2017年9月3日日曜日

路傍の"花"


アスファルトで固められ、路肩や壁のコンクリートで、何処にも土が見えないような場所に、けっこうこぼれた種子から育った植物があるものです。

時には、しっかりと花が咲いて存在感を示す姿は、もちろん涙するほどではありませんが、健気な雰囲気で拍手を送りたくなります。

そういえば・・・「路傍の花」という小説があったっけ・・・うん? 路傍の・・花? あれっ、何か違うぞ、そうそう、石だよ、石。

「路傍の石」は山本有三の代表作。戦前の小説で、中学か高校の時に夏休みの課題図書になっていました。

当然、読後感想文を夏休み明けに出すわけですが、今だから白状しますが、実は読んでいません。

その頃は、毎年夏休みの間に読まないといけない本が数冊あって、全部文庫本で呼んだふりをしていました。

最初の数ページを読んで、最後の数ページに飛びます。そして、解説文を読んでおしまい。すると、不思議なこと?に書けるんですよね、感想文。

だから、昭和の有名な小説のタイトルだけはわりと知っているんですが、実は中身はよくわからないものばかり。「野菊の墓」とか、「蟹工船」とか、「黒い雨」とか・・・

でもね、けっこう読書は好きだったので、本はたくさん読みましたよ。江戸川乱歩、横溝正史とかは、たぶんすべてこの時期に読んだ。

それらからの続きで、小栗虫太郎、夢野久作とか、坂口安吾などなど。当時の作品としては、人気だった北杜夫、遠藤周作、星新一も大量に読みました。

目を通した活字の数だけは、たぶんともだちの誰よりも多かったんじゃないかと自負しています。そのあたりが、たぶん雑学的な知識の根源になっていて、多少なりとも今につながっていると思うんですけどね。