2020年2月2日日曜日

Rafael Kuberik BRSO / Mahler Complete Symphonies (1967-1971)

ラファエル・クーベリック(Rafael Kuberik, 1914-1996)はチェコ出身。年齢的にはカラヤンとバーンスタインの間。音楽的にはエリート一家の出身で、プラハ音楽院卒業後にチェコフィルの指揮者としてデヴュー。

1948年にチェコが共産化した際に西側に亡命し、1961年からバイエルン放送交響楽団の首席指揮者となって、1979年まで手兵としてオケを鍛え上げています。1986年、一時体調の問題で引退。民主化により1990年、チェコフィルと共にスメタナの「わが祖国」を指揮して奇跡の復活と評判になりました。

クーベリックは、実は名前はかなり昔から知っていて、たぶんDGの「わが祖国」のレコードを持っていた・・・ような記憶がありますが、その風貌がお茶の水博士みたいで、颯爽としているバーンスタインやカラヤンと比べるとパッとしなかった。

同じチェコ出身としてマーラーの曲にも早くから興味を持っていて、バーンスタインより少し遅れましたが、早くに全集を完成させた一人に数えられます。内容は、潔く交響曲のみです。

1967年の第9番からスタートし、同年に第1番、第3番、1968年に第4番、第10番(アダージョのみ、)第6番、1969年に第2番、1970年に第7番、第8番、1971年に第5番という具合で、比較的短期間にバイエルン放送響のみで作り上げました。

演奏はと言うと、全体的には穏健な過激な修飾の無いスタイルでやや早めの演奏だと思うのですが、出だしの急加速から一転してゆったりさせたり、テンポの揺れはおおきめという印象。

ブームの先駆けとして、ここからマーラーを始めた人は多いでしょうから、その点の功績は多大なものがあるのですが、いろいろなマーラーが登場した現在ではスタンダードとはしにくい名演かもしれません。