2018年12月18日火曜日

Apollo 13 (1995)


1995年、アメリカ映画。監督はロン・ハワードで、のちに「ビューティフル・マインド」や「ダヴィンチ・コード」で知られますが、監督としての知名度を決定づけた作品と言えます。


アメリカの宇宙開発は、50年代のとにかく人を宇宙に送り出すマーキュリー計画から、人を月に降り立たせるアポロ計画へと推移していきました。

故ケネディ大統領は、1961年の演説で「10年以内に月に人を送り込む」と宣言しました。日本の高度経済成長のような「国威高揚」のためのスローガンの一つだと思いますが、アメリカの科学技術者は一丸となって月旅行を目標にしたわけです。

アポロ計画では、一号が発射台で火災を起こし搭乗員3名が死亡しましたが、その後は順調に計画が進行し、ついに1968年に11号が月面への着陸に成功しましたが、目標が達成されると、人々の関心は急速に消退していきました。そこで、再び全米の注目を集めたのがアポロ13号(1970年)でした。

月への往路で、爆発事故により致命的な破壊が起きたのです。宇宙船の中で生存し帰還する戦いは、搭乗していた3人の宇宙飛行士だけではなく、地上の管制塔でも多くの人がスタッフがこの難題に挑み、そして成功させたのです。これは「成功した失敗」として、NASA史上に記憶されることになりました。

この映画では、その実際にあった宇宙サバイバルを映像化することに成功しています。一般的に知られている事実からすると、かなり忠実に再現している感じで、フィクションはほとんど無いらしい。

その割には、全編にわたって緊張感が続くのは、まさにこれが「事実」だったということ。特に、最後の大気圏突入で通信が途絶えた後、「3分間で通信が回復しないと死を意味する」中での、早送りされない映画の4分間のサスペンスがすごい。

この緊迫感のおかげで、無線が回復した時、映画を見ていた者も50年近くの時をタイム・スリップして、本当に良かったと感動を爆発させることができるわけです。

来年早々に公開が予定されている"FIRST MAN"という映画では、月面着陸を初めて成功させたアポロ11号が題材にされています。順番はまちまちですが、いくつかある宇宙開発をテーマにした映画を総復習して待ちたいと思います。