2018年9月30日日曜日

書き頼み

f/4.5  1/4000sec  ISO-900  55mm

人は有形無形のいろいろなものに頼りたくなるんですが、自分だけではどうにもならないことがたくさんあって、自らの弱さを認めている・・・まぁ、そこまで難しく考えなくてもいいんですけどね。

直接的に希望を書いてお願いしちゃう方法の一つが絵馬ですが、もともとは神様の移動手段に利用してもらうために馬を奉納したのが始まり。

さすがに馬はお金がかかるし、もらった神社も時には困ってしまうでしょうし、しだいに馬の人形、そして絵に描いた馬を奉納するようになったんだそうです。

今では、絵馬という言葉は残っていますが、見ての通り馬とは関係ない絵が描かれたものも普通にあります。自由に願い事を書き込む道具になっていて、七夕の短冊とあまり変わりはありません。

それにしても、以前に撮った写真の条件はひどい。そんな設定する必要が無いという感じ。これは先入観が強く働いているんですよね。

昔のフィルムの時は、感度をASAと呼んでいましたが、普通はASA100だったのが、ASA400が登場してより好感度によく撮れるということだったんです。

ですから感度が高い方が優れている・・・のは確かですけど、デジタルの時代では感度を上げるとノイズも発生しやすくなるので、高ければいいというものじゃない。

絞りはできるだけ小さい数字が、光がたくさん入ってレンズとしても高級。ですから、原則、できるだけ小さいf値で撮ろうしている。

これも、f値が小さいとボケがきれいというのはありますが、そのかわり被写界深度が浅くなってピントは合わせずらくなります。

ちょっと絞ったくらいの方がシャープになるので、この写真のような晴天で平面的なものでは、もっと絞ってf/8くらいのほうがきりりとしまった像が得られやすい。

知っていたつもりでも、本当のところは理解していなかったということですよね。

2018年9月29日土曜日

鍵頼み

f/3.8  1/4000sec  ISO-800  35mm

例えば、パリのポンデザール橋のフェンスには2008年ごろから、恋人同士が欄干に南京錠をかけて、鍵は下を流れるセーヌ川に投げ込む「儀式」が流行しました。

しかし、ほとんど隙間が無いくらいにまで取り付けられた無数の南京錠の重さは50tを超えるまでになり、橋の崩壊の危険がでてきたために2015年に撤去されたというニュースは記憶に新しい。

こういうのは世界中にあるようで、日本でも何カ所か観光の目玉として利用されていたりします。公に行われている場所では、鍵をかける場所が決められて専用のモニュメントが用意されていたりします。

恋人同士が別れる確率はよくわかりません。どこから恋人と呼ぶかの定義がはっきりしないし、いちいち別れたのを確認する方法もありません。大学1、2年で付き合いだしたカップルはほぼ100%別れるとも言われていますが、真意のほどは不明です。

鍵をとりつけたカップルが、別れた場合は鍵をはずしに戻ってきてくれればいいんですが、戻ってきても鍵は川の中ですからどうしようもない。

恋愛という精神的なものを、鍵という目に見える形で現したいというのはわかりやすい行為なので、まぁ公共に迷惑がかからないならそれなりにいいかなと思います。ただし、「鍵をかける」ことが、お互いを縛りすぎることにならないといいんですけどね。

2018年9月28日金曜日

紙頼み

f/5.3  1/4000sec  ISO-2500  90mm

切羽詰まると・・・いえ、そこまで深刻な状況でなくても、有形無形のものに頼りたくなるというのは世の常。信じるか信じないかは別として、頼られる代表は「神」です。

神ならぬ、おみくじの「紙」を引いて自分の運をチェックしたくなるというのは、神社仏閣に行くとよくある光景です。

たまたま引いたおみくじの結果が悪い時は、悪い運を捨てていくということで、境内のどこかに残して立ち去るという習慣があります。その結果、大量のおみくじがくくられた木とかをよく見かけます。

実際、あまり意味のある行為ではないらしいのですが、気持ちはよくわかる。中には、大吉とかのグッドにおみくじも残されていたりして、良い運を残していく人もいたりします。

それにしても、この写真は見た目にはちょうど良い感じの露出に見えますが、設定はどうしたらこんなになると思うような数字が並びました。

露出優先オート・モードの不思議ですが、暗い所を撮った直後に明るい所にカメラを向けるとしばしばこうなるということでしょうか。

2018年9月27日木曜日

如雨露で水鏡

f/3  1/125sec  ISO-100  60mm

如雨露、と書いて「じょうろ」ですが、これは語源は耳で聞いた外来語。ポルトガル語で「噴射」とか「放出」を意味する「jorro」からきた言葉とされています。

盆栽の鉢にたっぷりの水を「jorro」するために、一杯まで水を入れてみたら、表面が水鏡になる・・・って、当たり前ですけど。

黒松の鉢を直接ではなく、水鏡を通して見ると面白いかなと思いました。実際、やってみると、作戦としてはまぁまぁなんですが、如何せん如雨露が小さすぎですね。

直径15cmくらいで1リットル、しかも半分は蓋されているので、写る範囲がわずかです。

こうやって説明するとわかってもらえると思いますが、説明抜きで上の写真見ても、何だ見りゃ状態ですね。

2018年9月26日水曜日

メカ

f/5.6  1/125sec  ISO-100  160mm

自分はバイクは乗らないのですが・・・というか、乗りたくない、いやっ、乗ってはいけないものと思っている。

どうしても、仕事が整形外科なので、バイク事故でぐちゃぐちゃというのはたくさん見てきたので、バイクに乗るのは自殺行為としか思えない。

さらに過去の「トラウマ」みたいなものですけど、住んでいた場所の近くを、いわゆる「暴走族」がすごいクラクションと爆音と鳴らしながら走り回り怖かった、そして腹が立ったというのもある。

