2014年12月27日土曜日

降誕節第3日

さすがに3日目ともなると、お祝いとしても長いですね。まぁ、それだけイエスの生誕と受難・昇天は、キリスト教の中で重視されるイベントだということです。

クリスマスと呼んでいるのは、もちろん英語圏とそれを真似ている日本が中心。ドイツでは聖なる夜というweihnachtと呼びますし、フランスではnoelです。

クリスマスというのは、もともとはChrist Mass。つまり救世主(キリスト)のミサという意味です。イエスはキリスト教では救世主とされるわけですが、実は、イエスが12月25日に生まれたという記述は新約聖書の中にはありません。

羊飼いが生誕にまつわる話が出てくるので、真冬に放牧をしたりはしないので、夏から秋のことだったという説もあったりします。また紀元前の略号B.C.はBefore Christの略で、西暦1年が誕生の年とされますが、これも実際はもう少し前だったと考えられているようです。

クリスマスの主役であるサンタクロースは、4世紀の貧しい人をいろいろ助けた神父、聖(セイント)ニコラウス(ニコライ)から来ているのだそうですが、国によって伝説はいろいろ。今のようなイメージが固まってきたのは19世紀になってから。

3日続く降誕祭ですが、今日のカンタータは3曲あります。

BWV64 見よ、父のわれらに賜いし愛の (1723)
BWV133 われは汝にありて喜び(1724)
BWV151 甘き慰めなるかな、わがイエスは来ませり(1726)

そして、
BWV248 クリスマスオラトリオ第3部 天を統べたもう君よ (1734)

BWV64は、神の愛を歌う合唱に続いて、コラール。人の世のむなしさをさらにコラールで確認し、イエス誕生の意義を説いていく内容。お祝い気分が入り込む余地はありません。

BWV133もBWV151も、おちついた感じの曲調なのは室内楽的な雰囲気からでしょうか。しみじみと、神の愛とか、イエスの存在の意味などを再確認して、しっかり信仰心を強くするように語りかけてくるかのようです。

オラトリオ第3部は、再び管楽器も活躍し、華やかさが戻ってきます。羊飼いたちはベツレヘムに出発し、ついにイエスに巡り合いますが、と同時に奇跡に動揺するマリアにも会うことになります。