2022年5月18日水曜日

ソフリット


ソフリットsoffritto そのものは料理というよりは、イタリア料理で多用される調味料みたいなもの。基本的には、香味野菜と呼ばれる玉ねぎ cipolla、ニンジン carota、セロリ sedano を細かくみじん切り(アッシェ)にしたものをじっくりと炒めたもの。

それぞれの野菜の量はだいたい3:2:1といわれ、これは普通のサイズの玉ねぎ1個、中くらいのニンジン1本、普通のセロリの茎だけの部分で2/3程度に相当します。

西欧の食文化には共通の物が多々ありますが、フランス料理でソフリットに似ているのはミルポワ mirepoix です。ミルポワの方がみじん切りの切り方は大きめ(コンカッセ)で、野菜の比率は2:1:1です。スペインではソフリト sofrito と呼ばれ、トマトも入れたりします。

野菜の持つ甘味や旨味を凝縮させることが目的で、これがいろいろな料理の味のベースとして使われます。例えばボロネーゼ・ソースでは、これにひき肉を加えて煮込みます。スープやリゾットにも使われたりして、レストランでは大量に仕込んで大活躍するのだそうです。

フライパンにオリーブオイルを入れ、切った野菜を入れて炒めていきます。最初に少量の塩を振ることが大事で、この塩の浸透圧の作用により野菜の水分が抜けやすくなります。中火で数分すると、フライパンに水分がたくさんたまって来るのがわかります。

ある程度の水分が蒸発したら、さらにオリーブオイルを追加します。そもそもソフリットという言葉は「揚げる」という意味があり、炒めるというよりは野菜を揚げ焼きにするというのが正しい。

さらに数分すると、次第に周りに脂が溜まって来て、いかにも揚げているという感じになります。この間、野菜を焦がさないように適宜かき混ぜながらなので、あまり手を離すことができません。大量に作るレストランではオーブンを使うこともあるようです。


火を入れて30分以上たつと、全体が飴色のペースト状になってきます。最初のボリュームの半分以下になったら出来上がりで、野菜を切るところからだと1時間近くかかります。どんな料理に使うかによっては、さらに火を入れ続ける場合もあるそうです。

時間があるときに作っておいて冷凍しておき、必要な時に必要な量だけ取り出して使いますので、イタリア料理にはまった人は是非用意しておきたいものです。