クリニックの夏季臨時休診のお知らせ
8月11日(木) 山の日 通常の祝日で休診です。
8月12日(金)~8月17日(水) 臨時休診します。
8月18日(木)より、通常通りの診療をいたします。18日は木曜日なので、午前のみの受付になりますのでご注意ください。

2020年4月29日水曜日

新型コロナウイルスと免疫


コロナウイルスに感染した場合、通年性のものでは普通の「かぜ」症状を発症します。発熱、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、咳、痰などの一般的な上気道の炎症症状で、大多数は1週間程度で回復します。

新型コロナウイルス(COVID-19)の場合には、どうしても急速に重症化する肺炎が命に関わるため注目されます。しかし、今までの集積されたデータからは、感染しても無症状の方、あるいは軽微な症状で推移する方が大多数であることは間違いありません。

通常の免疫力を持っているならば、人は体内に侵入した病原体(抗原)を攻撃する抗体を作り排除する力を持っています。

一度作られた抗体は、はしかや水疱瘡では一生効果が続く(終生免疫)ことになります。しかし、インフルエンザのように数カ月程度しか持続しないものも、ヘルペスのようにほとんど抗体が成立しないものもあります。

通常のコロナウイルスでは、終生免疫は得られていません。感染後にその痕跡として抗体が検出できますが、徐々に減少すると言われています。おそらく、COVID-19についても同様の経過を取ると想像できます。

基本的なワクチンの原理は、病原性を弱めた病原体を接種することで免疫を獲得して、感染しても発症しないようにするということ。一般的なインフルエンザ・ウイルスのワクチンは年始めにその年に流行するウイルスの型を予想して、それにあったウイルス株を専用の受精鶏卵に接種して培養した後不活化し、ワクチンとして流通するのは秋です。

つまり培養株がすでに用意されていても、ワクチンが使えるようになるのには最低半年はかかるということ。効果的な培養株を一から用意しないといけないCOVID-19の場合は、どんなに早くてもワクチンが登場するのには、普通に考えて1年程度は必要です。

一方、集団免疫という考え方があります。これは、集団で免疫を獲得して乗り切るのではなく、免疫力を獲得した人が増えれば、他人に移さなくなり感染が終息に向かうというもの。COVID-19でも、70%程度の人が感染し免疫を獲得できれば、一人の感染者が移すのは一人以下になり終息に向かうことが期待できます。

イギリス、ドイツは当初、集団免疫の効果を期待していましたが、COVID-19の場合は重症者の発生スピードが速すぎて、医療が追いつけない状況になり現実的に待てなくなりました。現在も集団免疫を期待して強力な封鎖などをしていないのはスウェーデン。実際、ウイルスの陽性率は下がり始めていて、もしかしたらうまくいくのかもしれません。

ただし、集団免疫が成功するかどうかは、それぞれの国の医療体制、そして何よりも一人一人の国民の高い意識によるところが大きい。また、スウェーデンは税金が高いことが有名ですが、それを基にした高度の社会福祉政策が基盤にあることが鍵になっています。

日本では、間違いなく医療技術は世界レベルで高いのですが、ベッド数や医療従事者の数は欧米よりも劣ると言わざるをえない。また、国民が一つの方向性に向けるだけの政府の対応がなされているとは云い難い現状では、集団免疫を待つ余裕は無いと思います。