2013年4月30日火曜日

小澤征爾さんと、音楽について話をする

今日はGW連休の間の平日。クリニックは、午前中は患者さんが多くて、10時ですでに1時間待ち。もう、開き直るしかない状況でした。天気が悪くなる予報だったせいもあるんでしょう。

さてさて、連休中にやりたこと・・・と言うほど大袈裟な事ではないのですが、一冊の本を買い込んだので、是非この1週間で読んでおきたい。

で、タイトルは「小澤征爾さんと、音楽について話をする」という長いもの。日本人マエストロとして、注目を集める小澤征爾との対談本で、聞き手は出す本が爆売れが続く村上春樹。

村上春樹氏は、今までもその著書の中に、豊富な音楽知識を盛り込んできました。冒頭に、この本の成り立ちが書かれていますが、ジャズとクラシックについては相当思い入れがあるようです。

村上氏とは、立場も違いますし、そもそも人間の大きさも比べ物にならないほどちっぽけではありますが、自分もまさにその通りという思いがあるので、勝手に村上氏とは友人になったような気がします。

昔から、小澤氏と面識があって、いろいろと話をしているうちに、是非書き留めておくべきことが多々あったということです。いきなり出てくるレナード・バーンスタインとグレン・グールドの逸話だけでも、クラシック・ファンには気持ちを鷲掴みされる。

ブラームスのピアノ協奏曲のプログラムで、ソロイストのグールドが通常よりかなりゆっくりのテンポをリクエストして、指揮者 のバーンスタインと確執が生じ、何と演奏の前に「これは私の好みではなく、あくまでもグールドの音楽」という内容の前代未聞のアナウンスをしました。

小澤氏は、当時バーンスタインのアシスタント指揮者で、その場に居合わせたということです。その裏話的なところは、是非詳しく聞きたいというのは、村上氏だけではなく、自分も同じ。

それと、ふだんは独奏曲か、少人数編成の室内楽が好きで、オーケストラ物はあまり好きではない自分ですが、指揮者がどんなことを考えているのか知る事ができると、オーケストラを聞き込むためのきっかけになるかもしれないと思いました。

さらに、この本を読もうと思ったきっかけが、対談中に出てくるクラシック曲を網羅したCDが発売されたことです。この手の本は、音楽そのものが聞こえてくるだけで、楽しさが倍増することは間違いが無い。

もともと、クラシックをあまり聴かない人も、本とCDのセットを是非揃えてみてください。きっと、クラシックを好きになる一歩になることでしょぅ。

2013年4月29日月曜日

文化的GW

さすがに酒ばっかり飲んでいるわけにはいかない。

今日は、なんとひょんなことから国立劇場へ行ってきました。国立劇場というと、皇居のお堀に面していて、隣は最高裁判所というロケーション。

今まで、何気なく歌舞伎専門のように思っていたのですが、実はいろいろな古典芸能の会が開かれていたりするんてすね。落語だけは多少知識があるつもりで、その流れでその他の古典芸能についても、まったく知らないわけではない・・・と、思っていました。

今日の会は日本舞踊。これは、さすがにまったくわからない。花柳流の大きな会だったのですが、日舞には4つの流派があって、花柳流が最っも大きな組織だと初めて知りました。

しかも、見てびっくりしたのは、踊りというより、ほとんど一人歌舞伎と呼んだほうがぴったりという感じだったこと。ストーリーがあって、それに合わせて所作が決まっている。舞台の情景を作るために雪も降ってくるし、邦楽は長唄で、唄い手4人、三味線4人、鼓などで5人、拍子を打つ人がいたり、歌舞伎で言うところの黒子の役をする人もいます。

着物を引き抜いての速変わりもあり、特に3連続というのもあって、元々着ていた着物の重さはいったいどんだけ? と心配してしまいます。さぞかし、膝には負担がかかっているはずで、整形外科的にもそのハードさには驚愕物でした。

2013年4月28日日曜日

酒びたりGW

GWに突入しましたが、今日は昼間は久しぶりの庭いじり。猫の額ほどしかない地面に、半分は花、半分は野菜を植えてみました。

野菜は、絹さやとピーマン。あとはハーブで、ローズマリーとバジルです。まぁ、時々収穫できて役に立つそうなものばかりを選んでいます。

 そんなわけで、スコップ作業をしていたら、けっこう簡単に腰が辛くなってきた。日頃患者さんに、腹筋・背筋が弱ってますね、などと言っておきながら、この様は情けない。

夕方からは、近所の家に呼ばれてバーベキューならぬ、焼き鳥パーティ。ふだん、お話を聞くことがない仕事のことを聞けて楽しく飲んだくれてきました。

特に、自分以外3人の男性、いずれも外国への出張が多かったり、外国での居住経験があったりで、非常に狭い範囲でだけ生きている自分とは大違い。

なんでも外国のほうがいいとは言いませんが、外から日本を見るという事は、客観的に物事を見る点で大切な事。日本人と、他のアジア系の人々との違いなどの話は興味深かったです。

何だかんだで、ずいぶんと遅くまでワイワイやって、大変失礼しました。

2013年4月27日土曜日

Festa Piazza @ 潮見台

昨日がけっこうクリニックは混んで、きっと今日から巷ではGWですから、さぞかし人がいない・・・つまり、クリニックは閑と思ったら、意外に患者さんが多かった。こういう期待と現実のギャップは、実質的な労働量よりも肉体の疲労の蓄積に・・・

まぁ、そんな小難しいことを言ってもしょうがない。家族にはGWはどうするどうするとせっつかれ、何も思いつかないうちに、今日になってしまいました。

せっかくですから、せめて日頃行けないようなお店で、ちょっと贅沢なディナーでもと思ったのですが、思いつくところはどこも満席。そりゃそうでしょう。みんな考える事は一緒。

そんなわけで、近場でというわけではないのですが、以前に一度紹介した事がある尻手黒川道路沿いにあるイタリアンのFesta Piazaに行きました。

前回美味しかった子羊のグリルはメニューから無くなっていた(?)ようで、ちょっと残念。前菜には、ポテトとベーコン、トマト煮、サツマイモ・サラダ、シーフード・マリネの4種盛り。シーザースサラダはドレッシングがちょうどよい。


 子羊のかわりは黒豚のソテーにしましたが、豚肉の味がしっかりしていて美味しかったですが、一番今夜のメニューで、楽しかったのは渡り蟹のパスタ。よくあるクリームパスタではなく、トマトソースです。

まず、蟹がどーんと鎮座した盛り付けは、なかなかインパクトがあります。クリームのまろやかさではなく、トマトの酸味をきかせて、より攻撃的な味わいは、盛り付けとマッチしてます。

ワインを1本丸々頂いてしまい、ややほろ酔いで帰ってきました。

2013年4月26日金曜日

日向夏

もともと自分の知っている柑橘系の果物というと・・・う~ん、結局みかんと夏みかん、そしてカリフォルニアから入ってくるレモンとオレンジの4種類。

みかんは冬の定番で、正月ともなると箱を抱えてこたつに入ってなんていうのはよくやることでした。夏みかんは酸っぱいので、砂糖をかけて。オレンジは高級品で、めったに口に出来ません。レモンはどちらかというと、味をかえるためのもので、そのまま食べません。

