2016年12月25日日曜日

2016年 総決算 個人的なまとめ編


クリニックの診療は、あと月曜日と火曜日の2日間を残すのみ。クリスマスが終わると、否が応にも完全に歳末に突入します。

それでも、新年が明ければ、またいつもの日常に戻るだけですから、いつもより長めに休みがあるだけ・・・と言ってしまえばそれまで。

でも、大きく気持ちをリセットして、今年の自分を総点検してみることは、年を取るほど大事なことになってくるようです。

さて、昨年の12月にクリニックは開院丸十年の大きな節目にあたりました。そして、今年は11年目、そして今月から12年目に入っています。

何か一つのものを10年やれば、さすがに初心者とは呼ばれないし、自らもベテランとまではいかないにしても、中堅どころとしての自覚を持たざるをえない。

だからと言って、それが悪い方に出ればマンネリになるでしょうし、年を取ってくるとさらなる拡大路線に身を投じる元気も勇気もない。

結局、今年はまさに去年の続きで、特に変わったことはせず毎日を淡々とこなした一年だったかもしれません。

もっとも、それには理由(または言い訳)もあって、あまり冒険をせず日々を無難にこなす必要性もあったということ。

まず、クリニックの使用機器の劣化問題。開院して10年前後から、さすがにいろいろな診療機器が壊れます。早め早めに交換して新規の機器を導入できれば何てことは無いのですが、正直クリニックは営業的にはほぼトントンという状況。

次はどれが壊れるか戦々恐々としているわけで、もしもその場合はいきなりかなりの出費を迫られる状況になります。

今年は11月にレントゲンの読み取り機のコントロールをするPCが壊れました。そりゃそうでしょう。基本的にはパソコンですから、10年もったのが不思議なくらい。そうなると、当然レントゲン撮影はできても、それを見ることもデータを診察室に送り出すこともできません。

保守契約をしているので、翌日には代替え機を用意してもらって、現在もこれで業務をこなしている状況です。修理をしてもらうことはできますが、実はPCの故障は二度目なので、さすがに新規のものに交換することにしました。

これがただのPCとモニターを新規購入するだけなら、高くても20万円以内ですむようなもの。ただし、専用のソフトウェアは数十万円とかするのはやむをえない・・・と、これですめばいいのですが、医療用となるだけで、その何倍もの価格になる。

はぁ~、とため息つくしかないのですが、あとは交渉です。今回は、とりあえず代替え機があるし、壊れたものも修理してもらう契約があるので、大至急ではないのが幸いして、向こうの言い値とこちらの希望の中間で手を打てました。来年早々に機器の交換に入れます。

実は、次に壊れるのは? と気にしているのは、もっともっと高くつきそうなものばかり。レントゲンの撮影装置とか、撮影したフィルムを読み取る部分については、いつでも数百万円以上が、急に必要になる可能性はかなりあります。

そして、もう一つ大きなのが電子カルテそのもの。PCは、すでに何度か入れ替えをしていますが、いずれにしてもいまだにWindows XPベース。院内だけのLANでつないで使用するので、XPでもいいんですが、今どきのパソコン事情からすると恐ろしく遅いです。

そろそろハードウェアの故障が起こってもまったく不思議はないですし、できれば総入れ替え(数百万円かかる)を考えないといけない時期であることは間違いない。

差し当たって、突発的なことが無ければ、来年の大きな目標は電子カルテの刷新でしょう。今まで使用していたものをそのまま刷新するか、あるいはまったく別のメーカーのものを選択するか、大きな問題です。これは、それぞれのメーカーがどのように見積もりを出してくるかしだい。

幸い、今年は新患の増加が目立ち、比較的経営的には悪くありませんでした。故障による突然の出費分のプールを上乗せすることができたので、何か新しいものを導入するのもありますけど、ここは現状を確固たるものにして安定をはかるのが得策だろうと思います。

もう一つあったのが、看護師問題。自分の家内が看護師なので、家内が中心にクリニックをまとめていますが、さすがに一人ではきつい。もう一人定期に入れる人が必要なんですが、とても良い方が病気で突然リタイアになったのが3年前。

以来、求人を出せども出せども応募ゼロは当たり前。ほとんどの看護師さんは、おそらくより高給の介護関係の仕事にとられてしまった感があります。

たまに応募があっても、現場未経験(ペーパードライバー状態)とか、クリニックの診療時間枠をまったくカバーできない方とか、採用したくてもできないような条件が付いてくる。何とか採用しても、1カ月でやっぱり辞めたという方もいます。

ところが、やっと11月に新しい看護師さんがみつかりました。看護師としての業務にはほとんど心配なところはなく、しだいに馴染んできて周囲のスタッフとの関係もよさそうです。

ハードとソフトの両面がうまく噛みあわないと、物事はうまく進みませんから、そういう下地がやっと整ったかもしれないのが、今年のクリニックの大きな成果なのかもしれません。

さて自分のこととなると、今年一番の出来事は、迷うことなく「これ!!」ということがあるんですが、さすがにここに書くわけにはいきませんので、二番以下のことで、最も大きなこと・・・それは「教育費の終了(予定)」だと思います。

子を持つ親としては、こどもにしっかりとした教育を受けさせることは大事な仕事ですが、これにはけっこうお金がかかる。そもそも開業した大きな理由は、大学の勤務医ではこども三人を大学まで卒業させることは難しいということでした、

クリニックを開院した当初は、経済的にかなり厳しい状況が続きこどもたちにも相当な忍耐を強いた時期もありますが、何とかそれぞれがそれぞれの道に進む形だけは作れました。そして、最後の一人も、いよいよい卒業内定となり秋におそらく最後となる学費の振り込みを終えました。

今まで当直のバイトを延々と続けていましたが、これは生活費と教育費の補填という目的が大きかったのですが、開業5年でクリニックの収支が安定してからは、教育費のためだけになり、当直の頻度は1/2~2/3程度に減らし、その後も毎年少しずつ少なくはなっていました。

ブログに書いている昔の「総決算」を読み返してみると、我ながらすごい量の当直をしていたと思います。勤務時間で言えば通常の常勤に匹敵するくらいの量で、当然普通のサラリーマンの給与と同じくらいの金額になっていました。

さすがに60歳が近づいてきて、肉体的にもそれだけのダブルワークは無理ですし、クリニック開業当初の借金もほぼ返済しましたし、いよいよ学費がなくなるということになって・・・11月についに当直バイトを終了しました。

当直をしないということは、休みを休みとして使えるということで、これは大きな転換点だろうと思います。

まぁ、いろいろあったようなないような・・・結局は普通の一年なのかもしれませんが、とにかく来年もまた、今年のつづきですけど、またまたがんばっていきたいと思います。