2017年7月23日日曜日

食べて治る?


こんな新聞広告よくあるでしょう?

これって、いわゆる健康食品の宣伝。テレビのCMにも似たようなものはたくさんあって、中にはそれなりに有名なタレントさんが出てきます。

整形外科で、老化現象で軟骨が無くなってますという説明はよくするんですけど、しばしばこの手の「薬」を飲んだ方がいいかと尋ねられます。

まず、間違いは薬じゃありませんから。食品です。美味しいと思うならどうぞ、としか言いようがない。

何に効くとかどこにも書いてませんから。「こんな方に」と書いてありますけど、「こんな方」がこれを食べたからどうなるとは書いてない。

自分が医者になった頃に、すでに軟骨を増やす研究は盛んに行われていました。あれから30年以上たっていますけど、いまだに実用的な手法は確立しているとは言い難い。

食べて何とかなるなら、そんな簡単なことはありません。

だから、山中教授のiPS細胞はノーベル賞の価値があるんです。再生医療の現実的な可能性を広げ、軟骨の再生も理論上は可能にした画期的な業績です。

この手の健康食品に、毎月多額の出費をするなら、毎月一度は高級ホテルでディナーとかの方が、精神衛生上いいんじゃないかと・・・