今は、もうわけがわからないほど種類が増えて・・・いったい、いくつくらいあるんでしょぅか。

ゆず、だいだい、カボス、すだち、シークワサー、たんかん、伊予柑、デコポン、ポンカン、はっさく、グレープフルーツ・・・などなど、スーパーに並ぶ柑橘系果実は、もうたくさんありすぎて、とても覚えきれません。

今回は日向夏(ひゅうがなつ)というのを頂きまして、浅学で実はこれは知らなかった。1820年に宮崎県で偶然発見されたのだそうで、人工的に交配して作ったものではないようです。

なんでも、ゆずの突然変異と考えられていて、今ではあちこちで栽培していて、ニューサマーオレンジという名称でも売られているようです。

独特の酸味で、グレープフルーツに近い感じでしょぅか。熱くなって汗をかく頃には、ちょうど似合うような味わいです。ただし、食べごろは5月~6月だそうで、初夏を代表する柑橘の一つと言えそうです。

2013年4月25日木曜日

もろこしうどん

秘密のケンミンショーでやってた。

愛媛県岡崎市で、ふつうのメニューだそうで。

なかなか美味しそう。

けっこう簡単そう。

早速、試してみた(スープだけ)。

うどんのつゆ、あごだしに醤油と砂糖を少々。

ここまでは、普通。

ここに、缶詰のスイートコーンを入れる。

片栗粉でとろみ。

仕上げに、溶き卵。

完成。

で、味は...なるほど、悪くない。

コーンの甘さが加わって、 いい感じ。

そうだ、ブログに・・・と思った。

でも、ほとんど食べた後だった。

2013年4月24日水曜日

くまモン

なんか、ちょっとクリニック内で話題になっているのが・・・くまモン。

くまモンは、言わずと知れた熊本県の公式ゆるキャラ。最近ブームの地方の宣伝、活性化という目的で、様々なゆるいキャラクターが出てきますが、その中でも群を抜いて全国区的に有名。

まぁ、確かに害のない顔で、いかにもとぼけた感じが、まさにゆるい。 ほのぼのとしたところは癒し系というところでしょぅか。

アマゾンで検索してみると、キャラクターグッズの数はすごい量で、いろいろなゆるキャラの中ではダントツなんではないかと思います。

これは、人気があるから増えたのか、それともグッズが増えたから人気なのか、どちらかというと熊本県の努力が関係していそうです。なにしろ、くまモンまキャラクターは熊本県が商標として登録しているわけですが、熊本県のイメージアップにつながるものへの使用については無料としています。

どんどん使われれば人気も出るし、人気が出ればさらに使われるというわけで、なかなか活気を呈しているわけです。比較的簡単なデザインですから、ちょっと変えるだけで色々な表情のやしぐさの変化もつけられる。このちょっとした変化を探すのも楽しいわけで、ファンにはたまらないところらしい。

昔、「町おこし」というのが流行って、国の予算が何だかばらまかれたりしたことがありましたが、昨今のゆるキャラは、現実的な町おこしとして大活躍といえるので、ますますくまモンにもがんばってもらいたい感じです。

2013年4月23日火曜日

リウマチ講演会 @ 横浜

横浜の駅近に行くのは、久しぶりです。開業医向けの会では、しばしば使われるキャメロットジャパンで、リウマチ講演会というのは、自分は初めてでした。

今夜の講演は内服薬についてで、最近は何かというと生物学的製剤の話ばかりなので、ちょっと新鮮でした。実は、講演する先生が女子医でお世話になった方で、数年前に退職された教授だったのです。お会いするのは2年ぶりくらいでしょうか。

リウマチ治療では、どうしても生物学的製剤が強力な効果を発揮するので、可能であれば使いたいと考えがちです。しかし、値段が高い−−−毎月4万円くらい必要ですから、おいそれとは使えないという方は少なくありません。また、使いたくても副作用の心配がある方や、使ったけど効果がでないということもあります。

そういう色々な状況を考えると、寛解という目標に向けて治療の計画を考える事が当たり前となってきた最近であっても、従来の物も含めて、内服薬もうまく使いこなせることは、大変重要なことなのです。

実際、うちのクリニックでも内服薬だけの患者さんと生物学的製剤を使っている患者さんじゃ、半々くらいで、特に最もよく使うメソトレキサートの増量が可能になってからは、ますます内服薬の重要性が増しました。

最近気になっているのは、若い先生、特に10年目くらいまでの医者は、自分が医者になった時に、すでに生物学的製剤が存在していて、さんざんその絶大な効果を聞かされて育っています。彼らは内服薬をうまく使うと言う事を知っているのでしょうか。

実際、たまたま他のことで大きな病院にかかった患者さんが、せっかくだからとリウマチ科に回され、そこで生物学的製剤を勧められて帰ってきました。ところが、その患者さんは内服薬だけで、自覚症状はほぼ消失し、血液検査でもほとんど炎症が出ないくらいになっているのです。

生物学的製剤を使ってはいけないとは言いませんが、使うだけの必然性は少なくともありません。その先生は若い10年前後の医者だったようで、おそらく自分で内服薬による治療を実践した経験はほとんどないのかもしれません。

整形外科でも、若いうちは何でも手術をしたくて、しなくても治せる骨折も手術をしたりすることはよくあることです。本当に誰のための医療を行うのか、よく考えてみないといけません。よく言われることですが、自分の家族にできない治療を患者さんにしてはいけません。

とにかく、あらためて治療の色々な選択肢をしっかりと患者さんに提示できるように、勉強を続けないといけないと思った講演会だったというわけです。

2013年4月22日月曜日

GODIVA

いつからでしょぅか、日本にゴジバというブランドが定着したのは。最初に聞いたときは、ゴジラの親戚か何かと思ったり・・・はしませんが、やっぱり、2月のバレンタイン・デイがらみでしょうか。

だいたいアメリカのやたらと甘いチョコに比べて、ヨーロッパのチョコは「大人の味」っていう感じがします。甘さ控えめだからでしょぅか。いわゆるビターチョコとも違う、ミルクの質に秘密があるのかよくわかりません。

なんにしても、高価であることは間違いなく、自分で食べるために買うことはありません。ほぼ100%頂き物であるわけで、たまにひょんなことから手に入ると、何か嬉しくなるわけです。

2013年4月21日日曜日

愛と追憶の日々 (1983)

最近、巷では泣き男子というのが流行っている(?)らしく、人前で平気で泣く男性にいろいろな意見が出されているようです。まぁ、男は簡単に泣くものではないみたいな、堅苦しいことは前時代的な発想でもありますし、泣きたいときには泣けばいい・・・

映画にも泣ける映画というのがあるわけで、昔だとたいていそういう7映画は悲恋物だったりして、女性は泣いても男が泣くことはなさそうです。最近では「タイタニック」あたりが代表昨でしょうか。

そういう路線とは別に、70年代くらいから感動のヒューマン・ドラマというようなものも、続々と出てきました。この手の映画は、男女の区別無く誰が見ても感動するようなっていて、当然いろいろな賞の候補にもなりやすい。

スピルバーグあたりは、そのあたりがややわざとらしくて、いかにも賞を取りに行きましたと言わんばかりの作品が軒並み連ねて鼻につくのですが、実際にアカデミー賞作品の中に、これは誰もが一度は見るべきだと思える作品は少なくありません。

シャリー・マクレーンは、ちょっとはすっぱな感じ・・・いわゆるコケティッシュと言うんでしょうか、積極的に名優と呼ばれることがなかった女優さんでしたが、1977年の「愛と喝采の日々」は、アン・バンクロフトとの競演で、女同士の友情を見事にハーバート・ロス監督で演じました。