・・・なので、自分から乗ってみたいと思うことはないのですが、メカニックな雰囲気がある大型バイクは、素直にかっこいいと思っちゃいます。

こちらはYAMAHA。楽器だけでなく、発動機の分野でもブランド力がありますよね。速度計でびっくりするのが、なんと190km/hまで目盛があること。

国内では合法的にそれだけスピードほ出せるのはレース場くらいしか無いと思いますが、バイクで100km/h以上は危険すぎると思いますので、もう少し少なめに抑えた方がよかないか・・・

2018年9月25日火曜日

甍の波

f/6.3  1/125sec  ISO-200 300mm

五月向きの話題で、ちょっと季節的にはずれていますけど、鯉のぼりの歌詞の中に「甍(いらか)の波」という言葉がありますよね。

甍というのは屋根瓦の事で、水面のさざ波のように屋根が続く中に、「屋根より高い」鯉が飛び跳ねているかのような情景を歌っているわけです。

ところが、もう今では日本建築らしい屋根瓦を使用した家屋は、うちの近辺ではほぼ見かけなくなりました。時代ですからしょうがないことですけど、今どきの立体感の無い屋根は大半がスレート葺と呼ばれるもの。

小高い丘陵に密集して建てられた家々は、離れと眺めるとどれも個性が無くて、似たり寄ったりですよね。

直接見たことはありませんけど、たぶん中東あたりの市街地で、低層の茶色の土壁の家が立ち並ぶ光景を思い出させます。そこで、写真は彩度を落として、やや黄色味を強調してみました。

なんにしても、一般庶民の生活はこの中にあるわけです。政治の世界では、大きな企業しか見えていないように思いますけどね・・・

2018年9月24日月曜日

中秋の名月 2018

f/8  1/800sec  ISO-800 500mm

今年は、中秋の名月が9月24日、でも満月は9月25日です。暦と実際の月と地球の位置関係は、多少のずれがあるのでしょうがない。

それよりも、問題は天気。日本のすぐ南の海上には秋雨前線がありますので、今日の天気は曇りから雨ということで、とてもお月見ができそうな天気ではなさそうです。

しょうがありませんから、6月の満月の時に撮影したものでガマンということで。

何度も書きましたが、月の撮影の設定は簡単。満月の時は、マニュアル撮影モードで、絞りはf/8、シャッター速度は1/800sec、そしてISOは800というのが基本。

8-8-8と覚えておけばいいので、わかりやすい。満月は一番明るいので、その時の月の満ち欠けや、天気の具合によって、絞りを開けるか、ISOを高くすることで何とかなります。

天体として撮影したければ、焦点距離は最低でも300mmくらいは欲しいわけですが、通常一般的に手に入れやすいのは500~600mmくらいまでで、この写真でも500mmを使用していますが、おそらく1500mm相当くらいまでクロップしています。

正統派は三脚を立てての撮影が王道ですが、手持ちしかしない自分の場合は腕をしっかりどこかにおいての撮影。完全な手持ちでは、ほぼ100%ぶれまくります。

いずれにしても、いろいろな意味での写真撮影の練習になる身近な被写体ですし、満月は何度も訪れるので一度は挑戦してみて欲しいものです。

2018年9月23日日曜日

暑さ寒さも彼岸まで

f/5.6  1/800sec  ISO-3200 110mm

・・・とよく言われていることですが、殺人猛暑とまで呼ばれた今年の夏のすさまじい暑さは、さすがに落ち着いてきて、朝のひんやりした空気は秋の気配そのもの。

朝晩は20゚前後、日中は25゚くらいが一番すごしやすい感じですが、秋雨前線の影響で天気がパッとしないのが残念。

去年の今頃は出雲にでかけて、日本の始まりに興味を持ちました。まさに読書の秋(から冬)だったわけで、日本古代史にはまり、関連書籍を数十冊読んだりして知的好奇心を満たしていました。

今年は、写真。芸術の秋とまでは言わないものの、漠然とシャッターを切っていたのが、「絵」を意識するようになり、面白いと思ってい写真がつまらなくなり、つまらないと思っていた写真が面白くなったりしています。

例えばこの写真は、出雲大社の建物の一部。露出優先オートでの撮影で、設定はなんかめちゃくちゃ。撮った時は対角線構図の練習で、遠近感がいいと思っていました。

でも、あらためて眺めてみると、ちょっとだけ差し込んだ秋のやさしい感じの日差しの明るさと、古い木材の質感に面白さを感じます。

年をとっても、いろいろなことに興味を持ち続けることが、老け込まないでいられる大きな要因の一つだろうと思いますので、今年の秋も掘り下げられる興味の対象を見つけたいと思います。

