2015年5月23日土曜日

死後の世界

ヒトは、死んだらどうなるの?

って、オカルトみたいな話題ですけど、結論ははっきりしていて、基本的に「わからない」が正解だと思います。

肉体は、心臓の停止により血流が止まり、体へのあらたな酸素の供給が無くなりますので、細胞の壊死が始まります。

手足の手術では、出血をおさえるために付け根を縛って血流を止めるのが普通ですが、1時間はまったく問題ありません。2時間を過ぎるのはマズイ。

血流が遮断されて数時間を越えると、細胞の変性が始まります。その時点では可逆性で、血流の回復とともに組織の状態も下に戻ります。

脳組織については、もっとシビアで、心肺停止から蘇生できる確立はどんどん低下。特に重大な障害を残さないで回復できるのは数分間と言われています。

ヒトの死は、心臓停止ではなく脳機能の停止であると言われるようになって、ずいぶんと経ちました。少なくとも、他人から見て「死んだ」と言える状態になっても、数分間は本人にも意識はまた存在しているのかもしれません。

また、数時間以内に適切な処理をすれば、肉体を保存しDNAを残す事が可能なのかもしれません。未来のクローン技術が、ヒトを再生させることができるなら・・・でも、おそらく記憶まで再現することはないでしょうから、見た目だけ同じというだけで、同じ人とは言えないだろうと思います。

アメリカのThe Journal Resuscitation (蘇生学会誌?)に、臨死体験者に対するアンケート結果が発表されているそうです。対照は300人くらいで、蘇生されるまでの時間などの詳細はよくわからないのですが、その結果は・・・

46%「何らかの映像が頭に浮かんだ」
39%「覚えていない」
13%「自分の肉体を俯瞰して眺めていた」(つまり幽体離脱をしたという人たち)
2% 周囲の風景を見て、話を聞いていた

と、いうことらしい。

もともと、持っていた死に対するイメージとかが反映されるような部分もあるのでしょうから、医学的にどうのこうの言ってもしょうがないとは思います。

2%の人は、死んだとされた後も、そのまま回りからの「刺激」を感じていたらしい。死んでも意識は残るということなのかもしれませんが、パーセンテージはわずかですし、実際蘇生されて人とそのまま死亡した人では、根本的に違います。

この手の話は、医学的に理系の解釈をするのは困難ですから、結局、精神論、宗教論などの方向に行ってしまうので、このくらいにしておきましょう。