ところが、アカデミー賞でも多くの部門にノミネートされ、受賞の最右翼だったのですが、ふたを開けるとウッディ・アレンの「アニー・ホール」にやられてしまい、無冠で終わったのです。

しかし、マクレーンはここから演技派として成熟した本当の女優になったというと大げさですが、その花を大きく咲かせたのが1983年の「愛と追憶の日々」でした。

タイトルは、明らかに二匹目のどじょうを狙った、日本の配給会社の作戦でしょうが、でも内容はほぼタイトル通り。実際は、愛の裏返しとしての憎しみもあったりします。仲の良い母娘が、娘の結婚を機に離れて暮らす。娘は結婚の夢に破れ、そして病気で子供たちを残して若くして亡くなる。簡単に書いてしまえば、これだけのあらすじなのです。

しかし、30年間にわたる普通の一家の、いろいろなエピソードの積み重ねの中に、誰もがどこかで自分を重ねていくのです。そして、様々な感情がぶつかり合って、最後に本当にわかり合える。でも、そのときには、若い娘の方に寿命が残っていないというあまりに過酷な運命。

この臨終のシーンで泣けないわけがない。「愛と青春の旅立ち」でブレイクしたデブラ・ウィンガーが、死んでいく娘役で、これもまたいい。親が子を思う気持ち、そして子が親を思う気持ちの両方が見事に凝縮し、さりげない演出が涙を誘います。

アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞、主演女優賞の他に、ずっとシャーリー・マクレーンを支えていたジャック・ニコルソンが助演男優賞も獲得しました。

涙を誰かに見られても恥ずかしくない一本として、是非お勧めしたい映画です。

2013年4月20日土曜日

アンドロメダ... (1971)

70年代半ば以降、つまりスター・ウォーズが登場してからのSF映画は、特殊効果が主役となり人間は、どうも二の次になってしまった感がありました。

それ以前は、現実離れした世界を描くのに使われたのは、極めてアナログ色の強いテクニックで、例えばレイ・ハリー・ハウゼンのようにストップ・モーション・アニメなどはその代表的な手法でした。

日本では、何と言っても円谷英二の着ぐるみの怪獣と精巧なミニチュアが有名。

フラッシュ・ゴードンやバーバレラのような、エロチックSFでは、やたらのサイケ調のコスチュームやセットで非現実を強調していたものですが、これらは宇宙とか未来と言った体験できないものが前提であり、観客はまったくの別世界の話として楽しむことができるのです。

ところが、キューブリックの「2001年宇宙の旅」は、通常一般人が体験することのない世界を描いているにもかかわらず、過去から近未来までをつなぐこと、そしてあまりに当時としてはリアルな宇宙の世界を見せつけることで、観客にも擬似的な体験をさせたものでした。

そういうSF映画の中でも、人間が主役であり、そして観客はその世界を現実にも起こりうるものとして体験できた映画の一つとして「アンドロメダ...」は、隠れた名作だろうと思っているのです。

何しろ監督は名匠ロバート・ワイズ。ところが、登場する俳優はあまり有名な人はいないわけで、このあたりから人気俳優を意図的に避けて現実感を出そうという作戦かと。

時は現代、アメリカの小さい町が全滅するところから始まります。調査に参加した医師が、まるで宇宙服のような隔離服で町の中に入ってく所から、すでに見ている側はドギドキ しっぱなし。

宇宙から帰還した探査船に付着していた病原体が原因と推定されて、こういう時のために密かに作られていた秘密研究所に病原体を持ち込んで、調査と対処法の検討をすることになります。

この生物学研究所の構造がかっこいい。まさに、こんな時にはこういう研究所が必要なんだと納得してしまいます。入るための手順の複雑さ、また中でもレベルが上がるたびにより厳重な検疫体制があったりする。

そもそも主役の男性医師が、専門外にもかかわらずその研究所にいることの説明がすばらしい。オッドマン仮説というのがあって、重大な決断をするときに部外者の独身男性が良い結果をだすというもので、実はこれもまったくの作り話。


最終的には、所内で感染が発生し核爆発で食い止めるしかないということになって、物語は一気に緊張を増していくわけですが・・・とにかく、SF映画ではありますが、現実にも、特にこの映画から40年以上たった現代ではなおさら、そんなことが世界のどこかで起こっていそうな感じで、なかなか社会派的な映画としてもよく出来ているかと思います。

2013年4月19日金曜日

石窯工房 ベルベ @ 中央林間

どこの街にも、いろいろとこだわりの人気店というものがあるもので、自分のブログにもしばしば登場するのがパン屋さん。

やはり、手作りパンというのは、それだけで何か美味しい雰囲気が漂っているもので、焼き立てともなると普段家で食べれない味としてそそられます。

東急田園都市線の終点は、中央林間。 だいぶ田舎かと思うと、そうでもない。小田急江ノ島線との乗り換えもでき、渋谷方面でのショッピングと江ノ島・鎌倉方面への文化的散策も簡単にできる。

街としても、大きすぎず小さすぎず、ちょうどいい。こういうところに居を構えるというのも、なかなか賢い選択です。周りにたくさんの駅があるのですが、どこまでも3キロ以上みたいな中途半端な場所に住んでいる自分としては、うらやましい限りです。

そういう街で人気なのが、ベルベというパン屋さん。相模原地区中心に多くの店舗を持つチェーン店ですが、石窯焼きというのを売りにしていて、それぞれの地域で人気があるようです。

中央林間では、駅から数分のところで、ログハウス風のゆったりとしたお店があって、お客さんで賑わっています。美味しさは、実際に住んでいる人や、実家が近くにある知人も認めるところなので間違いない。

面白いのは、300円以上買うと - たいていそれ以上買うでしょうが、コーヒーが無料でいただける。焼き立てパンを買って、コーヒーももらって、すぐ横で食べたり出来るというのが嬉しいわけです。

2013年4月18日木曜日

ラベンダー

ラベンダーといえば・・・

だいたい、北海道の富良野の広大な大地に広がる、紫色の絨毯のようなラベンダーの密生を思い浮かべるもの。

寒い土地でないと、なかなか育たないように思い込んでいたのですが、実は横浜あたりでもほとんど問題なくいけるんですよね。うちの狭い庭でも、一度地植えしたことがあるのですが、逆に大きくなりすぎて困った事があります。

一年草じゃないですから、数年で下のほうは木化して、丈も1mを超えてくる。まじめにガーデニングしていないと、かなり収拾の付かない事になって大変で、結局処分した事があります。

でも、こういう春先の薄紫色の花は、嫌いじゃない。また、機会があれば紫色の群生を作ってみたいと密かに思っているのですが、なかなか難しいかな。

でもって、ラベンダーといえば・・・もうひとつ。

自分たちの世代では、「時をかける少女」でしょう。最初にこのタイトルを知ったのは、NHKの連続ドラマ、そして原田知世主演の映画です。その後も、多くの映像化が最近まで行われているので、若い人にもわかると思います。

