2016年10月17日月曜日

ボブ・ディラン

Bob Dylan and Joan Baez, 1963 (Public Domain Photo)

ノーベル賞の文学賞は今年は、ボブ・ディランに授与されることが発表されました。

若い方は、ボブ・ディランって誰? と思う方も多いようですが、おそらく日本人でも60歳代にはたいへん馴染みがある名前だろうと思います。

自分は、50歳代後半で、実はちょっと遅れて知った組。名前は聞いたことはありましたが、最初にディランの音楽をまともに聞いたのは、1970年にジョージ・ハリソンが音頭を取って開催されたバングラ・デシュ・コンサートのライブでした。

もちろん、ハリソンとリンゴ・スターの競演、さらにエリック・クラプトンの参加など、ロック少年が十分に聞きたくなるコンサートでしたが、レコードの片面全部に登場するのがボブ・ディランでした。

基本的にはフォーク・シンガーという立ち位置でしたから、ライブの中ではちよっと地味な印象を持ちました。でも、それ以前に、実はジョーン・バエズが大好きだったので、それなりに興味を持って聞いた覚えがあります。

実際にディランが活動を始めるのは1960年代前半で、当時のアメリカはベトナム戦争に反対する若者の勢力が拡大し、文化的な反政府活動が活発になると同時に、現実からの逃避に走るカルチャーが発達しました。

フォーク・ソングの土台から出てきたのが、男性ならボブ・ディランですし、女性はジョーン・バエズでした。

自分が知った70年以後は、だいぶ丸くなったところもあるようですが、彼らの歌う歌詞は、現実に対する痛烈な批判がふんだんに盛り込まれていたことは、英語を習い始めたばかりの中学生にも何となく伝わるものがありました。

ノーベル文学賞に値するのかといえば、ディランの歌詞を文字による芸術として認めることは何の違和感もありません。自分が口をはさむようなことではありませんが、選考委員の方々の見識に敬服します。

そして、受賞したボブ・ディラン氏にも、 心より拍手を送りたいと思います。