2015年6月7日日曜日

クリニックの広告

うちのクリニックの広告は、市営地下鉄センター南駅の看板が唯一のものになりました。これは開院以来のもので、当初は大きなものでしたが、同じビルの内科が開院した時に、半分ずつ使うようにして、今は手ごろな大きさだと思います。

実は、ここまで欠かさず「広告」として利用していたのが、田園都市ドットコムが出版する「田園都市の頼れるドクター」という、年に1回発行される雑誌。

医療機関の広告は、厳しく制限されていて、勝手にいろいろと宣伝をすることはできません。通常、名称、標榜科、場所、診療時間などくらいしか出せない。

この誌面は、取材という形をとって、医者の言いたいことをかなり率直に文字媒体として出すことができます。世の中の病院紹介記事の大半は同じようなもので、取材としていますが、実は病院側が掲載費用を支払っている。

患者さん側からすると、その医者の得意分野や、そのクリニックでできることがわかりやすくなるので、メリットは高いと思いますので、受診する時の参考としては有意義だと思います。

この雑誌は、一定の成果があるのかないのかはよくわかりません。基本的にクリニックの評判というのは、口コミで広がることが最も多いので、必ずしも広告を重視する必要はないのかもしれません。

少なくとも雑誌としては、出版側に利益をもたらしているようで、どんどん掲載地域が拡大して、数年前からは何か所もの地域ごとに発行されていて、都区内・横浜市の大部分をカバーするくらいに成長しています。

そこで、問題になるのは取材記事を書くライターの育成が間に合っていないということ。以前は、完成記事の校正では、誤字脱字などの訂正が主でしたが、この数年、あまりにも内容が稚拙になってきた。

取材で話したことが間違っていたり、曲解されたり、全体の構成そのものが行ったり来たりで、基本となる起承転結がまったく考えられていないという有様です。

もう、ほとんど全部を書き直しするような状況で、他の先生も同じような状況という話を聞きました。これは、もうダメでしょう。こちらが取材費をもらいたいくらいのものです。

大半の医者は、大学での業務を経験していて、その中で学会活動を少なからず行ってきています。例えば5分間という発表時間の中に、自分の言いたいことを効率的に含ませることは大変重要。

無駄なことはそぎ落とし、重要な点を忘れないように、何度も何度も口演原稿を推敲します。さらに、発表前に予演会というのをするのですが、医局の先輩・後輩から、徹底的に突っ込まれ、さらに原稿を手直しするという作業を、散々やってきました。

そんなわけで、フラッグシップとして記事を載せ続けてきた雑誌からは、今年は撤退することにしました。

となると、あとは広告として機能するのは、ホームページだけ。ところが、これも困りもので、開院時に自分で作り上げたのですが、もう開業してからは手を入れるヒマがなかなか無い。

ほとんど、休診のお知らせなどを更新するだけで、中身はほとんど変更できていないという現状です。制作会社に依頼するという手もありますが、だいたいどこもほとんど同じようなホームページで個性はなく、かなりの高額な費用がかかります。

そうなると、随時更新できて、いろいろな新しい話題を提供できるのは、唯一このブログということになります。もちろん、たいしたことを書いているわけではないのですが、フラッグシップを失った今となっては、やめるにやめられなくなりました。

どうでもいいことばかり書いているものの、絶えずネタ切れに悩まされながら、いつまで続くかはわからないブログを毎日書き続けることが、今後は「フラッグシップ」になりそうです。