2018年9月22日土曜日

Crowd

f/6.3  1/40sec  ISO-100  300mm

実際に、歩道から溢れんばかりにすごい人混みです。写真に撮ると、肉眼で見るよりもさらに混雑感が増大します。

これは、望遠レンズに顕著にみられる「圧縮効果」と呼ばれる現象。圧縮効果は、被写体の距離感が実際よりも縮まって見えること。

この写真だと一番遠いところまで500m近くあるのに、すぐ手前から全部一枚の写真の中に納まっているわけです。そりゃ、ものすごい人がの数が密集しているように見えるわけです。

これをうまく使えば、閑散とした感じをぎゅっと締まった感じにできるのですが、下手すればごちゃごちゃにするだけという場合もあります。

また、写真での距離感はかなりわからなくなるので、時にはトリック写真のようなものになってしまうこともあり、現実をそのまま捉えられないこともあり注意が必要です。

とは言え、普通は写真としての面白みが増すので、望遠レンズを利用する場合にはうまく使いたいですよね。

2018年9月21日金曜日

なかよし

f/6.3  1/160sec  ISO-200  500mm

夕方が近づいて、人もいなくなった浜で遊ぶ二人のこども。おそらく地元の子でしょう。

仮にしんちゃんと、しげちゃんとでもしておきましょうか。

たぶん二人は仲よしで、一緒に何を話しているんでしょうか。もちろん他愛のない事だとはおもいますけど、もしかしたら・・・

「しげちゃん、がんばったけど、やっぱり僕の方が強かったね」
「うん、でもしんちゃんが強いんじゃなくて、僕が弱かっただけだからね」
「勝ちは勝ちなんだから、文句言っちゃダメだよ」
「うん。また明日も遊ぼうね」
「そうだね」

なんにしても、こどもは絵になるということですかね。

2018年9月20日木曜日

後ろから光

f/1.4  1/125sec  ISO-400 58mm

店内で写真を撮ることがよくあると思いますが、まず基本的に施設管理者の決めたルールがあれば守る必要があります。「撮影禁止」と表示されている場合、あるいは直接注意されるような場合には、スマートホンであってもカメラを使うことはできません。

撮影が大丈夫でも、他のお客さんがはっきりと写るような写真は控える必要があります。基本的に料理そのものには著作権は認められていないのですが、店が特定できる形式でブログやSNSで紹介する場合に、ルールを守ることが大切です。

人物を写すのはちょっと話が違うと思いますが、屋内での撮影でも光の当たる方向は写真の印象に大きく影響するので、お店の中などではちょっと座る位置なんかは気にしておいた方がよさそうです。

物に対して直接的に光が当たっていると、影が後方にできるわけですが、この場合表面がのぺっとして立体感が薄れてしまうことがあります。

この写真では店内の光は暗めで、積極的にどっちから強く当たっているということはありません。しかし、窓ガラス越しに、外からの光が斜め右後方からうまい具合にやさして光が入ってきていました。

ワイングラスの縁が光で浮き立って、立体感がうまく出た写真になりました。周囲の薄暗さが、さらにグラスを浮き立たせる効果を増大させてくれています。おつちいた印象を出すために、彩度は低めに、コントラストはやや強めにしています。


これは昔撮った、コンデジの写真です。自分的には、いわゆる「奇跡の一枚」の一つ。

とても美味しそうに見える、インスタ映えする写真なんですが、コンデジでほとんどオートの撮影ですから、こういう写真になったのは偶然の結果でしかありません。

でも、何が良かったのかと考えてみると、料理そのものの盛り付けがいいのは当然として、ピントが一番目立つ位置にしっかり合っているというのがあります。しかし、たぶんそれにもまして影響しているのは光の当たり方です。

この写真でも左後方から斜めに外からの太陽光があたっていて、明るい所と影の部分がうまい具合にできたことで料理の立体感が強調されました。

スタジオで、どこから光が来るかを自分でコントロールする・・・つまりプロのようにライティングをするならともかく、一般のアマチュア、まして移動しにくい店内のような環境での撮影では注意したポイントです。

せっかくネットに上げるなら、少しでも美味しそうに見える写真を使うのもマナーの一つです。

2018年9月19日水曜日

マネキンの記憶

f/5.3  1/125sec  ISO-100 105mm

そのマネキンは、自らは何もできません。ただ着せられるままにスーツを着て、椅子に座らせられています。

でも、彼にも実は思い出があって、ショーウィンドウに写った街並みが、記憶の断片を写しだしているように見えました。もしかしたら、かつての恋人だった女性に思いをはせているのかもしれません。

そんな、ロマンティックな想像をしてしまう一瞬なんですが、ショーウィンドウの中だけを見ていると、きれいにディスプレイされた空間だけのことですが、実はガラスをずっと見ていました。

