2017年2月9日木曜日

第19回田園都市リウマチフォーラム


昨夜は、新横浜で田園都市リウマチフォーラムの会合でした。

この会は、自分と横浜市青葉区の廣田先生との勉強会がきっかけ。ここに現在は同じ都筑区で開業した東先生が加わって、3人で世話人をしている会です。

一番の特徴? だと思っているのは、製薬会社にスポンサーになってもらっているのですが、あくまでも自分たちが日頃の診療で疑問に思うことなどを勉強するために、講演の内容を主体的に決めていることでしょうか。

時には、製薬会社の扱う薬とは関係ない話だったり、ライバル製品の話になったりするのですが、いろいろと難しい条件はあるものの、何とかわがままを押し通しています。

さて、今回は慶応義塾大学病院整形外科、膝関節外科のトップの二木康夫をお招きしました。

二木先生とは、女子医リウマチセンターで、一緒に仕事をしたことがあるのですが、無駄口をせず一つ一つの仕事をきっちりこなしていく方で、信頼のおける好人物です。

今は、慶応の整形外科医局長をしていらっしゃる。医局長という仕事は、自分も女子医で経験がありますが、もう雑用の嵐。まして、日本で一番ともいえる慶応整形外科ですから、地獄のように大変だろうと思います。

今回のテーマは人工関節。リウマチ治療では、完全に変形して破壊された関節の薬による修復は不可能です。その場合、人工関節は日常生活を取り戻すための最良の手段といえます。

薬がよくなって、骨変形が進まない時代になりましたが、それでもある程度の割合で薬の効果が出ない方がいます。また、新しい薬以前に発症し、変形に苦しんでいる方もいる。

ただ、関節リウマチでは、次第に内科的ケアの重要性が増しており、外科的治療の介入するチャンスは年々減少していることは間違いありません。

今回、特に注目した話は、膝の人工関節の挿入位置の話。従来は、大腿と下腿のそれぞれの骨の軸に対して一定の角度で設置していました。

その場合、人工関節の緩みや沈み込みの問題を回避するために、大腿・下腿が真っすぐか、ややX脚気味に挿入するのが「常識」になっていました。

しかし、決められた通りに、誰にでも同じ角度で挿入すると、術後に違和感があったり、反対側とのバランスが悪かったりして、術後の満足度の低下につながっているという話でした。

二木先生は、患者さんの元々の軸に合わせることを目標にするという考え方を解説してくれました。従来はタブーとなっていたO脚気味に設置することで、より構造的に無理が無い屈伸が可能となるというのは、目からウロコのような話。

まだ、長期的な成績ははっきりしないのですが、患者さんの満足度も悪くなく、いまのところ大きな問題もないとのことで、今後の更なる期待が膨らみます。

次回のフォーラムは6月。いよいよ、第20回です。