2021年11月11日木曜日

ISDN


ISDN・・・って、今時知らない人も多いかもしれませんが、Integrated Service Digital Network の略で、20世紀末に一般化したすべてデジタル化された電話回線のこと。

もともと音声通話のための電話回線は当然アナログ信号を送っていたわけで、昔々のパソコン通信をする時は、デジタル信号をモデムを通してアナログ化して送っていました。あの、ピー〇×◆※□◆・・・という音がする奴です。アナログ・モデムだと通信速度は、90年代に一般向けで14.4kbpsが一般普及したように思います。

これがISDNになると、信号の授受の際の基本速度は64kbpsとなり、2つのチャンネルを利用すると倍の128kbpsになるという驚異のスピードが出せました。CMでも「ろくよん、ろくよん、いちにっぱ」と宣伝していましたよね。

通信速度だけでも、めっちゃ早いと思いましたし、音声電話にしてもデジタルで番号を送れたり一つの回線で複数の番号を使えたりと便利なことだらけ・・・でしたが、時代の変化はハードの進化を軽く追い越して、今やISDNは化石のような扱い。文字だけ送るデータ量くらいはいいとしても、画像やまして動画を送るとなると、ISDNはとてもとてもまともに使えなくなってしまいました。

今や携帯も5Gの時代で、通信速度は最大で3.4Gbpsです。64kbpsは64,000 bits/secですが、3.4Gbpsは3400,000,000 bits/sec なので約5万3千倍の通信速度です。21世紀以降しだいに普及してきた光通信技術は、さらにすごくて最大10Gbps、つまり5Gの3倍の速度を誇ります。

自宅の通信環境は、長らくISDNを使っていましたが、もう10年くらい前からはケーブルテレビの光通信を利用して、電話もインターネットも統合してます。クリニックはというと・・・実は今でもISDN。診療報酬請求をオンラインで行うのに機密性が要求されるので、オープンなインターネット環境は使えません。

さて、巷で話題になっているマイナンバーカードが保険証の代わりなる・・・という話。保険証やマイナンバーカードをスキャンして、即座にオンラインで照合するシステムが開始されました。これは画像データのやり取りが必要になるため、ISDNではとてもやっていられない。

ISDNは2024年には廃止になることも決まっていますので、まずはこの回線見直し、つまり光通信への変更が必要になるんですね。これが簡単そうでなかなか大変で、運営の基幹システムの変更なので、あちこちいろいろなところの手配をしないといけません。

というわけで、現在保険証のオンライン認証システムは、来年春までには導入できるよう準備中ということで・・・よろしくお願いします。