ラベンダーの香りで時間を越えていくというのが、強烈に印象に残りました。何か神秘的なイメージができて、より不思議な興味が湧いてくるようになったのです。

2013年4月17日水曜日

最近の政権往来

巷ではアベノミクスで好景気・・・と言われているのは、大企業だけなのでしょぅか。現与党と前与党の違いの一つが、その辺にありそうな感じがするんですが。

現与党は、戦後社会を牛耳ってきて、大企業を育て上げて線ゴマ基礎を作った事は誰にも否定できません。その弊害として、大きくなった大企業を守っていく路線が強すぎて、格差を作った事も間違いないでしょう。

前与党は、なにしろ人民を主として束ねていこうという主旨だった? はずですが、もっと市民の側にたった考え方が支持されて政権を取ったはずなんですが・・・だいたい、もともと現与党から流れた人がほとんど。

政治手法も、ほとんど変わる事はなく、大きく政治を変えることはまったくできなかった。日本人は全体としては保守的な民族で、大きな変更にはついていきにくいのかもしれませんが、結局「公約」とされたことをことごとく変更した事で、存在感をどんどん薄くしてしまいました。

結局、元の鞘に収まった政局ですが、その親分として登場したのが、死んだはずのゾンビ総理。以前に、一度総理に就任しながら、まったくの放り出し。それが、健康問題だったとしても、一国の総理大臣として無責任の極み。

それなりの根回しの中で、落とし前をつけたからすんなり総理に再就任できたのでしょうが、それはあくまで政治家の中だけの話。一般市民に対しては、ちゃんとした説明とかあったんでしょうか。自分は、期待したいところもあるのですが、そこだけがどうしてもひっかかる。

景気をよくするためのアベノミクスは、単純化して考えると、大企業を優遇してお金を増やすと給料が上がって市民も潤うというもの。まさに昔の政治手法であり、そのために物価が上がって市民の生活は苦しくなる。

そこを耐えられるだけのものがあればいいですが、誰もが上昇気流に乗れた高度経済成長期と違うのが現代。誰のための政治かというところが、置去りになっているような感じがしなくもない。

かと言って、どんどん国民を失望させ、また人材が流出し自壊進行中の前与党には、もう何も期待できないでしょう。前回選挙で話題になった第三極という方々も、こちらには妖怪がトップにいるだけに怖くて近づけません。

2013年4月16日火曜日

決算検討

昨日は、クリニックの会計士の方と定例の打ち合わせ・・・と、言っても、毎月成績をチェックされているみたいなもので、けっこう緊張することばかり。

しかも、医療法人としての決算月を5月にしたため、決算に向けての1年間の成績発表もあって、税理事務所の親分も一緒に来ていただき、こちらもより何を言われるのか、(ちょっとだけ)ビクビクものでした。

開業前の予定では・・・だいたいいい事ばかり考えているもので、1年間で赤字から黒字への転換があり、2年で十分な収入があるなんて、まぁ夢のような話を信じてしまうもので、それはあくまでも最良の話。

実際には、そんな簡単なことはなく、先輩開業医から「形になるのに3年」とかいわれていた通りか、それ以上でした。5年くらいで、やっと余裕が出てきて、それと同時に自分も一杯一杯になってきた感がでてきました。

そんなにいつまでも右肩上がりに成績が上がり続けるわけもなく、この1年間はむしろ前期よりも低下気味。税理士さんからは、それなりの理由がはっきりしているので何も言われませんでしたが、あまり喜ぶべき状態ではないことは明らかです。

黒字なら、治療のための高額な機器を増やしたりしたいと思っていましたが、来期はあまりお金を使う事はできなさそうです。もっとも、集患を増やすためには何らかの投資は必要です。ただし、そういう拡大路線は、始めると止まれなくなるし、経営的手腕がより重要になっていきます。

一人一人の患者さんとの医療実践で満足している自分は、どうも経営者としてはあまりパッとしないという自覚がありますので、今のところ拡大路線に走る才覚も覚悟もありません。

まぁ、当面は税理士さんをガッカリさせない程度に増収できるにこしたことはないのですが、しっかりと自分の診療を行える体制を維持していく事を目標にがんばるしかないようです。

2013年4月15日月曜日

リウマチ新薬で異例の対応

3週間くらい前に、関節リウマチの新薬として5月ごろに発売が予想されている新薬について紹介しました。それはファイザー薬品のトファチシニブで、ゼルヤンツという名前で登場する事になっています。

関節リウマチの治療を激変させた生物学的製剤は、これまで登場したものは点滴または皮下注射で投与します。しかし、トファチシニブは、初めての内服薬ということで、より使用方法が簡便になることが画期的と言えます。

また、今までの製剤が細胞外での作用であったのに対して、細胞内での作用機序というのも初めてのことで、どうしても従来の薬で効果が少ない患者さんにとっても期待が膨らむことになります。

ただし、治験の段階から言われていた事ですが、この新薬については副作用の問題が今までの生物学的製剤より指摘されています。日本リウマチ学会は、今月はじめHPトップにこの点を掲載しました。

これは異例の対応ということが言えそうで、学会がより慎重な使用の注意を喚起しているというのは、医師だけでなく患者さんにも対してのメッセージということでしょぅか。

主な趣旨は以下のようにまとめられます。

日本リウマチ学会からファイザー製薬に対する要望
1. アメリカでは高い効果により5mg/日が認可されたが、安全性未確認にため10mg/日は非認可
2. 使用する時間依存的に副作用か増えている
3. 使用する用量依存的に副作用が増えている

4. 経口薬のため安易にしようされる可能性がある

ファイザー製薬からの回答としては、これらのことは十分に認識にしており、十分に注意を喚起し、使用できる施設・医師ついてもそれなりの制限を加え、また発売後の全例調査についても長期間を行う事としています。

あまり曖昧なことを書くべきではないので、現段階ではこれ以上の情報の紹介はできませんが、確実に言える事は、薬を生かすも殺すも使う製薬会社と医師の考え方が大きく影響するということです。

過去に期待された関節リウマチの新薬であるにもかかわらず、製薬会社がほぼ捨ててしまいほとんど使用されていないものが存在します。これは大変もったいないことで、今回のトファチシニブもいろいろな点で期待される薬ですから、しっかりとした対応をしていくことが求められ、学会の対応もその点を考えてのことであろうと考えます。

患者さんの側も安易に期待するのではなく、しっかりとベネフィットとリスクの情報を吟味することが大切です。自分たちのようなリウマチを専門とする医者も、その情報をしっかりと伝えられるように努力したいと思っています。

2013年4月14日日曜日

海猿 BRAVE HEARTS (2012)

大人気のシリーズで、前作でおわったかと思ったら、まさかの映画第4作。去年の邦画の中では、「踊る大捜査線」最終作よりも多くの興行収入を獲得しました。

主人公の海上保安庁の潜水士も、ついに特別救助隊に入り、通常では困難な事故に挑みます。まぁ、相変わらず元気に猪突猛進するところはかわりませんが、現実にはあり得ない感もさらにパワーアップ。

もっとも、そんなクールに突っ込んでいたら、この手の映画はとても観ていられません。まぁ、それなりにうまくできたCGで、海面に着水しようとするジャンボ機の迫力はまぁまぁ。

今回は、前作までの観客の気持ちを上司が代弁していて、とりあえずご都合主義的なところを反省して始まります。いままで、お前はがんばったが、結局自分が救助されていて「失敗」しているというのは、誰しも思っていたところ。

なんで、ジャンボ機が着水? というあたりの話のきっかけについては、あまり深く考えなくていいんでしょうね。そこに、親友の恋人がCAとして登場しているあたりも、話を作りすぎですが、まぁいいでしょう。