ガラスに何かが反射して写るのが面白くて、ずっとカメラを抱えて待っているおじさん・・・って、他人から見ると変な人ですよね。

2018年9月18日火曜日

光が射す方向

f/5.6  1/160sec  ISO-100  82mm

どこから光が射しているかというのは、写真ではけっこう重要なポイント。

被写体に正面から光が当たっているのは順光で、背面からだと逆光といいます。一般的には、逆光の写真は被写体が暗くなってしまい、あまりいい写真とは言われません。

ただし、それはあくまでも設定をオートにしている場合の話。オートだと、全体の光量から適正な絞りやシャッター速度をカメラが自動で決めてしまい、背景の明るさを中心に設定されてしまいます。

最近のカメラなら、たいてい付加されている機能にHDRというのがあります。High Dynamic Rangeの略で、簡単に言うと明るい所を暗く、暗い所を明るく合成して写真を見やすくするというもの。

カメラで撮影時にHDRを使うと、複数の露出の異なる写真を同時に撮影して自動的に仕上げてくれます。また現像ソフトでも、同様の修正ができたりする。

ただし、写真を撮ってみると、そしてマニュアルでの撮影をするようになって、逆光をうまく利用する方がいい感じになるんですよね。

上の写真は、わざと逆光での撮影。しかも、早朝。早朝というのは、ポイントが高いところで、光が比較的水平に当たってくる。

花の本体は暗めになりますが、輪郭が明るくくっきりします。朝露の光が玉ボケになって、写真の「らしさ」を強調してくれます。

同じ場所で、くるっと向きを変えて撮影したのが下の写真。

f/5.6  1/160sec ISO-100 105mm

以前だったら、これで満足していたと思います。

順光に水平に射す朝日で、花全体が照らされて、まぁ「きれい」な写真なんですが、個人的な感想としては面白味には欠けますね。

上の方が「いい写真」とまでは言いませんが、「らしい写真」かなと思います。

2018年9月17日月曜日

Over & Under

f/5.6  1/2000sec  ISO-100 300mm

写真での光の量の扱い方を極めことができれば、写真趣味としては怖いものなしということ。

光の量・・・つまり、露出です。いくつかの要素によって決まる、レンズを通してカメラの中に入ってくる光。これを簡単に語ることなどできませんが、デジタル時代になって、撮影後でも簡単にある程度は光を増やしたり減らしたりできるようになりました。

こんな写真で何だと言われそうですが、だーっと雨が降った後に日が強烈に射してきて、レースのカーテン越しに外のタイルに反射する光がまぶしい・・・という感じなんです。

カーテンの隙間の眩しさが「ちょっといい」と思ったので、パシャ。

撮影自体は、ほぼ標準的な露出に設定しましたが、後で明るい所をより白く、暗い所はやや黒く、コントラストを強調してみました。

黒く潰れたり、白く飛んだりする写真はダメ写真の代表的な例とされますが、意図的に露出を操作することは、商業写真ではないアマチュアの楽しみとしてはまったくOK。

いろいろと明るすぎ、暗すぎをわざとトライしてみるのも楽しそうです。

2018年9月16日日曜日

緊急・エタネルセプトBS「MA」について

http://www.ayumi-pharma.com/ja/healthcare/rheumatism/etanercept/

エタネルセプトBS「MA」は、関節リウマチ治療薬の一つです。バイオシミラーと呼ばれる、先行医薬品の特許切れにより他の製薬会社が製造販売する「ジェネリック医薬品」です。

バイオシミラーは、新薬と同じような治験が行われ、有効性・安全性について先行薬との同等性が証明されたデータが公表されています。生物学的製剤(いわゆるバイオ製剤)は、薬の価格が高額で、使用する方への経済的負担が大きいこともあり、より安価なバイオシミラーは、積極的に利用する意味があると考えています。

現在、関節リウマチ治療に用いられている生物学的製剤の中で最も高いシェアを獲得しているのが、2005年に発売されたファイザー製薬の「エンブレル」ですが、本年6月にそのバイオシミラーである「エタネルセプトBS「MA」」があゆみ製薬から発売されました。

一番使われている自己注射のしやすいシリンジ・タイプのものは、一箱に4本入っていますが、薬価はエンブレルで約6万3千円円/箱、エタネルセプトBSで約3万7千円です。実際に薬局でお支払いになる金額は。自己負担割合により異なります。

当院でも、使用する方々の利益を考え、先行する「エンブレル」からの積極的な切り替えを実施いたしました。ところが、7月には製薬会社より予想を超える需要のため製造量が追いつかないというアナウンスがあり、新規に処方しないよう要請がありました。

その後綿密な調査を行った結果、さらに9月になって現状では需要に対して供給できるのはわずかに20%程度であることが判明したとのことで、各医療機関ごとに来年3月までに供給できる本数の均等な割り当てがされたとの案内がありました。

この割り当てでは、使用中の方、公平に全員に振り分ける場合、ぎりぎりあと1回だけは処方できるかもしれない程度の量にしかなりません。従いまして、使用する本数が多く経済的な負担が高い方などを優先するような、ある程度の選別をせざるをえない状況であると考えています。

同等薬との扱いになっていますが、バイオ製剤を切り替えた場合、期間が経つと前薬に戻しても効果が以前ほどには出ない可能性も否定できません。戻すのであれば、あまり遅れない方が良いのではないかとも考えられます。

従いまして、実質的に、今後の処方分については元々使用していたエンブレルに戻すしかない状況であることをご理解いただきますようお願いいたします。いろいろご迷惑をおかけして、大変申し訳ありません。

