2014年4月27日日曜日

復活祭後第一主日

確かに寄り道をしている場合ではなく、受難曲が重過ぎてまだ聴き切れていないところに、復活祭が始まり、もうカンタータを次から次へと出てくるので、完全に消化不良状態。

その上、今日は復活祭後第1主日(日曜日)ということで、またもや新たにカンタータが登場します。

BWV67 イエス・キリストを憶えよ
BWV42  されど同じ安息日の夕べに

幸いなことに、これらは比較的明るくてめりはりのある曲調だったので、比較的聴きやすい。5月29日の昇天祭までは、毎週日曜日ごとに2つから3つのカンタータが加わっていくので、ちょっと一息つけそうです。

とりあえず、復活祭関連で最初にまとまったオラトリオの形で曲を残したのはシュッツといわれているようですが、ガーディナー先生もちょこちょこと取り上げる作曲家。

ハインリッヒ・シュッツは、なにしろJ.S.バッハよりも100年前の方ですから、1585年生まれで、三十年戦争と呼ばれるカトリック対プロテスタントのヨーロッパ中を巻き込む国際戦争の時代に活躍した作曲家。

バッハに続くドイツ・バロック音楽を確立した人という評価のようです。ちょうど代表的な作品を集めたボックスがあったので、これを購入しました。

マタイ受難曲、ヨハネ受難曲、ルカ受難曲、十字架上のキリストの最後の7つの言葉といった馴染みのあるタイトルの曲が並びますが、その中に復活の物語という復活祭用の曲が入っています。

合唱に重点が置かれたもので、このあたりがもともとの教会音楽の形を想像させます。もともと説教を節にのせたところからメロディが生まれ、皆で歌うようになり、伴奏のための楽器が登場してくるという音楽史の基本ということでしょうか。

ポール・ヒリヤーが監督するアルス・ノヴァ・コペンハーゲンという合唱団によるアルバムは、もちろん大半が無伴奏合唱で、まさに天国に通じる光がさすような美しい歌声に魅了されます。

復活の物語ではコンチェルト・コペンハーゲンという楽団が共演して伴奏を担当していますが、本当に脇役に徹していて、歌声を邪魔することはなく、エンターテイメントとしてのバッハとは一味違った美しさがあります。