2020年2月26日水曜日

Paavo Jarvi Frankfurt RSO / Mahler Complete Symphonies (2007-2012)

エストニア出身のパーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Jarvi, 1962-)は、父親がネーメ・ヤルヴィです。爆演でおなじみのネーメの息子ですが、こちらは比較的理論家であまり無茶はしません。

最近はNHK響の首席指揮者に就任したので、日本ではお馴染みの指揮者です。外見はこわもて風なんですが、繊細な音楽作りをする指揮者です。

フランクフルト放送交響楽団は、1929年にフランクフルト市のヘッセン放送協会が設立したもので、hr放送響という名称もしばしば見受けられます。インバルは、ここの名誉指揮者でもあります。

このセットの特筆すべき点は、すべてが映像作品であること。DVD、BDでの発売のみで、マーラー交響曲ビデオ全集は、同一指揮者によるものとしてはバーンスタインに次いで2つめ。同一指揮者・同一楽団によるものでは世界初だと思います。

クラシック音楽のように、画面の動きが少ないと映像は軽視されがちですが、マーラー作品では作曲者自ら楽団のメンバーの動き方を指定したりしているので、ビジュアルもかなり楽しめます。以前に、このセットに触れた時に、フルート奏者がすごい美人で映っている時間も多い。

この人はクララ・アンドラーダで、最近はソロとしても活躍していて、美人な外見だけでなく、実力も評価されたフルート奏者として世界的にも注目されています。

2007年 第3番 ヴァルトラウト・マイアー
2008年
 第4番 ゲニア・キューマイアー
 第10番(アダージョkn)
2009年 第9番
2010年 第2番 カミラ・ティリング、リリ・パーシキヴィ
2011年 第5番、第7番
2012年 第1番
2013年
 第6番
 第8番 エリン・ウォール、アイリッシュ・タイナン、アンナ・ルチア・リヒター、アリス・コッテ、シャルロッテ・ヘレカント、ニコライ・シューコフ、ミヒャエル・ナジ、アイン・アンガー

独唱者としては、第3番のマイヤー、第2番のティリングなどが注目です。また、それぞれにヤルヴィのインタヴューが付属していて、しかもなんと輸入盤でも日本語字幕もついている。これがなかなか興味深い。

惜しくも全集とは呼べないアバドのルツェルンでの選集とともに、マーラー物としては大変価値のある重要なセットと言えます。