なお、製造量は当初の4倍にあげているため、来年4月以降は十分に供給できるとの説明でした。しかし、現在で20%の供給量で、4倍になっても100%には届かないわけですから、少なくとも来春以降も新規の方への使用は困難な状態が続く可能性があります。

このような状況に対して、少なくとも、HP上でトップに掲載すべき「お知らせ」と考えますが、あゆみ製薬は一般向けのアナウンスは、おそらくほとんどしていません(9/15現在)。このような点も含め、あまりの見込みの甘さには製薬会社として問題を指摘することは禁じえません。

いずれにせよ、使用する方々のことを考えて、より早期に問題を解決できるように努力してもらうしかありません。

2018年9月15日土曜日

前を見なくなった日本人

f/5  1/640sec  ISO-100  82mm

昭和人の繰り言と言われればそれまでのことですが、戦後の荒廃した国土を立て直すため、日本人は老若男女一丸となって、ひたすら前を見据えて国を立て直したのが高度経済成長と呼ばれる時期の事。

後ろを振り返っている暇は無く、前を見ることしか考えていなかった。もちろん、必ずしもそれが最良だったわけではなく、その結果、いろいろなほころびが積もり積もってバブル崩壊に至るという認識は間違いではないと思います。

多少の犠牲には目をつぶって、社会全体の発展に尽力する時代から、今は個々の権利を主張し自分の周りだけを見ているような時代に変化しました。

どっちもどっちみたいなところで、両者にそれぞれ問題点は山ほどあるわけですが、現代社会を象徴するみたいに思うのがスマートホンの普及。人の事をどうのこうとと言えない話ではありますが、そこらの街中をよく人々の実に多くがスマホ片手に歩いている。

前なんて見ちゃいないわけで、周囲に注意を払うなんてことはなく、自分の興味の対象にだけ注目しているわけです。ネットに溢れている情報の多くは、正確で、今、必ず知らないといけないものなんてほとんど無い。

せめて横断歩道ぐらいは、スマホを下ろして前を見て歩きましょうよ・・・と思ったわけです。

2018年9月14日金曜日

Distortion and Strain

f/5.3  1/640sec  ISO-100  90mm

「歪み」と書いて、「ゆがみ」とも「ひずみ」とも読みます。両者の違いはわかりにくい。

ネットで調べるといろいろなことが書いてあって、違うことを意味しているような説明があるんですけど、結局のところ日常的な使用では明確な違いは理解しにくい感じがします。

この写真にタイトルに「都会の歪み」と付けた場合、「ゆがみ」と読むと、曲面の壁を持ったビルに移った物理的にねじれた光景を意味するように思いますが、「ひずみ」と読むと都会に潜在する問題点のことのような印象になります。

まぁ、どっちでもいいようなところもあるんですが、どのように感じるかは各人のお好みですかね。

2018年9月13日木曜日

インスタ映え

f/5.3  1/100sec  ISO-640  100mm

カメラを使って楽しむことについては、世の中、インスタ映えが主流のご時世です。

インスタ映えというのは、SNSの一つであるInstagramに投稿することを前提に、写真あるいは動画の見栄えが良いという意味。

昔だったら、写真の見栄えが良いことをPhotogenicと呼んでいましたが、両者には微妙な違いがありそうです。

まぁ、あまり細かいことをぐすぐすいっても「おっさんのぼやき」になりますし、そもそも自分はインスタには手を出していません。インスタを語れる立場ではないので、あまり突っ込んでもしょうがない。

とりあえず、こんな写真はインスタ映えでしょう。

ミニ・クッキーの詰め合わせです。本当は、もう少し色数が多くてカラフルならばっちりなんでしょうけど、クッキーですから、あまりどぎつい色はありません。

まぁ、可愛い!! とか、美味しそう!! とか、女子たちの声が上がりそう・・・なところが、インスタ映えです。

2018年9月12日水曜日

たぶん・・・青春

f/18  1/100sec  ISO-640  50mm

青春・・・というのも、ずいぶんと「昭和」っぽい言葉になってしまった感があります。

日本テレビで、「青春」をタイトルにつけたドラマ・シリーズがたくさんあった影響かもしれません。

何かの部活で、海辺でトレーニング。夕方になり、今日はおしまい。そこで、並んで座って、井戸端会議の始まりです。

今日の部活の反省をしている・・・と、思わせつつ、あの先輩がかっこいいとか、その後輩が可愛いよねとか・・・

いろいろな会話が聞こえてくるようで、まさに青春ドラマのワン・シーンみたいな雰囲気です。

まぁ、明日も頑張ってください。

2018年9月11日火曜日

Inner Flame

f/1.4  1/80sec  ISO-400  35mm

写真でフレームと呼ぶのは、全体の枠の形の事で、一般的な一眼レフカメラでは36mmフィルムの大きさが標準的に使われています。ですからデフォルトは横と縦の比率は横長の3:2ですので、縦長にすると2:3というフレームの中に画像が収まります。

その中に、さらに枠を写し込んで、写真の中にさらにフレームを作るのが面白い。写真の中の注目したい部分を強調する役割をしたり、写真全体のムードを作り出すことができます。

