2020年12月14日月曜日

ジュラシック・パーク (1993)

スティーブン・スピルバーグは、この映画で再び全世界での興行収入記録を更新するヒットを放ちました。この人気作はシリーズ化され、すでに30年近くたっても新作の準備中です。

原作は科学的根拠をベースにした作品が多いSF作家、マイケル・クライントンで、自ら脚本にも参加しています。恐竜の血を吸った蚊の化石から、DNAを抽出してクローン恐竜を作ったらという話(ただし、実現不可能であることはほぼ証明されているらしい)。

恐竜は、こどもは誰でも興味を持つ時期があり、古代地球のロマンの一つ。それは絶滅したからこそのものであり、当然、現代社会で恐竜と人間が共存するというのはスリル以外の何物でもありません。

しかし、リチャード・アッテンボロー演じる大金持ちのハモンドは、離島にクローン恐竜のテーマ・パークを作ったのです。オープンを前に、権威づけのために恐竜化石の発掘を専門にしているグラント博士(サム・ニール)、グラントの恋人で古代植物の専門家であるサトラー博士(ローラ・ダーン)、そしてカオス理論を専門とする数学者のマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)の3人の科学者が招待されます。

数学者がいる理由がよくわかりませんが、そこにハモンドの孫二人と、ハモンドの弁護士を加えたの6人で、早速自動運転の車に乗り込み、パークの見学ツアーに出発。ところが、嵐が急接近してきたこと、そして金に目がくらんだエンジニアの一人がDNAを盗み出すためにパーク内のセキュリティ・システムをダウンさせてしまい恐怖のスタートになります。

ティラノサウルスに襲われた一行は、恐竜生息地域に逃げ延びたこどもが嫌いのグラントと孫二人、センターに戻ったサトラーと負傷したマルコム、そしてハモンドの二手に分かれて様々な恐竜に襲われる危険な目に遭遇します。


弁護士やパークのスタッフらは、恐竜の餌食になってしまいますが、主要人物6人は何とか無事に島を脱出することに成功しました。

これらの見事な恐竜は、アニマトロニクスと呼ばれる可動式機械がシーンごとに使われています。この見事な動きが映像にリアリティを与えていて、特に大きさも映画を見る人に絶大なインパクトを与えることに成功しました。ジョージ・ルーカスも協力し、CG技術も取り入れられていますが、実写だけで不十分なパートをうまく補完しています。

映画としては、生物に襲われるある種のパニック物として見るだけでも、スリルの連続で楽しめます。しかし、生物の根本的な生存に人間が介入することのリスクを提示していることも重要です。また、スピルバーグ映画の多くに現れる親子の関係も、こども嫌いだったグラントが必死に二人のこどもたちを守っていくことで、テーマの一つに掲げていることも忘れてはいけません。

いずれにしても、やはりこの手の映画は、スピルバーグの最も得意とする分野であることは間違いなく、ハラハラ、ドキドキの連続の作り方はうまいなぁと思いました。