2016年12月17日土曜日

ホームドア


電車がホームに入ってくると、決まって聞こえてきたアナウンスが、「・・・白線の内側でお待ちください」というものだったのは昔の話。

ホームの端から30センチくらいのところに白線が引かれていて、それよりも外側に立っていると、入ってくる電車と接触の恐れがあることに対しての注意だろうと思っていました。

その後注意喚起を強めるために黄色の線のところもあったりしましたが、近年どんどん増えているのが防護柵。

ホームドアと呼ばれるこの防護柵は、ホーム上のトラブルよりも、ホームから下の線路への転落防止に対しての備えという目的の方が大きい。

日本で最初に設置されたのは、東海道新幹線の特急ひかりの通過駅であった熱海。50年ほど前の話ですが、身近な路線に設置の動きが加速され始めたのは2000年以降だと思います。

これはバリアフリー法が施行されたことが大きく、新規路線では義務となり、既存路線でも努力目標とされました。

日本全国では、おおよそ9200くらいの駅があると言われています。その中で、特に利用者が多かったり、危険性が高いため設置を強く求められているのはだいたい3000駅くらい。

その中で実際にホームドア設置ができているのは700駅程度。つまり、必要性が高い駅の場合1/4くらいですし、全体からすると1割に満たないことになります。

単一の路線では、比較的容易に設置ができますが、複数の路線が乗り入れている場合には困難で、電車の規格が様々でドアの位置が違ったりする。

また、危険が高い狭いところほど設置が難しかったり、古い駅では構造上の問題があったりで、なかなか簡単にはいかないようです。

単なる転落事故、自らの意志で転落する場合だけでなく、先日のようにまったく無関係の誰かを突き落とすような怖い事件が発生すると、ホームが狭くなって利便性が多少犠牲になったとしても、ホームドアの普及が待たれるところです。