2013年10月22日火曜日

The Beatles / Abby Road

Abby Roadは実質的にビートルズの最期のアルバムですが、当時これを聞いていたこどもの自分も、''Let It Be''の前のアルバムと思っていました。

こどもの耳にも、ポップ路線にあるビートルズとしては、かなり硬派のアルバムと感じられていたのを思い出します。

たぶん解散寸前、メンバーの間での爆発寸前の人間関係がお互いの火花を散らせたことが良い方に作用した・・・というのは、あとからいろいろな話を知ってからわかったこと。

リアルタイムには、そんなことはまったく知ることはなく、Abby Roadだけがやや異色なくらいロックな仕上がりで、いつものビートルズを期待して聴くと打ちのめされる感覚でした。

''White Album''でも、かなりのロック感があって嫌いではないのですが、 これはポール、ジョン、ジョージの三人のソロを詰め込んだという感じで、グループとしてのまとまりは感じられませんでした。

あらためて''Abby Road''を聴くと、空中分解を何とか防いでアルバムの完成まで持っていったのはリンゴ・スターの力という感じがします。''White Album''でやりたい放題をした三人をリンゴのドラムが何とかつなぎとめて、グループとしてのコンセプトをどうにか残す事ができたような気がします。

''Come Together''のドラムは、いまだに出だしの不思議なリズムの叩き出しから魅了されます。リンゴは、もともとドラムは下手くそと言われていましたが、ビートルズの音楽の中で派手に叩く場面がないだけで、リズム感は抜群。

ここまで来ると、どんなにリンゴががんばっても、4人でできることはまったく無く、完全にバラバラになったということでしょうか。解散後、3人とそれぞれ共演を続けたのがリンゴだけだったということが、すべてを物語っているようです。