2018年8月29日水曜日

空気感 (3) ないものを写す

f/5.3  1/1000sec  ISO-100  105mm

そもそも空気は見えないし、存在感を意識するものではないので、写真に写すことはできません。だから、感覚として「雰囲気」と呼ぶような感じの事を空気感と呼んでいるんだと思います。

だから、写真に写る空気感というのは、直接写っていないけど感じられるもの、あるいは見えてくるもの、つまり写真から伝わってくるある種のストーリーの一部ということかなと。

ソール・ライターの写真が「いいな」と思うのは、そういう雰囲気をうまくとらえているから。ライターは人を写しても、人が写真の主役ではありません。あくまでも、その場の雰囲気を伝えるための小道具で、空気感の要素の一つなんだと思います。

昨日のエントリーで、搬入口がのぞいて見えていた審判員の方を、位置を移動してスタンドから見下ろしてみた写真です。

ここではフィールドのトラックが主役。人はあくまでも、空気感を感じるためのアクセントなので、わざと三分割構図を崩してできるだけ右下に寄せてみました。

左上から競って走ってくる選手が「見える」ようなら、あるいはせめて走ってくる足音が「聞こえる」ようなら大成功です。