2017年8月8日火曜日

救急車


それにしても、今回の台風、遅くないですか。自動車並みと思っていたら、そんなもんじゃない。自転車並みです。

各地で長い時間大雨になっていますので、様々な災害被害が起こっており、関東地方もまだまだ安心できません。

さて、救急車の話なんですが、乗ったことあります? って、もちろん、救急車に乗るということは、それなりに体調が悪いわけですから、むやみやたらと乗るもんじゃありません。

自分は医者ですから、付き添いの同乗という経験が何度かあります。その時思ったのは、赤色灯を点灯しサイレンを鳴らして走っていても、道を譲ってくれる自動車が本当に少ないということ。

当然、道路交通法に規定されていることですから、緊急車両が接近した場合の対処は、ドライバーなら皆さん、教習所でさんざん習ったはずなんですけどね。

実際乗って前方を見ていると、がっかりさせられる。すぐ後ろに救急車がいるというのに、まったく停まる気配の無い車が多すぎです。交差点でも、前を平気で横切っていくんですよね。

一方、救急車の呼び方もずいぶんと問題になりました。

もっとも、どうなったら救急車を呼ぶかというのは、難しい判断です。命に関わりそうな、自分で動けそうもない状況が一番間違いないのですが、それを簡単に決めることはなかなかできるものじゃない。

少なくとも、かぜをひいたからとか、夜間で行ける病院が近くにないからとか、病院に行く足がないから・・・ということで救急車を利用してはいけないし、実際そういう利用は少なくない。

そして、救急車を受け入れる病院側の問題もよく指摘されます。

昔、救急にいた時に50km以上離れた場所から患者さんが運ばれてきたということがありました。途中、何か所もの病院で受け入れを拒否され、ついにここまで来てしまったということ。

もっとも、中規模病院では、当直はたいてい一人ですから、自分の専門以外の問題だつたり、専門だとしても一人では対処しようもないケースというのは山ほどあって、医者側の立場からは救急車を断ることは無理もないと思えることも少なくはありません。

大きな病院では各科の当直が揃っていて、また専門とする救命センターも増えたので、そのあたりはだいぶ整備されてきている印象はありますが、まだまだ地域によっては不十分と言わざるをえない。

救急車は、絶対不可欠な公共サービスの一つですが、まだまだいろいろな問題が解決されていないし、実際に解決するのはかなり困難なことですね。