この写真の場合は、ガラス張りの花屋の店舗の入り口のサッシの枠が、ちょうど写真構図の基本である三分割法に一致しています。

真ん中1/3が明るい店舗の中、花を選ぶ女性がいます。ガラスに張られたチラシが邪魔なんですが、ちょうど女性客の顔を隠しているのでOKとしましょう。

左右1/3はそれぞれ暗いロールカーテンが下ろされているので、街並みが反射で写り込みました。カメラの後ろの情景もみえてくるので、暗くなったちょっとおしゃれな感じの繁華街の賑わいも見えてきます。

まぁ、ここまで明示的なインナー・フレームは、あからさますぎるかもしれませんが、フレームの中と外のどちらを主役にするのかによって、写真はずいぶんと変わりますので、うまく利用したいテクニックの一つだと思います。

2018年9月10日月曜日

Landscape or portrait?

f/1.4  1/125sec  ISO-400  35mm

写真の場合、横長の構図にするのか、縦長の構図にするのか、というのは何気なくカメラを構えてしまうとデフォルトが横長ですから、そういう写真が多くなってしまいます。

似たような話はすでに書いていますが、もう一度実際の写真で見てみます。

東急田園都市線のたまプラーザの駅舎ですが、何年か前に改築されて天井がものすごく高くなり、商店街を包み込むような奥行きのある屋根が設置された感じになりました。

まず上の写真。元々は、もっと周囲が入り込んでいるのですが、横長にトリミングしました。目の動きはどちらかというと水平が自然なので、ピントの合っている時計から始まって左から右へ視点が移動して、深い奥行きを感じ取ることができます。

次は縦長にトリミングしてみましょう。


今度は、下の時計から視点の移動は上に積極的に動くと思います。その結果、随分と天井までが高いという印象をもつ写真になりました。

一般的な風景のように水平に広がりがある場合は横長が適していて、その場合をlandscapeと呼びます。一方、人物中心に撮影するような場合は縦長が収まりがよく、portraitと呼んでいます。

シャッターを切る前に、自分が撮影したいと思っている状況が何かを意識する、そしてそれをどのように表現したいのかを少しでもイメージしておくことは、写真の出来を大きく左右するということです。

もっとも、デジタル時代ですから、これみたいにあとからパソコンで修正することは可能ですが、必ずいつでもできるとは限りません。場合によっては、いじりようがない場合は少なからずあるものです。

カメラを構えなおすにしても、写真を見て視点を移動する場合にも、縦長のportraitの場合は、意識的に変更をしないといけないので、意味もなく縦長の写真にすることは避けた方がよさそうです。

でも、逆に縦長の必要性を感じた場合は、より積極的に利用することが写真の「面白さ」を増大させてくれることは間違いありません。


2018年9月9日日曜日

匠の蕎麦打ち (3) きる

f/2  1/80sec  ISO-200  58mm

「手打ちそば おおつか」は、横浜市都筑区、港北ニュータウンと呼ばれるセンター南駅とセンター北駅のちょうど真ん中あたり、偶然にも大塚という交差点の近くにあります。

絶品手打ち蕎麦の店として、今までに何度もメディアに取り上げられている実力は本物で、いろいろと食べ歩いた中ではダントツの美味しさを提供してくれます。

その匠の技を見たいと思い、写真に撮らせてもらいました。蕎麦粉に「水まわ」して捏ねて「そば玉」にし、手で押して「地のし」麺棒で「丸だし」、角を作る「四つだし」を経て、「本のし」で薄い生地が出来上がりました

これを20cm程度に折りたたんで切る作業にはいります。

包丁は専用のけっこう大きなものを使い、小間板に沿わせて押し出すような感じで切っていきます。「おおつか」の蕎麦は細くて、太さは1mm程度。

慎重さが必要なところですが、さすがに長年やっていることですから、どんどん切れていきます。

f/2  1/80sec  ISO-200  58mm

ある程度切ると、これをそっと持ち上げ、軽く振るうようにして打ち粉を落とします。ここまで比較的力強さが目立つ工程でしたが、この時ばかりはやさしく愛でるように切り終わった蕎麦を扱っているのが印象的でした。

f/1.4  1/200sec  ISO-80  58mm

すべて切り終えて、その日の分の蕎麦が出来上がりました。だいたいざる50枚分くらいなんでしょうか。ここまでかかった時間は40分程度。意外に早くて驚きました。

あとは注文があるたびに、大量の湯で茹でるわけですが、茹で時間はだいたい20秒程度。本当にお湯の中をくぐらす程度で、すぐに冷水でしめて出されると、匠の絶品を味わえるということになります。

出し切れば店終いです。土日だと11時半から1時くらいまでで無くなってしまいます。

どうしても、ずっと下を向いて行う作業なので、匠の表情がなかなかとらえることができませんでした。以前に一度テレビの取材で、顔を上げてほしいと言われてやってみたそうですが、やりにくくてしょうがなかったそうです。

顔がはっきり見えなくても、手元や背中で熟練の技を感じることができたように思いますが、それを写真として表現できているかは・・・いかかでしょうか。

2018年9月8日土曜日

匠の蕎麦打ち (2) のばす

f/1.4  1/100sec  ISO-100 58mm

蕎麦を食べることに関してはかなり経験豊富なつもりですが、蕎麦を打つことに関してはまったくわかりません。

港北ニュータウンの有名な「手打ちそば おおつか」の店主の匠の技を、ただただ感心して見ているだけなんですが、意外なほど短時間でどんどんと上がっていくので驚きでした。