反省した成果は、主人公が危機に陥るのではなく、親友がかわりになっていて、結局展開はたいして変わりなし。恋人がプロポーズを断った理由が「私バツイチだから」というのにも、多少コケますが、まぁいいでしょう。

どっちにしても、よく話題になっているようにフジテレビ系の映画としては、原作者と喧嘩になって、海猿シリーズはこれ以上はなさそうです。フジテレビも、今までの人気ドラマを蒸し返して、何とか対応しようとあがていますからね。

週明けからは「ガリレオ」が始まり、夏の映画までもっていくようです。秋からは「リーガルハイ」の復活も決まりました。メディアミックス作戦は相変わらず続くようです。ただ、日本の映画の価値を下げないようにしてもらえればと思うだけです。

★★★☆☆

2013年4月13日土曜日

八天堂 くりーむパン

評判の高いくりーむパンを食べる機会がありました。

冷蔵品ですし、なにしろ広島のお菓子ですから、関東ではいつでも手に入るわけではなく、売っているところも限られます。そういう希少価値のせいか、ますます口にする事は難しいようです。

クリームパンではなく「くりーむパン」と呼ぶところが、なんらかのこだわりがあるんでしょう。

たしかに全部クリームみたいな、皮とクリームの境がよくわからないような、不思議な食感です。甘さも控えめで、なかなかよろしい。女性に大受けするのも、無理はない。

2013年4月12日金曜日

表参道

表参道というのは、特定の固有名詞ではなく、どこかのお宮に正面から参拝するために整備された道のこと。日本中に表参道はいくらでもあるわけですが、何故かその中から東京都渋谷区の明治神宮の表参道だけが、突出して有名になりました。

わずか1キロちょっとの短いもので、一番東は青山通りと交差するところから始まり、ゆっくり下っていきます。下りきると、今度は明治通りと交差して、上り坂にかわり明治神宮の入り口に到着。片側ぎりぎり二車線で、例えばフランスのシャンゼリゼ通りなどに比べると長さ・太さ共にたいしたことはありません。

まぁ、気持ちはわからなくないのですが、誰が呼び出したのか「原宿シャンゼリゼ通り」などという名称が使われたりします。確かに、両側にファッション・ブランドの店が立ち並び、日本の若者の文化の集中するところは、雰囲気だけは似通っているかも。

昔・・・もう、昔話あるいは歴史になってきましたが、安保闘争というものがあって、石畳の味のある参道だったのですが、デモ隊が石をはがして投石に使ったということです。そのために、自動車道も歩道もただのアスファルトに変わってしまい、ずいぶんと味気のないものになったものです。

その次に、暴走族というのが登場して、表参道を大人数で走り回ったものです。この連中は、大きなクラクションを鳴らしっぱなしで、蛇行しながら何度も行ったり来たり、時間も朝でも昼でも夜中でもという迷惑千万な輩。取締りが厳しくなると、表参道からちょっと入ったところも通るようになり、まぁ住民には相当なストレスになっていました。

まぁ、だから何だという事もないのですが、そういう住民だった一人としては、そんな表参道の変遷にはいまだに多少の興味があるわけです。でも、今は時々通るだけで、もう他人の街という感が強くて、 わざわざ歩きたいとは思いませんね。

2013年4月11日木曜日

どうする? 大谷クン

今年のプロ野球の最大の話題・・・と言って、煽るからいかんのかもしれませんが、日本ハムの大型ルーキーの大谷クン。どうも、パッとしませんね。

もともと、大リーグしかないと青い決断を曲げようとせず、結局栗山監督の説得に応じて、日本ハム入り。ピッチャーとバッターの両方に磨きをかけて・・・

シーズン開幕して、まだ2週間ですから、まだまだ始まったばかり。少なくとも、最初から一軍にいるだけでも、高校卒業ルーキーとしては最高の滑り出しと言えます。それ以上のことを期待するほうが無茶ってもんです。

ただ、どうもピッチャーとしては力不足は誰の目にも明らかで、剛速球だけではさすがに野球を商売にしている中ではそれほどのものには思えない。

バッターとしても、どんなもんでしょうか。先日、楽天のマーくんからは、きっちりプロの洗礼を受けました。マーくんの今の成功は、一番で持ち上げられなかったところにあって、そこが「何、クソっ」という向上心にも火をつけたのでしょうか。

その時に一番だったのは・・・そう、斉藤くんですが、かつてのハンカチ王子としてチヤホヤされ、大学では大活躍して、今はプロ入りしています。が、あれっ、いましたっけ、と言う程度の活躍。どうも、イマイチという感じで・・・そう言えば、彼も日本ハムでしたっけ。

何にしても、投打の両方で活躍できる漫画のようなスパースターというのは、そんな簡単な話ではなく、もしも可能であれば初登場からそれなりのものを見せてくれるもの。とりあえず、とっちももったいないから、一軍で実践練習なんていうのは、その時点で無理がありそうです。

両方やっていくなら、まずはひたすら二軍だけ、一軍に出すならどっちかに絞って使っていくほうが確実に大谷クンの力を伸ばせるような感じがしますが、いかがでしょうか。

今頃、大リーグのスカウトたちは、せっかくの逸材が無駄な時間を費やして輝きを失っていくのではとぼやいているのかもしれません。メディアも、高校野球じゃないんだから、「ちょっと残念だったけど、がんばってますね」みたいな取り上げ方はやめましょうよ。

2013年4月10日水曜日

愛、アムール (2012)

今年のアカデミー賞で、外国映画であるにも関わらず5部門にノミネートされ、特に主演女優賞では史上最高齢ということが話題になった作品。フランス、オーストリア、ドイツの共同制作で、監督はミヒャエル・ハネケ。

アカデミー賞は残念ながら外国語映画賞だけの受賞でしたが、ハネケ監督は、この作品で2年連続のカンヌのパルムドールを受賞しました。

ストーリーは大変シンプル。パリに居住する音楽家の老夫婦、ジョルジュとアンヌ。アンヌは脳血管障害のために片麻痺となってしまい、ジョルジョは老老介護を始めます。しかし、病状はしだいに悪化し、アンヌは寝たきりで認知症が進行し、ジョルジョの苦悩が深まっていく。

映画では、老人の動きに合わせて、ゆっくりしたカメラワークで、全体にゆったりと丹念に話を追っていきます。普通の日常の中でありふれた、ストーリーとは一見無関係な会話も織り交ぜられ、日常から非日常へと変わっていく様子を描いていくのです。

妻の異変 ~ 介護生活 ~ 病状悪化 ~ 結末(ネタバレになるので書きません)と言う具合に、起承転結はあるのですが、ドラマチックに展開していくわけではなく、あえて抑えに抑えた演出により、より現実味が強調されているように思います。

それを「盛り上がりに欠ける」と感じる人もいるでしょぅが、映画としての価値を十二分に高める事に成功していると思います。もし、アメリカ映画だったら、同じ原作でより涙を誘うようなメロドラマを作るでしょうが、それと同時に「作り話」という印象も強くするでしょう。

ただし、テーマは老老介護の深刻な問題ではなく、年を取ってからの夫婦の絆 - 愛のかたちの一つを取り上げたものだと思います。伴侶が寝たきりになる事を、「長い間一緒にやってきたことに、ちょっとだけ新しいことが加わっただけ」と言わせながらも、そのちょっとの事が起こした波紋の大きさが痛切に迫ってきます。

