2016年12月4日日曜日

市ヶ尾横穴墓群


首都圏に住んでいると、名所・旧跡というのは、どこかに出かけて行ってみるものというイメージがあるんですが、それは東京・神奈川あたりは新しい街が多くて温故知新を実践しにくいという面もあるということ。

でも、探せばいろいろなものがあることに気がついて、おやおやこんな大事なものが近くにもあったんだと驚くことがあるものです。

実は、そういうことを教えてくれるのがポケモンGOです。巷では、おじさん、おばさんだけがいまだにやっていて、若者はとっくに飽きたとか言われています。

年を取ると、新しいゲームをどんどんやり倒すということはないわけですが、ポケストップに選ばれた身近にある意外な史跡の発見がけっこう楽しいというのも、ゲームを続けている魅力の一つ。

最初にスタッフは相当がんばって世界中を歩いて、ポケストップにふさわしい場所を調査したんでしょうね。地元でもほとんど知られていないようなものを、よくぞまぁ選定したものだと感心してしまいます。

例えば市ヶ尾。田園都市線では比較的マイナーな駅になってしまうのですが、わりと古くから町が形成された地域です。

駅から10分弱くらい歩くとあるのが、横穴墓群というけっこう歴史的な意義のある史跡。83年前に発見されて、30年ほど前にやっと保存整備が行われました。

古墳時代末期の7世紀前後に、力のある農民の墓として作られたものと考えられています。長さが数メートルの横穴を堀り、入り口を岩などで塞ぐという、いたってシンプルな構造。

古墳というと前方後円墳のような土葬で、有力者ほど周りをいろいろな自然地形で飾るものがすぐ思いつきます。時代の末期は、様式はどんどんくずれ、また地位の低い者でもどんどん作るようになったということなのかもしれませんね。