして、医者が駆使する治療術も、内科的なものも外科的なものも含めてすべての技術を網羅している事が理想的。

ただし、残念ながら、現代の医学はあまりに膨大になりすぎ、ひとりの医者が会得出来る知識の量をはるかに超えています。自分が学生の頃は、知っておくべきことは終戦直後の頃に比べて500倍の量とか言われていました。今はさらにその何十倍、あるいはそれ以上に膨れ上がっているのではないでしょぅか。

まあ、結局一生勉強続けないとしょうがないことだということですけどね。