一番の驚きは主演のエマニュエル・リヴァの演技です。実際に85歳という年齢で、しだいに自分を失って行く過程を熱演しており、医者の目から見てもそのリアルな演技に驚きを隠せません。

最初は大変エレガントな老女で、夫からも「今夜の君はきれいだよ」と言われても、何の違和感もありません。ところが、寝たきりになって行くと顔つきも変わってきて、本当にただの認知症のお年寄りに変貌していきます。

鬼気迫る演技とは、まさにこういうものではないでしょぅか。アカデミー賞はアメリカの賞であるので、主演女優賞にノミネートしただけでも褒めるべきかもしれません。ただ、話題が史上最高齢対史上最年少の対決みたいなところに持っていったメディアには一言いいたい。これだけの完成された演技と、(たまたまの)こどもの演技を比較することは老女優に対して失礼すぎる。

おまけとして、クラシック音楽ファンとしては、全編に使用されるのがアレッサンドロ・タローの弾くピアノで、特に最初のシューベルトの即興曲など楽しみが一杯。さらに、本人もそのままの焼く命で登場というところは注目です。

実質的にアカデミーの作品賞、主演女優賞を与えるにふさわしい作品はこれだと、とにかく一押ししたくなる映画でした。

★★★★★

2013年4月9日火曜日

ランチ

巷ではランチというのが、まぁ、なんと言うか、いわゆる・・・一つの文化みたいなことになっています。

高校生だったか、浪人中だったか、まぁ、その頃に、初めてランチというものを意識したと思うのですが、それはとにかく安いセットであって、おしゃれとか美味を追及するようなものではありませんでした。

30年近く前の話ですけど、その当時でも500円が一つのラインで、それ以上だと相当勇気が必要でした。何にしても、一つの皿に何でも乗っている・・・要するに、お店のほうでも後片付けが簡単という、美的にもチープ。

今も、ワンコインという言葉で500円のものがよく話題になりますが、ランチにもしばしば登場します。そう考えると、物価の上昇は高度経済成長の頃と比べて、ずいぶんと緩やかになった事を実感する一つという感じ。裏返すと、日本の経済成長の停滞の現れですから喜んでばかりはいられない。

ただ、話題になるランチはもっと高いものが多くて、世の中の奥様方はしばしば友人と「ランチする」ことを楽しんでいます。この場合は、けっこう数千円・・・ディナーと間違えているような値段のものもかなりあるようです。

自分の場合は、どうも、さすがにそんなに高価な昼ごはんを食べる気にならない。もっとも、ランチをする機会はほとんどないので、たまに外食するなら・・・とは思うのですが、一番多いのが近くのうどん。

きわめて稀なことですが、もうちょっと洒落た店に行く場合は、だいたい1000円という予算がポイントなんでしょうかね。このくらいの値段は、一応一般的なランチとしては標準価格だと思ってるのですが、いかがでしょぅか。


2013年4月8日月曜日

ふかひれあんかけチャーハン

何て言えばいいのか・・・とにかく、これはうまいです。

あんかけは、それほどかわったものではなく、見た目通りの想像できる味。これは普通に美味しいわけで、特にコメントするほどのことはない。

一応、目玉はふかひれということですが、何しろ1080円ですから。姿煮だったら、1万円以上するでしょうから、たいした量は使われていません。感激して涙を流すようなものではなく、あー確かにこれがふかひれだという程度。

問題は、チャーハン。大変シンプルで、使われているのは卵と米だけでしょうか。一見何の変哲もない、チャーハンなんですが、あんかけと一緒に口に入れてみると・・・なんでしょぅ、このまろやかな甘みのある何とも言えない味は。

そう、何か懐かしい・・・玉子かけご飯の味です。オマケ程度にのっかっているふかひれは、この際どうでもいい。あんかけ玉子チャーハンだけでも、十分に1000円の価値がある。

チャーハンを作った後に、おそらく生卵の黄身だけを、固めずに混ぜているのでしょぅか。これは、よくぞ思いついた大賞ものです・・・って、他にもあるかもしれませんが、とりあえず自分は初めての体験でした。

地元ではお馴染みの、鉄龍山のメニューでした。

2013年4月7日日曜日

医学辞書

今時ですから、辞書というのはもともとデジタル化コンテンツの先駆けみたいなもの。パソコンが一般に実用化されたごく最初から、英語辞書なんかはいろいろなものがデジタルで使われるようになりました。

自分も、そうですね、たぶん20年くらい前から紙の辞書を使わなくなったでしょうか。当然、辞書のソフトを入れてそれぞれのパソコンで利用していたわけですが、インターネットが普及してこのあたりもだいぶ変わってきました。

だいいち、ネット上の情報サイトが充は実していて、特にWikipediaとかは知りたい項目が見つからないほどです。各国語の辞書サイトも豊富にあり、自動翻訳だってお茶の子さいさい。もっとも、翻訳の精度は20年前と大して差はありませんから、あくまでも目安程度。

医学の勉強にも医学用語辞典というのは、一見不可欠のように思えて、学生のうちはだいたい欲しくなるものです。電子辞書については、カシオとかセイコーから、医学辞書も搭載したタイプが発売されています。

ところが、これがまた、べらぼうに高い。電子辞書では最高峰のセイコーのものは定価で10万円近くする。医学辞書だけなら、本で買えば高いものでも数万円以内でしょうから、いくらなんでもこれ買う人いるの? と疑問を感じます。

でも、ほぼ毎年のように新しくなって出てくるんですから、それなりの需要があるということなんでしょうかね。最新のものは、タッチパネル式になって、スマホ感覚で使えるみたいで、しかも無線LAN対応・・・って、LANにつないでどうするんだか。

ただ、自分の場合は紙の辞典でしたけど、結局使ったことはほとんどなかったんです。何かを調べるとしても、こういう辞典に書いてあることは最小限のことだけで、結局役に立たない。単に意味だけを調べるのは訳が違うので、教科書とかで調べないとほとんど意味が無いんですよね。

ですから、これは断言しますけど、英語の辞書は必須、医学の事典は場所ふさぎ。間違いない。枕にするには固いし、小さいし、使い回しはできません。今時ならネットをちゃんと利用すれば、医学事典程度のことは簡単に調べがつきます。

それより、しっかりと教科書を読みましょう。ネットではなく、文字をしっかり読んで、時には赤線を引いたり、走り書きをしたり、そんなアナログな勉強法には捨てがたい威力があるものです。

2013年4月6日土曜日

介護職員初任者研修

どうも天気予報はあてにならない・・・と言うと、いろいろ被害が出た地域の方には申し訳ないのですが、昼から台風並みという予報のせいが、午後は患者さんがぱったり。ところが、ちょっと雨、ちょっと風という程度で、どうも不完全燃焼の一日でした。

それはさておき、実は・・・まぁ、関係ない人にはどうでもいいことなんですが、施設や在宅で介護業務をするヘルパーって知ってます?

