2014年5月4日日曜日

復活祭後第2主日

日本は、GWの後半戦真っ只中ですが、キリスト教では今日の日曜日は復活祭後第2主日です。キリストが十字架に磔刑になった後、復活してから二番目の日曜日。

そこで、この日のためにJ.S.バッハが用意した教会カンタータは、
BWV104 イスラエルの牧者よ、耳を傾けたまえ
BWV85 われは善き牧者なり
BWV112 主はわが信実なる牧者
の3曲があります。

ガーディナー先生の全集では、このあたりはまとまっているので、当該CDを一枚出せはいいので楽です。

バッハのカンタータに、特定の教会暦のためのカンタータが数曲あるのが最初不思議な感じがしていたのですが、ちょっと勉強すると当たり前のことなんですね。

1685年生まれのバッハは、18歳で当初オルガン奏者としてプロの音楽家としての活動が始まります。当初はオルガン曲の大半が若い頃に作られているようです。

若い頃のカンタータは数曲ありますが、1723年にライプチヒの聖トーマス教会に籍を移したところから、脅威のカンタータ量産体制が始まりました。

何しろ、毎週の主日のために、新しいカンタータを用意するというのですから、驚きしかありません。他にもそれだけで一日が終わってしまいそうな様々な雑務もあってのことですからなおさらです。

おそらく月曜日と火曜日に作曲して、水曜日と木曜日に楽譜を清書、金曜日と土曜日に演奏のリハーサル、そして日曜日に本番という、目の回るような毎日だったはずです。

クリスマスやイースターの前後は、通常以上のスペシャルなイベントが目白押しですから、そのための曲の用意をするのは、常人のパワーとは思えません。

どうしても間に合わないときは、以前に作ったものをもう一度使用することもあるでしょうし、中には以前に作った曲の編曲版(パロディ)とはっきりしているものも多数存在しますが、とにかく何年かのうちにバッハの手元には数年分のカンタータのストックができたというわけです。

 今日残されている教会カンタータは約200曲ですが、実際には300~400曲は作ったのではないかといわれています。こっちは聴くだけですが、それでも毎週数曲だけでもけっこう大変。

ガーディナー先生の録音は、1999年のクリスマスから1年間かけて、毎週カンタータ巡礼と称した教会でのコンサートによりライブ録音されたもの。その時も驚愕の企画といわれていたようで、1年間で200曲演奏しようというのですから、おそらくバッハの忙しさの一部でも体感したいという思いもあったのかしれません。