こねて丸くなったそば玉は、「地のし」で丸い平たいお盆みたいになり、上の写真のような一番短い麺棒によって「四つだし」と呼ばれる角がでてきて四角形になりました。この時点で、50cm四方、厚さ1cm程度でしょうか。

後ろに、6本の麺棒がかけてあり、長さの違いで3種類、そしてそれぞれ細いものと太いものが用意されているようです。ちょうど写真でいうと各種のレンズみたいで、広角・標準・望遠で単焦点とズームがあるような感じでしょうか。

f/1.4  1/200sec  ISO-200 58mm

これらの麺棒を使い分けていくと、すごいスピードで薄い紙のように伸ばされていきました。厚みを確認しながら、均等に伸ばしていくのはおそらく大事なポイントなんでしょうが、あまりにさりげなく仕上がっていきます。

厚さは1mmくらい、幅80cm、巻き取られた長さは3m近くありそうです。ここまでかかった時間はこねるのに10分、伸ばすのに10分です。

写真は、もちろん撮影はカラーなんですが、白黒にしてみると陰影がはっきりして腕の筋肉の力の入り具合がわかりやすい。また、ちょっと古めかしくなって、職人らしさが強調されると思います。

2018年9月7日金曜日

匠の蕎麦打ち (1) こねる

f/5.6 1/60sec ISO-800 300mm

蕎麦が大好きで色々と食べ歩いてきましたが、手打ちのこだわりの店ということなら、自分の中で圧倒的に美味しい蕎麦を食べさせてくれるのが「手打ち蕎麦 おおつか」です。

何度かメディアににも取り上げられていて、そのたびに大混雑ですが、落ち着いた時期でも土日は行列で昼過ぎには蕎麦が無くなって営業は終了してしまいます。

今回は食べる方ではなく、その絶品の蕎麦を打つところを写真で紹介します。

店主に写真を撮らせてほしいとお願いしたところ、簡単にOKしてくれました。ただ「朝は早いけど来れる?」というので、「はい、朝は強いので大丈夫」と言ったものの、「4時半くらいだよ」となって・・・

頼んだからには遅れまいと3時半に起きて、4時過ぎには到着。それでも待たせたようで、作業は4時20分には即開始です。

匠の最初の作業は、こね鉢に用意した蕎麦粉に水を回し入れこねていくもの。おから状になった蕎麦粉を物凄い勢いでこねているところが上の写真。

力強さを出したかったので、シャッター速度はゆっくりにして動きを出しました。

f/1.4  1/100sec ISO-100 58mm

さらに練り続けていくと、少しずつ塊が大きくなって団子状になります。ひとまとめになった「そば玉」を手で押し潰していく「地のし」をしているところが2枚目の写真。

体重を乗せて手の平である程度まで押し広げていくわけですが、けっこう力が入っています。これだけでも、けっこう平らに仕上がっていくのには体力が必要そうですね。

ここまでも10分足らずで、あっという間です。

2018年9月6日木曜日

困ったら人ですが・・・

f/8  1/15sec ISO-50  230mm

ちょっといい感じの写真を撮るために、困った時の解決策の一つに「人を写すとなんとかなる」というのがあるらしい。

とは言っても、先日書いたように、今どきは個人が特定できるような写真は撮っても公開は簡単ではありません。

この写真は、ガラス越しに女性がいて、彼氏だか誰だかを待ちつつスマホをいじっているところ。

見たままのストーリーはそんな感じですが、窓に見えるロゴは某有名ブランドだったり、写り込んだ信号が赤で「待ち人来たらず」を暗示しているのかとか、想像を膨らますこともできます。

けっこう何かのCMに使えそうな、写真としては悪くはないと思うんですが、やはり決定的に失敗作と言える理由は、女性の顔がはっきりわかる点にあります。

撮影条件はかなり無理していて、けっこう離れた暗い場所だったので、まぁいいかなと思ったのですが、デジタル技術はすごいものでけっこうはっきり写ってしまいました。

結局、こういうネット上に使用するなら顔をわからないように加工しないといけません。それだけで、写真としての面白さが一気に無くなってしまいます。

2018年9月5日水曜日

水踊る羽衣

f/5.6  1/640sec ISO-3200 300mm

田圃は水が必要。近くには水路が必ずあって、湖・池、あるいは川から効率的な取水をするようになっています。

そういうところを上から除くと、たくさんの水草が水流の中でゆらゆらと揺れているのはよく見かける光景です。

たぶんハゴロモモと呼ぶ種類だと思いますが、夏に小さな花をつけます。金魚の水槽によく入れているのも、この仲間だと思います。

もう少し水のきらめきみたいなものを表現できるとよかったのですが、かろうじて水中花であることがわかりますよね。

2018年9月4日火曜日

浮遊する羽衣

f/5.3 1/800sec  ISO-64  90mm

花としては珍しいものではなく、夏にたくさんのラッパ状の小さな花と香りで楽しませてくれるハゴロモジャスミンです。

ちょうど落ちて来た瞬間・・・ではなく、この花は浮いているんです!!