お年寄りのいろいろな世話をする仕事ですから、けっこう大変。基本的に肉体労働ですが、けっこう若い人が少ないので負担もありますね。

ヘルパーさんは、基本的には公的な試験があるわけではなく、いろいろなサービス団体がそれぞれ研修を行い、修了証を出すシステム。

これまでヘルパー2級というような呼称で検定が行われていて、自分もこの中の医学的知識についての何年か前から講習を担当していました。半年に一度なんですが、3時間の講義はけっこう喋り疲れるものでした。

ところが、今年度からこの仕組みが変更され、厚労省が設定した研修内容は「介護初任者研修」という名称に変わり、内容もより盛りだくさんになったんです。

受ける側は、相当大変だと思いますよ。それだけがんばって資格を取って、給料は・・・まだまだ介護関係は楽ではないようです。

陰で目立たないのですが、実は自分の担当も倍の量になりました。まじっすか?? 丸々一日使うんですか。えーっ、それって日曜日とか、全部ですよね。いやぁ、こりゃまいった。

だいたい、自分の専門外のところも含めて、たくさん説明することになり、しかも医療関係者では無い相手にわかるように話すというのは・・・けっこう激ムズなんです。

まぁ、とりあえずまだ2ヶ月あるので、レジメをまじめに作っていきたいと思います。まじめに作るというのは、ちゃんと資料を作るとそれが自分の勉強になるからなんです。

昔、学生の頃に一生懸命カンペを作ったものですが、一生懸命作れば作るほど覚えてしまいカンペが必要なくなるものでした。まぁ、同じではないでしょうが、ちゃんと頭に入っていないと、丸一日の講義はこなせません。

とりあえず、そろそろ準備を始めたいという決意表明みたいなものでした。

2013年4月5日金曜日

緊張と緩和

年度末・年度初めはいろいろと忙しくなるものですし、また天候もイマイチだったりして、今週は連日クリニックはゆるい日が続きます。明日は「台風並み」の天候と、さんざん天気予報でやってますから、さぞかし・・・

年がら年中だと、経営的にはやばい状況になります。でも、どんなことも緊張と緩和が大事なので、1年のうちにこういう週もあってもいい・・・んだと思って、おかげでレセプト作成(診療報酬の請求書作り)もスムースでよしとします。

緊張しすぎだと、空気が入りっぱなしの風船みたいなもので、いつか破裂してしまうのは必至。もちろん、緩和しっぱなしでは煮込みすぎたラーメン。

適度の緊張はやる気を引き出し、そのやる気は適切な緩和をところどころに盛り込む事で維持していけるものです。

最近、緊張に次ぐ緊張で、いったい何を考えているんだかわからないのが北朝鮮。米韓合同軍事演習以後、急速に「戦争状態」をあおるような発表を矢継ぎ早にしています。

一番疑問に感じるのは、現在の「最高指導者」とされている若造。彼は、外国に留学して外から客観的に自分の国を見ることができたでしょうし、現代の国際情勢というものもそれなりに理解できたはず。

にもかかわらず、父親のとってきた国際的に誰からも許容されない政治手法を踏襲しただけでなく、さらに強化していくような方法論に走り出している。もしも、本当に自分からやっているのなら、相当な世間知らずです。

多少なりとも、冷静な判断力を持つのであれば、逆に彼は傀儡であり、実は本当の実権を握っているものがいるということ。バカバカしいくらいの話ですが、例えば一昨年12月の金正日の死去というのが実は嘘ということだってありうる国かもしれません。

独裁者の末路というのは、今も昔もハッピーエンドということはなく、キム・ジョンイルもそうなる前に死んだ事にして、国内の不満を一掃しさらなる神格化を図る。そして、表向きには息子の一人をロボット化、陰に隠れた分よけいに過激な行動を起こしている。

とにかく、そんなことまで想像できる国というのは今時他にはないでしょう。徹底的に不安をあおっていく状況ですが、ある一定のラインを超えてしまうと、後戻りはできなくなることはわかっていてもらいたいものです。

もしも、本当にアメリカが戦争をする大義名分を与えるところまで行ってしまえば、国力的にはアメリカから瞬殺されてしまうのではないでしょぅか。その場合も、おそらく国際社会は積極的なアメリカへの非難は限定的でしょうしね。

ジョンウン君、よく考えましょうよ。若いし、経験もなく、虚勢をはりたくなるのはわかるけど、できないことはできない、知らないことはしらないと、ちゃんと言えることのほうがかっこいいものです。 緩和するポイントを間違えたら、ただのばか者になってしまいますからね。


2013年4月4日木曜日

アクア vs プリウス

昨年の新車登録台数で、トヨタのハイブリッド車でこの数年ダントツの販売台数を誇っていたプリウスがアクアに抜かれそうです。上位4台の数字は以下の通り。()内は昨年の記録。

アクア  282,660  ( - )
プリウス  280,990  (252,528)
フィット  170,990  (207,882)
ノート  115,530  (46,475)

この話、ちょっと気をつけないといけない。というのも、プリウスとしてカウントされているのは、普通のプリウスとプリウスαが合算されているのです。フィットの場合も、ガソリン車、ハイブリッド車が合わさった数で、またフィットもシャトルも含まれています。

アクアはもともとプリウスCとして開発され、実際海外ではプリウス名がつけられているわけですから、実質的にはプリウス・ファミリーが、昨年の倍以上の56万台売れたということでしょぅか。

2011年の震災で、事実上生産できない状況があり、昨年はそのリバウンドで自動車業界は活気づいたはずですが、このあたりを見ると、ほとんどトヨタだけがうはうはだったことがわかります。

ホンダのほぼ唯一とも言ってよいフィットについては、震災前でも18万台。震災後景気の影響を感じさせない所か、シャトルの投入もそれほど効果を上げていないというところが痛い。本来増加しそうだった分が、アクアに食われたと見るのが自然。

アクア登場前のトヨタの小型人気車種のトップだったヴィッツは販売台数を減らして、トヨタ内での「派閥争い」は決着した感があります。

注目なのは、日産のノート。台数を倍以上に伸ばし、ヴィッツやフィットにかわるガソリン小型車として躍進。コマーシャルをクールなアニメから、人気の嵐にキャラクターを変更したことがかなり関係しているのかもしれません。もっとも、マーチが大きく順位を落とした事も忘れてはいけません。

フィット以上に残念なのがマツダのデミオ。ガソリン車でもここまでできるを売りにして期待されたのですが、まったく売り上げ増にはつながっていない。開発費の分だけ赤字を作っている可能性が高く、やはりガソリンで追求というのは今の時勢には受け入れられなかったということでしょぅか。

まぁ、とにかく、プリウス・ファミリーはこの時代の現実的な選択肢という結果が、数字として明らかになったわけです。ただ、ハイブリッド車というのも、過渡期の製品であろうことは予想され、どんなに長くても次の10年はもたないかもしれません。

早ければ、数年後には電気自動車があらたな自動車のスタンダードになっていくことでしょうし、実際のところ地球温暖化や化石燃料の枯渇というような問題を考えればそうあるべきでしょう。

2013年4月3日水曜日

医学部の勉強

医学部の教育のカリキュラムはいろいろ変わるもので、自分が学生だった6年間でも数回変更があったように思います。

変更される理由は、大学としては医師国家試験の合格率を上げることが至上命題ですから、より成績をあげることにいろいろ考える。また、おそらく社会的な要請もあって、より倫理的な側面の強化なども関係しているのかもしれません。

1年目は、ほとんど基礎教養科目で、医学的なものは最も基本である解剖学の講義程度。2年目になって、解剖学実習、生化学、分子生物学、微生物学などの基礎医学がだいぶ入ってきて、教養科目はほとんど影を潜めました。

