2014年11月1日土曜日

システィーナ礼拝堂とミゼレーレ

11月です。毎度、同じことですが、本当にあっというまに時が過ぎます。浦島太郎は、玉手箱を開けたら急に白髪頭になったのではなく、単に年を取っただけなのではと思ってしまいます。

イタリアのバチカン・・・キリスト教カトリックの総本山、そして世界最小の国家として世界史、世界地理上有名な場所です。

カトリックの大親分であるローマ教皇がいる場所で、教皇をを選出するコンクラーヴェというのは、しばしば話題になります。そのコンクラーヴェが行われるのが、システィーナ礼拝堂。煙突から、煙をだして選出の結果を伝える方法は現代でも行われています。

システィーナ礼拝堂は、一方その見事な天井画でも有名。詳しいことは、その筋に譲るとして、最大の見所は、自分の敬愛するレオナルド・ダ・ヴィンチの最大のライバル、ミケランジェロが16世紀初頭に描いた旧約聖書のエピソードを描いたもの。

また壁画である「最後の審判」も見事で、他の画画による壁画も含めて、礼拝堂内の美術的価値は、人類遺産として最高ランクの価値を認めざるを得ません。

近年では20世紀末に大規模な修復がなされ、見事な色彩が蘇り、ネットで3Dでまるでその場にいるかのように眺める事ができます。 ずいぶんと便利な時代になったものです。

システィーナ礼拝堂では、様々な儀式が行われるようですが、その時に活躍するのが世界最古といわれているシスティーナ聖歌隊。

彼らが荘厳な雰囲気の中で歌い継いできた、最も有名な曲に「ミゼレーレ」があります。アレグリの作曲による、旧約聖書詩篇からとられたもので、「神よ、我を憐れみたまえ」というもの。

ルネッサンス音楽のポリフォニー、多重合唱の典型的な作品とされ、宗教的な力を保つため門外不出、採譜を一切禁じられていました。

14歳のモーツァルトが訪れ、 一度聴いて翌日楽譜を作り、翌々日に再度聴いて完璧を期したという話は有名です。メンデルスゾーンやリストによる写譜も残っており、まるで画家が有名画を模写するかのようです。

神秘的なア・カペカを聴きながら、ネットで壁画をじっくりと見るのも、地味ですがなかなかいいものです。