2014年7月2日水曜日

マリアのエリザベト訪問の祝日

イエスの母のマリアが、エリザベトさんのもとを訪問して、3ヶ月間滞在したという話があります。

マリアとエリザベトは従姉妹同士で、それだけだと単に親戚の家に遊びに行ったというだけのことなんですが、キリスト教ではわざわざ祝日としてお祝いしている。それが今日ということなんですが・・・

マリアは3月に受胎告知を受けたのですが、と同時にエリザベトの妊娠、それもすでに6ヶ月であることも知らされていたんだそうです。エリザベトは長年こどもに恵まれなかったので、マリアは神の偉大さをあらためて感じ、さっそくお祝いに出かけていったわけです。

エリザベトの身ごもったのが、実は洗礼者ヨハネであり、先週お祝いした偉人なのでした。ですから、ヨハネはイエスよりは6ヶ月年上ということになるわけです。

さて、バッハが残したこの日のカンタータは2つあります。ガーディナー先生のカンタータ巡礼では、収録が分かれています。
BWV 147 心と口と行いと生きざまもて(1723)
BWV 10 わがこころは主をあがめ(1724)

受胎告知の祝日で紹介したマニフィカトも、もとをただせば、今日の日にマリアが神を称えた歌です。

ここで、バッハのぼうだいなカンタータの中で、おそらく最も有名なメロディがBWV147に登場します。クラシックを聴かない人でも、まず知らない事はないという有名なコラール「主よ、人の望みの喜びよ」です。

3連符が続くこのメロディは、いろいろな形で今でもあちこちで使われており、バッハのみならずクラシック史上ベスト5くらいに入るくらいの認知度ではないでしょうか。

全体には受胎・懐妊を喜ぶ明るい曲調の中に、神を称える厳粛な雰囲気も併せ持つ感じ。合唱から始まり、レチタティーボ、アリア、レチタティーボ、有名なコラールでいったん〆。後半はアリアから始まり、レチタティーボ、アリアときて、最後にまた有名なコラールを繰り返すいうやや変則的な構成です。

何にしても、2回出てくる有名すぎるコラールがすべてかもしれません。なんと言っても、イエス(この時点ではまだ生まれていない)に対する愛おしさをストレートに歌う内容で、本当に気持ちも落着きます。