3年生になって、生理学がスタート。人間の体の中で起こっている正常の動きを知ることは、すべての医学を知る上でたいへん重要。そして病理学の勉強で、その正常状態が病気のときにどのように変化しているかを知るわけです。

一部の臨床医学は、3年生で始まっているのですが、4年生になると講義はすべて内科・外科・小児科・産婦人科と呼ばれていたメジャー臨床とその他のマイナー臨床科目で埋め尽くされました。もちろん、自分の専門とした整形外科はマイナー科目。

これは国家試験の関係で、メジャーと呼ばれるものは毎回必ず出題されます。マイナーの中から、まったくランダムに2科目が選ばれ、全部で6科目が試験に出題されるという仕組みでした。

5年生の夏休みまで、臨床講義が続き、ここまでで医学の全般を学んだ事になり・・・といっても、そんな簡単に医学を制覇できるわけもなく、やったそばから忘れて行くのは学生の特権みたいなところ。

夏休みが終わると、すべての時間は臨床実習に費やされ、これが6年生の夏前までの1年間続くのです。臨床実習は6人前後の小グループで、臨床各科を2週間程度ずつローテーションしていき、ほとんど見学レベルですが、実際に患者さんを診察したり、検査や手術の現場に入ります。

6年生の夏休みが終わると、いよいよラストスパート。国家試験に向けて、もう一度臨床各科を1週間ずつ総復習して試験の繰り返し。つまり、卒業するまでに、同じを科目の勉強を、講義・実習・復習という具合に3回繰り返す仕組みになっていました。

 それが完璧なカリキュラムなら、その後変更はないはずですが、その後もちょくちょくいじられていましたから、教育は試行錯誤の繰り返しということでしょぅか。

とりあえず、若い頃の大事な長い6年間を費やすわけですから、一生懸命やればいろいろな実がなるはずで、そのあたりをうまく収穫するかしないかは自分しだい、ということですけどね。

2013年4月2日火曜日

最強のふたり (2011)

原題がフランス語の''Intouchables''で、アンタッチャブルですから、邦題とあわせて考えると、ドロンとギャバンが共演しているフランスのギャング映画のリメイクかなと思ってしまいます。

もちろん、まったく関係はなく内容はヒューマン・ドラマ。フランス本国では大ヒットして、各賞を総なめ。日本でもフランス映画としては、歴代一位の興行収入のヒット。

実在するエピソードを元にしており、四肢麻痺の金持ちのフィリップと、貧困層の黒人介護人ドリスの交流を描き、本来はアンタッチャッブル(触れ合う事がない)な二人がしだいに友人として互いに重要な存在になって行く様子を、比較的淡々と追いかけていくのです。

最初に細かい事ですが、主人公の一人、フィリップは四肢麻痺ですが、頭しか動かせないという設定。パラグライダーの墜落事故で、頚髄髄損傷によるものなんですが、生存できる頚髄損傷で最も重症な場合でも肩の辺りの動きは多少できるもの。

首から上の動きしかできないとなると、運よく生き残ったとしても普通は自発呼吸が不可能で人工呼吸器が必要。 多少疑問はかんじるものの、逆に喉元に気管切開のあとがちゃんとあるあたりは納得できるディテールだったりします。

いずれにしても、映画の設定のような障害があると、社会である程度の自由を獲得するためには、日本ではそうとうの金持ちでないと厳しい状況があるだろうことは間違いありません。 しかし、映画の大筋のストーリーとしては誰が見ても感動できるような作りになっています。

フィリップは哀れみや同情にうんざりしていて、人として自分を扱ってくれる人を求めていました。その結果、自分とは生きている世界が違うドリスを介護人として雇います。

友人は、彼はごろつきで思いやりなんてものはないと忠告しますが、フィリップは思いやりがないことが求めていた事だといいます。ドリスがどこで何をしてきたかは問題ではない、自分の障害のことを忘れて普通に接するところが重要だと考えているのです。

もちろん、四肢麻痺の患者さんがそれだけで問題なく生活できるわけはありませんが、そこはサポートする多くのスタッフがいてこその「わがまま」だと言えるでしょう。

ドリスは複雑な関係の大家族の中で、母との関係、兄弟との関係などでいろいろ問題を抱えている。 しかし、フィリップとの関係が深まっていく中で、人との付き合い方をしだいに学んでいきます。

介護のルチーンに最初は「俺だって妥協してるのだから、そっちも俺に妥協してくれ」と文句を言いますが、まさに自然とお互いの妥協が無理なく進んでいく事で、アンタッチャブルからタッチャブルと両者が変わっていくことになるのです。

全体の脚本は、比較的あっさりしていて、細かい説明はあまりない。画面の中から自然と想像してくれといわんばかりです。フィリップがドリスを自由にする・・・つまり解雇する事になる弟の事件についても、ほとんど何だかわからない。

このあたりは、いかにもフランス的で、物語のメインを鮮明にする事に集中して、サイドはさらっと流してしまうのです。日本人的には、もう少し親切なほうが理解しやすいかもしれません。

まぁ、確かに悪い映画ではなく、それなりに楽しめるし、また映画をきっかけに何かを考える事ができるもの。一度は見ておくべき作品として評価することに、手を上げることにためらいはありません。

★★★★☆

2013年4月1日月曜日

入社式・入学式

今日は日本中のあちらこちらで、入社式や入学式が行われ、いろいろな新しいスタートを切った方々があふれたことでしょう。

卒業は「別れ」のイベントですが、今日は新たな「出会い」があって、「希望」を胸に夢が膨らむような明るい一日です。なんとなく、ワクワクして浮き足立った感じが一人歩きすると「エイプリル・フール」みたいなことになてしまいます。

自分の場合は、幼稚園、小学校、中学校と入学式の記憶はほとんどありません。高校は中高一貫校だったので、入学式はなし。大学は入学式そのものは、どうも覚えいない。

たぶん、式があったはずですが、偉いかもしれないけど、見たこともない人たちのつまらない話を聞いているだけの会が記憶に残るはずもない。

そのあと、バスに乗車して、セミナーハウスみたいなところに連れて行かれて新入生オリエンテーションが行われました。そこでは、いろいろ新しい仲間と話をしたり、現実的な話を説明されて多少インパクトがありました。

最近は、大手企業などの入社式では有名人が話をしたりして、けっこう盛り上がることがあるみたいです。学校は、その後にいろいろと楽しい事が増えていくのですが、社会人は違います。

お客さん扱いは入社式までで、明日からは現場で四苦八苦して、現実の厳しさをいろいろと知ることになるのです。でも、その中から、いろいろな喜びや悲しみを学び、社会の中で人として成長できるはずです。

自分の社会人としてのスタートは、卒業した大学の付属病院での研修医。いつから出勤するかは何科に所属するかで異なり、まとまった入社式はありませんでした。これはどうもよくない。学生の続きみたいな気分、というと問題があるかもしれませんが、何しろ周りにいる大多数の先輩は大学の同窓ですしね。

今から考えると、ずいぶんと甘ちゃんの社会人だったんではないかと。今更、反省しても遅いわけですが、そのあたりが「医者は非常識人」とか言われる所以かもしれないと思ったりして。まぁ、それでもいろいろなことを経験して、それなりに社会についていけるようになって、いい年になってきたわけです。

もう一度、どこからかやり直す事ができたらどこにしますか? という質問があったとしたら、途中からはめんどうなので、一番最初からすべてリセットするか、そうでなければ今のままでけっこうです、という風に答えるでしょうかね。