おおよそ高さ2mくらいの場所で、元々、花が咲いていた場所から50cmくらい下に静止しているという離れ業。

まぁ、正解は簡単な話で、クモの糸にぶら下がっているというだけの話なんですが、ちょっと見ると不思議なところがあったので写してみました。

ただ、物が小さいだけにピントが合いにくくて、けっこう難しかった。風で微妙に動きますしね。

2018年9月3日月曜日

雨を雨らしく

f/5.6  1/160sec  ISO-800  160mm

突然のゲリラ豪雨というのは、今や普通になってしまった日本です。昭和の昔の「夕立」という、風情のある呼び名は完全に消滅した感があります。

さて、雨を写真に撮るというのはけっこう難しい。なにしろ基本的に透明な水ですからね。

黒澤明の「羅生門」では、白黒の画面に雨筋を美しく映し出すために墨汁を混ぜたというのは有名な話。テレビドラマで雨のシーンを撮影するときは、まさにゲリラ豪雨なみに散水してやっと降っているのがわかる程度になります。

雨滴の落下速度は、霧雨で2m/sec、大粒だと最大で10m/sec程度といわれています。

昨日の豪雨の時に、いろいろ試してみて、上の写真ぐらいが一番雨らしく思えました。シャッター速度は1/160sec(0.00625秒)ですから、一つの雨滴は6.25cm移動していることになります。

1/100secだと、雨筋が長くなって全体に白っぽくなって霧で煙っているような感じ。1/640secだと雨筋ではなく雨の点になってしまい、ただのノイジーな感じがする写真でした。

ということで、豪雨を豪雨らしく撮影するのは、個人的には1/160secのシャッター速度がおすすめということでした。

2018年9月2日日曜日

肖像権の問題

f/5.6  1/2000sec ISO-400 300mm

街歩きのスナップ写真撮影・・・するのは簡単ですが、そもそも街中でカメラを構えて(しかも、やたらと目立つでかいレンズとか使ったりして)というのは、割と勇気がいる。

被写体が物だけなら、撮影すること自体にはあまり躊躇しないですみますが、人が入ってくるとなると話は別。隠れてこそこそするわけではないので、盗撮と間違えられる心配はないかもしれませんが、昔と違って肖像権というやっかいな問題がある。

もちろん、あくまでも個人的な記録としての撮影では、基本的に、撮影したい被写体に入り込んでくる人については問題はないといわれています。自分の場合は、大多数はこれにあたるのですが、一部はブログに使用しています。

明らかに特定の人を中心に撮影して、しかもその個人が特定できるような写真の場合は注意しないとトラブルのもとになります。

例えば、コンテストなどに出すような公に使用する場合、ましてやブログやSNSのようなネット上に公開するとなると、個人の趣味の領域だとしても問題になる可能性が出てきます。

少なくとも、写真を撮らせてくださいと声をかけるのは最低限のマナーとして必要。場合によっては、使用目的を了承してもらう書面を残すくらいまでしておく必要があったりします。当然、写真を商業目的で使用する場合は必須。

ですから、顔を正面から写すことは原則として避けておくことが望ましい。できれば後ろからの撮影が無難。自分の場合は公開する時は、クロップして写真の枠から除いたり、顔はぼかすように修正を入れています。

上は駅前の写真で、駅に向かう人をいろいろと撮影してみたわけですが、当然すべてに人が写っています。ただし、幸運なことに何枚かは誰も顔がカメラに向いていない写真がありました。

実は、歩いている二人の女性から、いろいろな会話が想像できてけっこう気に入っている写真なんです。特に職業柄、膝の具合がけっこう気になっていたりします。

ちなみに、レストランなどでの料理の写真というのを、よく写真に収めたりしますよね。少なくとも自分が注文したものについての撮影は法的に問題はないようです。ただし、店のルール、例えば「店内撮影禁止」などを明示している場合は、それに従う義務があります。店のルールに従わない場合は、店はサービスの提供を拒否する権利を有しています。

とにかく、個人で楽しむ写真だとしても、後で問題にならないようにある程度の配慮は必要ということですよね。

2018年9月1日土曜日

Abandoned

f/3.8  1/800sec  ISO-100 35mm

大都会ではなくても、駅前となれば、ある程度新しい建物が並んで活気があるものです。

地方都市の駅からわずかに1ブロックの空き地にある廃屋が、自然との融和が進んでいて、目につきました。

廃屋という言葉を英語で探すと、いろいろ出てくるんですが、「ruin」というのは原型を留めないくらい破壊が進んだものに対して使うらしい。「deserted」をつけると朽ち果てたという感じ。

「abandoned」をつける場合は、放棄されたという感じで、たぶんこの家の場合には一番相応しいと思います。

夏草が伸びて自転車にからまっているだけでなく、窓の内側の屋内にも伸びています。

たまたま、ひと夏だけ、住民がいないだけなのかもしれませんけど、壁の木材からしてそれなりに古い家のようです。ただ、アルミ製の窓枠や扉は傷みが少ないですね。

かつては、どんな人が生活をしていたのかと想像したくなる光景でした。