2017年7月7日金曜日

電子カルテ リニューアル


クリニックでは、開院以来電子カルテを使用しています。昔は、強制ではなく、使いたい人だけだったのですが、その後政府の方針により義務付けられ、そして診療報酬請求もオンラインでの作業になりました。

2005年に開業するとき、いろいろと電気カルテを検討したのですが、とにかくお金が無かったので一番初期費用がかからないものを選択した結果がドクターソフトというもの。

当時も、今も、業界の中でのシェアは高くはありません。正直言って、使い勝手は悪いと思いますが、長く使って慣れてしまうと、今更他のものにするというのはかなりの勇気がいるものです。

この電子カルテは、基本的にハードについては自由。どこの電子カルテも、基本は文字ベースのデータベースの運用ですから、ほぼ最も低スペックでも稼働できるものです。

自分で、かなり安いPCを用意できるところが、かかる費用をかなり圧縮できるところが開業時には助かりました。

実際、使い始めると、毎日業務でハードに使うPCは数年で物理的なトラブルを起こしますから、数年ごとにあっちが壊れ、こっちが壊れで、当然今では最初のPCはありません。

院内LANで5台のPCを利用していますが、これまでに使ったのはその倍の10台。しかも、いまだに使用OSはWindows XP。

最近、ちょっとしたエラーが目立つようになり、今どきのパソコンの使い勝手としてはかなり悪くなってきました。一番新しいPCでも、すでに5年くらい経過していて、いつ急にダウンしても不思議が無い状況でした。

というわけで、ついにハードの総入れ替えを断行したわけです。今回はハードについては、DELLで統一。こちらでだいたいの機種を選別しました。

総予算はおおよそ百万円。他のブランドだと、5台で数百万くらいになると思います。しかも、今回はより運用上の安全性を重視して、本来サーバーは一つなんですが、サーバーと同じハードとソフト構成のPCを2セット用意して、何かの場合はいちでも代替的なリカバリーが可能になるようにしました。

純粋にハードだけの値段はサーバー機が約15万円(×2)。クライアント使用のPCが8万円(×3)くらい。全部で50万というのは、単なるパソコンとしてはリーズナブル。これにインストール費用5万円(×5)、出張設置料、付随するもろもろの細かいものを合わせて、だいたい予算通りです。

昨日、昼に診療が終了してから、メーカーの方に来てもらいました。既にPCはインストールは終わらせてあって、設置して今までのPCの使用環境を移行するのが作業の中心。

自分でも、最低限のバックアップなどはしてましたが、ほぼ丸ごとコピーして移植してくれるので、ほとんどはそのまま。

順調に、設置、初期動作確認、旧機からのコピーと進んで、夕方には終われそう・・・・と思ったのですが、さすがにそうは簡単にはいかなかった。

何しろ、前はWindows XPで、補助的に使用していたOfficeもXP。今回はWindows10で、Officeは2007。上位互換性があるものの、この間に同じ機能でも、内部的な動きはかなり変わってきています。

特にOfficeは、独自ファイルから、XMLベースのデータに大きく変わっていて、いろいろな処理を自動で行うスクリプトの構造はかなり違う。

ですから、電子カルテそのものはいいのですが、より便利に使うための補助的な部分でそのまま旧機を受け継ぐと細かいエラーが出てきました。

出張して来てくれているスタッフだけでなく、リモートでも入ってきて、あーだこーだといろいろやって、とりあえず最低限の業務を行うのに問題なさそうと確認できたのが午後9時でした。

作業してくれた出張スタッフの方々は、ほとんど飲み食いせずでご苦労様でした。今日も、実際運用を始めると何か問題が起こることは十分にありうるので、一人が立ち会ってくれるということで安心です。

とにかく、一斉に若返って安心が増した電子カルテで、今日からまた「いつも通り」の仕事をしていきたいと思います。