2021年1月23日土曜日

BFG (2016)

スティーブン・スピルバーグもついに70才、映画監督としてメジャー・デヴューして45年を迎えたこの年、送り出した映画は・・・得意なファンタジー。イギリスの児童文学作家として有名なロアルド・ダールが1982年に著した「BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」です。

ダールは、ティム・バートンの監督作でお馴染みの「チャーリーとチョコレート工場」の原作者。ウェス・アンダーソン監督の「ファンタスティックMr.FOX」の原作でも有名です。他には「007は二度死ぬ」や「チキ・チキ・バン・バン」の映画脚本も手掛けています。

「BFG」の原作は「オ・ヤサシ巨人BFG」という邦題で出版されています。キャスリーン・ケネディらが映画化の企画を始めたのは1991年に遡り、紆余曲折があってスピルバーグが監督で軌道に乗ったは2014年の話。

スピルバーグは「タンタンの冒険」で用いたモーション・キャプチャー技法によって、巨人たちをスクリーンに再現しました。「タンタン」のようにほぼCGアニメーションという構成だったらちょっと辛いところなのですが、ここでは巨人に限られる。主役のBFGは、前作「ブリッジ・オブ・スパイ」でソ連のスパイを演じたマーク・ライランスが演じ、巨人向けにデフォルメした外見で、極端な特殊メークをした感じなので許せるところ。

もう一人の主役、孤児院で育った10歳のソフィーを演じるルビー・バーンヒルはオーディションで選ばれ、中盤まではほとんど出すっぱりの一人芝居みたいなもので、難しい役柄ながら度胸が据わった演技を見せてくれます。

ある夜、たまたまBFGを目撃してしまったソフィーは、人に喋られると困るため、BFGによって巨人の国に連れ去られます。BFGは不思議な泉で「夢」を捕まえて、それを街に出た時に寝ている人々に見させることを仕事にしていました。

巨人の国には、BFGよりも大きな9人の獰猛な巨人がいました。彼らは人間のこどもさらっては食べてしまう連中で、BFGのことをチビ呼ばわりしてバカにしています。BFGのところにソフィーがいることに気がついた9人は、家をめちゃめちゃにして探し回るのです。

ソフィーはBFGに、こどもたちが巨人に食べられる怖い夢を調合して、何とバッキンガム宮殿で就寝中の女王に見させ、驚いて目が覚めた女王にBFGを引き合わせます。そして、悪い巨人を退治してほしいとお願いしました。

女王は軍を出動させ、巨人たちを捕獲し遠い遠い孤島に隔離し、BFGは安心して暮らせるようになりました。ソフィーも宮殿で暮らせるようになり、めでたし、めでたし。

・・・と。まぁ、荒唐無稽な話で、言ってみればスピルバーグにとってはお茶の子さいさいのジャンル。家族向けで安心して見れるファンタジー・アドベンチャーとしては、それなりにまとまっています・・・が、やっぱり、スビルバーグを全部見ると決めなきゃ見ないかなと思いました。