2022年3月16日水曜日

酸味の話


酸っぱい調味料なら、日本では主として米から作る穀物酢が一般的で、特に玄米から作る黒酢は何かと人気があります。また、すだち、ゆずなどの柑橘系の柔らかい酸味が料理には使われます。

何しろ酢は、人類が作り出した最古の調味料と言われていて、紀元前5世紀ごろから存在していたらしい。西欧の酸味といえば、ワインから作られるワイン・ビネガーとバルサミコ酢が代表的なもので、柑橘だと圧倒的にレモンということになります。

基本的には、穀物や果実の中のアルコールが、菌の作用で酸素と結合して生じた、酢酸(さくさん)が食用酢となります。ブドウから作られるワインは、古くなると酸っぱくなることから、最も身近な酢の原料として使われるようになりました。

ブドウの果汁をアルコール発酵させたのがワインで、さらに酢酸菌を入れてさらに発酵を進め、数か月程度の熟成によって作られたのがワイン・ビネガーで、フランス発祥。

米酢と似たような用途で使われる一般的な酢で、ワインと同じで赤と白があります。白は野菜サラダのドレッシング、マリネ、カルパッチョなどで活躍し、渋さが増す赤は煮込み料理などに使われます。

バルサミコ酢はイタリア発祥で、原料がブドウというのは一緒。ただし、ワイン・ビネガーと違い、絞り出した果汁を煮詰めて濃縮してから樽で発酵させるもので、その期間は数年から数十年にも及びます。

エミリア・ロマーニャ州のモデナまたはレッジョ・エミリアで作られ、かつ12年あるいは25年以上寝かせたものは高級品としてトラディツィオナーレ、特に25年以上は、別格としてストラヴェッキオと呼ばれます。

Amazonで手に入る30年物のストラヴェッキオは100mlで29,480円、40年物になると40mlで21,600円という具合で、ネットを探すと100年物で68gで54,000円なんてのも見つかります。さすがに超高級レストランを除くと、とても一般向けとは言い難い。

でもって、一般向けは熟成期間が6年~10年くらいのもので、酸が目立つためバルサミコ・ビネガーという呼ばれ方もある物。値段は急に下がって、200円/100mlくらいから、高いものでも1,000円/100ml程度。ただし、中には混ぜ物があったりするので、品質を保障するモデナIGPの表記があるものを選べば、間違いがありません。

自分が使うのはワイン・ビネガーはGrosoliの白で500mlで400円くらい。バルサミコ酢は同じくGrosoliの赤で250mlで約1000円です。一応、コストパフォーマンスが良いと評判のオーガニック専門のAlce NeroのモデナIGPも買いましたが(500円/250ml)まだ使っていません。たまたま安売りスーパーで見つけた、タマノイ酢の400円/250mlでもまぁまぁでした。