2014年5月2日金曜日

少しまじめに考えた

過去に医学の発展に最も寄与したものは何かと問われれば、答えは明らかで、それは戦争です。

戦争に駆り出され、亡くなった方や重度の障害を負った方が無数にいて、それらを診察した医者が、少しずつ人間の体の仕組みを理解していったことが、医学の推進したことは疑いの無い事実です。

特に外科手術の分野ではその影響は強く、悪いところをどこまで切除しても命に影響が無いかという判断は、多くの負傷兵の診察から実体験として得られた知識に基づいていました。

もちろん、それだけのために戦争行為を肯定するものではありませんが、戦争が無ければ今の医学は無かっただろうことは容易に想像できると言う事です。

じゃあ、戦争は何故起こるかというと、欲望という人間の本能に帰結する話なんでしょう。物欲と言うものが無ければ争う事は無く、ひたすら平和だったんでしょう。

しかし、そもそもアダムとイブがエデンの園から追い出されたのは欲望の結果ですから、かなり根源的な、ある意味ヒトがヒトである所以みたいなもので、それを完全に消し去ると言うのは不可能だろうと思います。

実際、さまざまな欲望の結果が現実社会を作り上げたわけですし、その中にどっぷりと浸って生活している自分を含む現代人は、もしも欲望が無くなければ、完全に推進力を失う事になるでしょう。

ですから、欲望を否定してかかることは、自らの否定にもつながるような話になってしまいますので、おそらく重要な事は欲望を制御していく力をいかにして身に付けていくかということです。

それが明文化されたものとして「法」というものであって、争いは法の破綻から始まるもの。医学の発展のように、そこから有益となる結果を生み出してきたわけですから、破綻した後のことが重要なんでしょう。

それは、人は破綻した部分を検討していく高度な思考能力と、その中から修正を加えてより良い方向性を生み出すフィードバックする力を持ち合わせ事が、1万年近く地球を制覇していることにつながっているのかと思います。